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09月28日-一般質問-04号

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  1. 新潟県議会 2018-09-28
    09月28日-一般質問-04号


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    平成30年  9月定例会 本会議平成30年9月28日(金曜日)  議事日程 第4号    午前10時 開議第1 第128号議案から第134号議案まで第2 請願第3号第3 陳情第8号第4 県政に対する一般質問   ―――――――――――――――――本日の会議に付した案件 日程第1  第128号議案 決算の認定について(平成29年度電気事業会計工業用水道事業会計工業用地造成事業会計)  第129号議案 決算の認定について(平成29年度新潟東港臨海用地造成事業会計)  第130号議案 決算の認定について(平成29年度病院事業会計)  第131号議案 決算の認定について(平成29年度基幹病院事業会計)  第132号議案 新潟県電気事業利益剰余金の処分について  第133号議案 新潟県工業用水道事業資本剰余金の処分について  第134号議案 新潟県工業用水道事業資本金の額の減少について 日程第2  第3号 私学助成についての意見書提出に関する請願 日程第3  第8号 消費税率10%増税の中止または延期を求める意見書提出に関する陳情 日程第4 県政に対する一般質問(笠原義宗君、中村康司君、斎京四郎君、石坂浩君、志田邦男君、渋谷明治君)   ――――――――☆――――――――出席議員(51名)          石坂  浩 君  斎京 四郎 君  中村 康司 君  松原 良道 君          笠原 義宗 君  高橋 直揮 君  宮崎 悦男 君  青柳 正司 君          矢野  学 君  石塚  健 君  横尾 幸秀 君  皆川 雄二 君          小林 一大 君  冨樫 一成 君  佐藤 卓之 君  楡井 辰雄 君          小島  隆 君  佐藤  純 君  桜井 甚一 君  西川 洋吉 君          岩村 良一 君  沢野  修 君  金谷 国彦 君  早川 吉秀 君          尾身 孝昭 君  柄沢 正三 君  中野  洸 君  小野 峯生 君          帆苅 謙治 君  渡辺 惇夫 君  石井  修 君  三富 佳一 君          星野伊佐夫 君  藤田 博史 君  佐藤 伸広 君  小島  晋 君          秋山三枝子 君  高倉  栄 君  上杉 知之 君  大渕  健 君          長部  登 君  小山 芳元 君  安沢 峰子 君  志田 邦男 君          渋谷 明治 君  青木太一郎 君  佐藤 浩雄 君  片野  猛 君          小島 義徳 君  佐藤 久雄 君  重川 隆広 君   ―――――――――――――――――議員以外の出席者 知事            花角 英世 君 副知事           高井 盛雄 君 副知事           益田  浩 君 知事政策局長        笠鳥 公一 君 総務管理部長        佐久間寛道 君 県民生活・環境部長     本間由美子 君 防災局長          熊倉  健 君 福祉保健部長        藤山 育郎 君 産業労働観光部長      橋本 一浩 君 農林水産部長        山田 治之 君 農地部長          緒方 和之 君 土木部長          中田 一男 君 交通政策局長        水口 幸司 君 会計管理者兼出納局長    山田富美子 君 病院局長          岡  俊幸 君 企業局長          稲荷 善之 君 教育長           池田 幸博 君 人事委員会事務局長     関原  貢 君 警察本部長         花岡 和道 君 監査委員事務局長      髙橋 和已 君   ――――――――☆―――――――― △午前10時開議 ○議長(沢野修君) これより本日の会議を開きます。 御報告いたします。溝口副知事から本日の会議を欠席する旨の届け出がありましたので、御了承願います。   ――――――――☆―――――――― △日程第1 第128号議案から第134号議案まで ○議長(沢野修君) 日程第1、第128号議案から第134号議案までを一括して議題といたします。 ◆高橋直揮君 ただいま議題となりました第128号議案から第134号議案までは、審査のため企業会計決算審査特別委員会を設置し、これに付託することを望みます。 ○議長(沢野修君) 高橋直揮君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(沢野修君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決しました。 お諮りいたします。 新潟県議会委員会条例第3条の規定により、議長は、企業会計決算審査特別委員会の委員定数を23人といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(沢野修君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   ――――――――――――――――― ○議長(沢野修君) 次に、企業会計決算審査特別委員会委員の選任を行います。 お諮りいたします。 新潟県議会委員会条例第4条第1項の規定により、議長は、企業会計決算審査特別委員会委員を諸君のお手元に配付の名簿のとおり、指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(沢野修君) 御異議なしと認めます。よって、名簿のとおり指名いたします。   〔委員名簿は付録に掲載〕   ――――――――――――――――― ○議長(沢野修君) 次に、企業会計決算審査特別委員会の正副委員長の選任を行います。 お諮りいたします。 新潟県議会委員会条例第6条第2項の規定により、議長は、  企業会計決算審査特別委員会の委員長に   佐 藤   純 君  同副委員長に   藤 田 博 史 君を指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(沢野修君) 御異議なしと認めます。よって、さよう指名いたします。   ――――――――☆―――――――― △日程第2 請願第3号 △日程第3 陳情第8号 ○議長(沢野修君) 日程第2、請願第3号及び日程第3、陳情第8号を一括して議題といたします。 お諮りいたします。 請願第3号及び陳情第8号は、審査のため、諸君のお手元に配付の請願・陳情文書表のとおり、各部門の常任委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(沢野修君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   〔請願・陳情文書表は付録に掲載〕   ――――――――☆―――――――― △日程第4 県政に対する一般質問 ○議長(沢野修君) 日程第4、県政に対する一般質問を行います。 順次、発言を許します。 まず、笠原義宗君の発言を許します。笠原義宗君。   〔笠原義宗君登壇〕(拍手) ◆笠原義宗君 皆さん、おはようございます。自由民主党の笠原義宗でございます。順次、質問に入らせていただきたいと思います。 ことしに入りまして、スポーツの信頼が揺らぐ事例が多数発生しています。日大のアメリカンフットボールやアマチュアボクシング、体操などですが、誰もが気持ちよくスポーツができる環境を望みたいと思います。 一昨日、広島カープがセリーグで3連覇をなし遂げ、地元広島での優勝は27年ぶりだったとのことです。広島のまちは歓喜にあふれ、西日本豪雨で被災をされた方も喜んでおられ、スポーツが人を元気にし、まちの魅力を高める大きな力となっているところを見て、改めてスポーツのよさを感じたところでございます。 さまざまな形で、知事を筆頭に、新潟を元気にしていきたいというふうに思っておりますが、花角知事就任以降、私の地元でも知事に期待する声が多くあります。特に運輸、交通政策、観光のスペシャリストであり、原発に慎重な姿勢、国との関係が良好であり、本県の人口減少や交流人口の伸び悩みなど不安材料を払拭してくれるのではないかとの声があります。 近年、地方ではインバウンドの効果によりシャッター通りのシャッターが上がり、商店街が活性化するなどの成功事例がありますが、やるかやらないかではなく、やってみようという機運づくりが大事なのではないかと思います。 現状では、知事が選挙戦のときに感じたように、本県の地盤沈下を感じられたり、停滞感を持っておられる方が多いと思います。それを払拭するには、本県の明るい将来のビジョンを示し、一つずつ施策を進めることが重要であると考えます。ただ公共投資をし、仕事をふやすのではなく、その投資を大手企業などの民間企業の投資につなげることが重要であると考えます。 知事は、自然災害を踏まえた安全・安心、住んでよし、訪れてよしの新潟県を目指すと言われています。それには、今後、知事の政治決断が必要になってくると考えますが、私も知事が決断しやすいような取り組みをしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 まず、知事の政治姿勢と県政の諸課題について伺います。 広域自治体である県の役割についてですが、基礎自治体である市町村では困難な施策や、複数の市町村をまたがるもの、国との連携によって行う大規模な事業、県の拠点性向上を目的とした事業など、やるべきことは多くあります。 特に政令市新潟では、県の役割が見えづらいことから、県の不要性を問われることもありますが、市町村では難しく、国でもできない課題の対応、国と連携した大規模な事業などに特化することが必要であると考えます。 広域自治体としての県の役割についての知事の所見を伺います。 次に、企業誘致のビジョンについて伺いたいと思います。 本県の課題の一つである社会減対策は、若者のニーズを捉えた企業誘致により、雇用の場をふやすことが重要であると考えます。 先週、産業経済委員会の県外視察で、楽天やチームラボ、IT企業のフラーなど、最先端の企業を視察させていただきました。今後の本県の産業育成や交流人口増加のヒントを多く持ち合わせている企業であると感じました。今後は、IT企業等の消費動向や宿泊者数等の情報を得ながら県の施策を考えることや新たな観光アプリをつくることによって、交流人口の増加、利便性の向上につながるのではないかと思いました。 特にアプリ制作会社のフラーは、新潟県出身の社長で、従業員の3割が本県出身者であるとのことでした。また、知事も社長にお会いしたと伺っておりますが、若い方の雇用の場が首都圏には多くあるのだというふうに感じたと同時に、新潟でIT企業群を誘致、育成することによって、社会減を抑えることができるのではないかとも思いました。 ことし6月、楽天ではラクマのカスタマーサポート拠点をつくっていただき、160人の雇用を目指すと言われていますし、フラーも新潟支社を開いていただいております。 今後、県として独自のIT企業専用のオフィスをつくることや規制緩和を進めることによって、やり方によっては世界のIT企業を誘致できる、そんな可能性があるのではないかというふうに思います。 今までのように工場を誘致すれば雇用が生まれるのではなく、若い方たちのニーズの多い事務職やIT、デザイン、商品開発など、全国から人材が集まる魅力ある企業を誘致しなければならないと考えます。 そのためには県が大きなビジョンを示し、企業誘致を進めることが重要と考えますが、知事の所見を伺います。 次に、人口減少の影響について伺います。 本県の人口は、現在、平成9年のピークであった249万人から230万人を割り込み、20年後には200万人を割ると言われています。今後、人口減少が進むと個人消費が落ち込み、学校の統廃合などさまざまな分野での悪影響が心配されます。そのことにより、県民は消費を抑えたり、企業投資が進まなかったり、県民が新潟県に希望が持てない要因であると感じます。 人口減少の悪影響を知事はどのように捉えておられるのか伺います。 インフラ整備の投資についてですが、常に時代は変わり、将来への投資をしなければ、衰退につながると考えます。本県は、人口減少が進み、他県よりも元気がないと言われていますが、それは将来に向けたインフラ整備の投資が弱かったのではないかと考えます。 本県は、日本海側でいち早く新幹線、高速道路が整備され、日本海側の最大都市とも言われ、企業誘致も強い時代がありましたが、その後インフラ投資が弱まり、近隣県が頑張ったことにより、北陸新幹線の開業や駅周辺の開発、都市内交通の整備が進み、魅力が高まり、人口や交流人口の伸び率に差が出てきたのではないでしょうか。 安全・安心に暮らせる新潟の実現を目指し、県民が将来に対して希望を持つためには、次世代の社会を考えた未来へのインフラ投資をする必要があると考えますが、知事の所見を伺います。 ことしも西日本豪雨災害や台風21号による被害が発生し、多くの方が甚大な被害を受けました。特に豪雨災害は、近年、毎年のように日本各地で発生していることから、いつ本県も襲われるかわからないため、河川整備を強化すべきだと考えています。 知事は、就任してから河川整備の予算を国に要望していただいたと伺っており、ありがたく思っております。9月定例会の補正予算におきましても、早期に対応が必要な河川等の予算も提案いただいておりますし、被害を未然に防止する事前対応型の対策を強化するハード面の整備や、情報伝達や住民避難等の対策などソフト面においての対策も提案されており、評価をいたします。 しかし、河川整備には多くの予算や用地取得など課題が多くありますが、予算がふえなければ河川改修工事は進まないものと認識しています。これから来年度の予算編成も始まるところかというふうに思いますが、今後の河川整備の方針についての所見を伺います。 次に、中ノ口川の整備について伺いたいと思います。 信濃川下流域の加茂川などの県管理河川における信濃川の背水区間、いわゆるバックウオーターの影響を受ける区間の整備は2020年までに終わると承知していますが、中ノ口川の背水区間の整備は終わらないと聞いています。少しでも早く中ノ口川のバックウオーターの影響を受ける区間の整備を終わるよう要望したいと思いますが、県の所見を伺います。 次に、県職員の働き方について伺いたいと思います。 まだ記憶に新しい事案として、日本海横断航路の問題があります。日本海横断航路の失敗は許されるものではありませんが、なぜ失敗したかといえば、情報を隠蔽し、一部の職員で進めたことが問題であると思います。それも職場の雰囲気や風通しが悪かったのだろうというふうに思いますが、ぜひ知事には、風通しをよく、隠蔽体質をなくすなど取り組みを進め、県職員の能力を引き出し、県政の諸課題に当たってもらいたいと思います。 県職員約6,000人の力をフルに引き出せば、新潟県は活性化し、県政の課題も克服できることが多いのではないかと考えます。失敗を恐れ守りに入る職員や、自分たちのつくったマニュアルから出られない職員の雰囲気を変えることや、若い職員の斬新な提案やチャレンジができる職場の雰囲気づくりが重要と考えますが、知事の所見を伺います。 平成29年に地域未来投資促進法が施行されました。そのメリットとしては減税や補助制度、規制の特例措置等の支援策があり、本県においても、ものづくりや農林水産、第4次産業革命、観光・スポーツ・文化・まちづくり関連などの分野で企業が計画の承認を受けています。 今後、この法律を活用し地域の中核企業がさらに発展するよう県が後押ししていくことが重要と考えますが、この法律についての県の受けとめと今後の取り組み方針について伺います。 今後、人口が減少し、生産年齢人口が減少することにより、医師や看護師のみならず、農業などの1次産業やサービス業まで、多くの業種で人手不足の影響が出ています。一方で、AIやIoTを導入すると、今ある職業の約50%がなくなるとの予測がありますが、今後、機械化や外国人労働力など幅広い形で人手不足対策に力を入れ、労働力を確保しなければ、企業や社会は成り立たないと考えます。 今後の生産年齢人口の減少が本県の産業に与える影響についての所見を伺います。 また、社会全体の人手不足は深刻化しており、対策のスピード感も求められ、県内でも外国人労働者を受け入れている企業を多く見受けられるようになっています。逆に、外国人労働者がいなければ企業は成り立たなくなることから、国においても外国人材の受け入れを拡大する方向での検討が進められています。 県内の外国人労働者受け入れ実績と、人手不足対策としての外国人労働者受け入れについての所見を伺います。 次に、外国人技能実習生について伺います。 近年、途上国の技術支援として外国人を企業が受け入れ、日本の技術を取得することにより、途上国の発展に寄与する事業があります。現在では最長5年のビザとなっていますが、今後、一定の専門的技術を擁した方を就労できる新たなビザについて国のほうで検討が進められている背景には、我が国の人手不足対策の要因があるのではないかと思います。 本県でも年々受け入れ人数もふえていると聞いていますが、労働環境をよくし、外国人が新潟県で働きたいと思う施策を進めなければ、外国人の人材不足も既に問題視されています。 報道によれば、受け入れ機関による賃金不払いといった労働関係法令違反などの人権侵害の問題や、国全体では平成29年における外国人技能実習生の失踪者数が7,089人だったとの報道もされています。 人手不足対策により外国人労働力が必要な反面、課題も多くありますが、現状の課題を受けとめ、今後さらにふやさなければならない技能実習生の受け入れ環境を改善しなければならないと考えております。 本県における外国人技能実習生受け入れ実績と不正行為や失踪の発生状況、受け入れに当たっての課題に対し、県はどのように対応していくのか伺います。 次に、里親支援事業についてですが、本県は、経済的などの何らかの事情により生みの親が育てることができない子供を育ての親に託す里親支援事業を支援していると承知をしています。親元で暮らせない子供には、児童養護施設で生活することや、里親制度により一般家庭で生活をするなどの支援が行われています。 私としても、里親制度を充実させ、一般家庭で生活をし、親元で暮らせない子供が家庭と同じ環境で安心して成長できるよう、里親制度の取り組みを強化することが重要であると考えております。 本県の状況は、施設措置児童数は減少傾向であり、里親委託児童数がふえており、里親の登録世帯もふえていることから、よい方向であると承知しております。児童養護施設の入所者数を今後も減らす努力が必要と考えますが、知事の所見を伺います。 また、親元で暮らせない子供を家庭と同様の環境で育てるための制度として、里親制度や特別養子縁組制度があり、平成28年、児童福祉法の一部改正により、国としてもこれらを推進していく方針が決定されたところであります。 一方で、里親や養子縁組に関する相談は児童相談所の業務として位置づけられていますが、近年、児童虐待などがふえており、児童相談所の職員の不足や多忙化が指摘されていて、里親や特別養子縁組などに対する支援不足が指摘されていると伺っています。 今後、里親や特別養子縁組などに家庭的な環境での養育を推進するために、児童相談所の体制を強化すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、ナイトタイムエコノミーについて伺います。 近年、訪日外国人旅行者が全国的に伸び、昨年は日本全体で2,800万人を超えました。本県も需要が伸びつつありますが、外国の方に新潟の魅力を聞くと、夜の観光の魅力が寂しいと言われることが多くあります。全国的にも日本のナイトタイムエコノミーの弱さを指摘されており、課題が示されていますが、本県はさらに弱いのではないかと考えております。 本県のナイトタイムエコノミーの現状と今後の取り組みについて伺います。 次に、インバウンド需要を拡大するために、クレジットカードモバイル決済などのキャッシュレス化を強化する必要があると感じます。海外に行くと、まちに両替所があり、簡単に両替ができますが、帰国をすると、外貨を両替するにはほぼ銀行で手続するしかなく、大変であると感じております。 世界的にクレジットカードモバイル決済などキャッシュレス化が進んでいる中、日本でも全国の観光地を中心にモバイル決済サービスを導入する動きが拡大しています。鉄道会社、飲食店などの導入が進んでいますし、富士急ハイランドはウィーチャットペイを全面導入し、モバイル決済導入が進んでいる事例もあります。 本県は普及がおくれている状況にあると感じますが、本県におけるキャッシュレス化の普及促進に取り組むことが必要と考えますが、所見を伺います。 本県の私立大学は、6割が定員割れをしていると報道されています。本県の課題である人口の社会減の対策は、この定員割れを減らすことが重要であると考えます。 しかし、以前は本県の学生の進学率を上げることを目的とし、多くの大学をつくってきた経緯がありますが、今後は時代のニーズに合わせた学部の新設や統廃合を含めた大学のあり方を検討することが必要ではないかと考えます。 今後、少子化による影響や、魅力ある大学が関東圏にあるなど、さらに定員割れがふえていくのではないかと危惧をいたします。学生が魅力を感じ、県外からも学生が集まる大学にしなければならないと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、交通政策について伺います。 新潟空港までのアクセスについては、今回の議会でも多くの議員の方が取り上げておられます。長年にわたり軌道系の乗り入れが検討されております。 特に新幹線の乗り入れはインパクトがあり、よく話題になりますが、私は小形モノレールが最適だと考えています。事業費用については、新幹線の乗り入れは422億円、在来線の乗り入れは308億円、小形モノレールは概算で450億円と言われていますが、小形モノレールは概算であり、細かい調査がされていません。 軌道系の乗り入れは、本県の拠点性を高め、今後の新潟が発展するためには必要なものだと考えています。いずれのものも事業費の差があるものの、その後の収支や周辺地域への経済効果などを勘案し検討することが重要であると考えます。 全国には多くのモノレールが整備されており、その周辺地域は活性化をしています。早くに整備された沖縄のモノレールも、赤字続きでありましたけれども、観光客が増加し、黒字に転じました。また、神戸のポートライナーも、三宮から神戸空港までのアクセスとして整備されました。その周辺に大規模なマンション団地や国の理化学研究所、市民病院などが隣接され、現在は黒字で、朝夕は乗り切れないほどのにぎわいがあります。 都市内交通がまちをつくることにつながるのだと思いますし、まちは勝手にできるものではなく、つくっていくものだと考えております。 今回指摘したいのは、新幹線と在来線の乗り入れについてはしっかりとした調査がされているものの、小形モノレールは事業主体が県と市で議論があり、調査すら行われていないことが問題だと考えています。県民は、国でも県でも市でも関係なく、新潟をいい方向に進めてもらいたいと考えているのではないでしょうか。 知事がリーダーシップを発揮していただき、市との連携により小形モノレールアクセスの調査を行い、しっかりとした判断材料をつくっていただきたいと考えますが、所見を伺います。 次に、朱鷺メッセ、佐渡汽船、新潟空港における駐車場の収容台数が課題と言われていますが、特に朱鷺メッセのイベント開催時の駐車場が満車になり、イベント業者も開催しづらいと言われていますし、佐渡汽船の駐車場が満車になることによって、佐渡汽船を使う方々に不利益が出ています。 新潟駅と新潟空港の間にモノレールを通せば、各施設の駐車場に関する課題解決と都市内交通の円滑化に大きく寄与すると考えますが、朱鷺メッセ及び新潟空港における近年の駐車場の満車日数について伺うとともに、両施設の駐車場に対する課題について所見を伺います。 新潟空港までのアクセスについては、現在、新潟交通が、新潟駅から25分で着くリムジンバスを、県と市から年間約2,200万円の補助金を受けて運行しています。近年、インバウンドも徐々に増加し、LCC就航などもあり、空港利用者がふえてきています。空港に到着した利用者がすぐにバスに乗れないケースや、最終便がおくれ、バスに乗れないケースなどの課題があると聞いておりますが、もう少し臨機応変に対応する必要があると考えますが、リムジンバスの利用状況と課題について伺います。 ことし8月に、新潟県議会沢野議長を団長として、中国ハルビンと広州を訪問いたしました。中国の人口の多さと経済の勢いに驚いて帰ってまいりましたが、非常に個人消費が多く、日本への観光の強さもわかったところがありますが、ハルビン航路は開設をして20年たち、観光や帰省を目的とした中国人利用客等が増加し、高い搭乗率が続いていると聞いていますが、そのほとんどが中国人利用客であります。 今後、ハルビン線の増設はもとより、新たな空路の開設については、ビジネスのつながりが強い大連、タイ、ベトナムなどアウトバウンドにつながる空路開設が必要と考えますが、所見を伺います。 次に、農業問題について5問、質問させていただきたいと思います。 まず、稲作についてですが、本県の米政策の課題は、ブランド米であるコシヒカリに売れ残りが生じ、価格が下落する可能性があることと考え、県も、需要が減少している家庭消費向けコシヒカリから需要が拡大している業務用米などにシフトするため、設備投資の補助などの支援策で生産誘導を進めていると承知をしています。 主食用米全体では30年産の生産目標を2万トン上回る見込みとなっていることから考えれば、今後も県としては主食用米を減らすことは考えずに、市場ニーズに合わせた形で米政策を進めていくのか、知事の所見を伺います。 次に、園芸振興ですが、本県の農業は稲作中心で進められてきた結果、農家所得は低く、農業産出額も伸び悩んでいます。 先週視察でお邪魔した千葉県は、耕地面積は本県が上回るものの、畑作が多いことから果樹、野菜の産出額が多く、平成28年の農業産出額は本県よりも2,000億円ほど高い状況となっています。本県も付加価値の高い果樹や野菜などの園芸生産拡大を進めることが農家所得を高め、強い農業をつくっていくことにつながると考えています。 本県における農業の施策として稲作から園芸への支援へシフトすべきとの声が多くあります。農業団体からも園芸導入への支援に対する予算要望なども上がっていますが、いまだ園芸への支援額は稲作と比べ少ない状況であります。 知事も農業の足腰を強くし、幅を広げる努力をしていくと言われており、園芸導入への支援を強化しなければ、挑戦する農家の皆さんの後押しにならないと考えますが、今後の園芸拡大に向けた知事の所見を伺います。 また、本県の農林水産物の輸出額は7億円程度でありますけれども、9割を米が占めております。米政策の強さをこういったところからも感じますが、米以外の農作物の輸出額がまだ少ない状況であると考えます。 他県との比較は一概にできませんが、農業産出額が同等程度の福岡県は30億円、岩手県は20億円、長野県も果樹の輸出がふえ、10億円を超えたという報道もあります。本県も園芸品目の輸出額をふやすことが農業の将来を明るいものにすると考えます。 現在、本県の農林水産物の輸出については、民間が行い、それを支援する体制となっていますが、広域自治体である県が主体的に第三セクターなどを設立し、農林水産物の輸出額をふやしていく必要があると考えますが、知事の所見を伺います。 次に、マイナー作物の農薬の確保について伺いたいと思います。 農薬の安全性を評価し直す、再評価制度の導入を盛り込んだ農薬取締法が改正されましたが、生産量の少ないマイナー作物向けで市場規模の小さな農薬については、再評価に要する費用が増すことなどにより農薬メーカーの開発が滞り、将来的には使用できる農薬が一層減少するのではないかという懸念する声もあります。 一方で、農林水産省では、マイナー作物向けの農薬を確保するための仕組みを整えると伺っていますが、本県の重要な農作物であるカキノモトなど市場規模の小さい農薬確保は時間がかかり、苦労をしています。県でも農薬確保に取り組んでいただき、感謝しておりますが、いまだ農薬は確保されていません。特に野菜は虫との戦いであり、また、残留農薬の課題もあることから、非常に神経を使います。 早くマイナー作物の農薬確保を進めていただきたいと考えますが、本県のカキノモトなどのマイナー作物の今後の農薬確保の見通しを伺います。 今後、稲作から園芸への流れをつくるとき、農作物の天災被害に対する支援制度は非常に重要な点ではないかと考えています。 国では収入保険制度の準備に入っており、また、共済制度等もありますが、現実は共済制度は使い勝手が悪く、やめる方がふえています。特にルレクチエなどの洋梨は掛金が高く、やめる方がふえており、ルレクチエの生産拡大が伸び悩んでいる一つの要因ではないかと思っています。 日本海側は、雨が多く湿度が高いため、露地での果樹、野菜の生産に向いていないと言われており、農家は苦労をしています。なるべくハウスなどの屋根を設けて生産すればつくりやすいですけれども、設備投資の額が大きく、コスト面で難しい状況もあります。 近年の温暖化による異常気象により豪雨やことしの高温、また台風21号の強風の影響により、ルレクチエなどの果樹に多くの被害を受けました。県は、資金繰りに対する融資制度を設け、融資を行う金融機関に利子補給する市町村に対して県が一部の助成をする仕組みをとっていますが、支援制度としては弱いと考えています。 近年の台風に対する融資制度は、平成25年は実績なし、平成26年は13件、5,200万円であり、平成27年は16件、2,800万円の融資額ではありますが、その金利1%程度の利子補給であるため、県が出資している額は合わせても100万円に満たない額の支給と考えられます。 そこで、提案ですけれども、天災被害の対策として、写真と被害を受けた果樹の数を申請すれば、落ちた果樹の8割などの一定額を支給する直接的な支援制度を検討すべきと思いますが、知事の所見を伺いまして、質問を終わらせていただきたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕
    ◎知事(花角英世君) 笠原議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、広域自治体としての県の役割についてでありますが、県と市町村は車の両輪として、ともに力を合わせて取り組む関係にあり、その上で、県は市町村ができない広域的・専門的な行政課題への対応や、市町村の行政サービスが効果的に行われるようサポートやコーディネートを行うべきと考えております。 また、国との関係においては、現場のニーズや実情を踏まえ、制度改正も含め積極的に提言を行うとともに、県の取り組みだけでは対応が困難な課題について連携・協力して解決していく役割が求められているものと考えております。 議員御指摘の市町村や国との連携はもとより、他の都道府県や知事会などとも連携を図りながら、今後も広域自治体としての役割を果たしてまいりたいと考えております。 次に、魅力ある企業の誘致でありますけれども、全国から人材が集まる魅力ある企業を誘致するためには、県が企業誘致について大きな方向性を示し、市町村を初め、関係機関と一体となって取り組むことが重要であると考えております。 そのため、県の総合計画において、雇用創出効果の高い製造業などに加え、高い付加価値と良質な雇用の創出が期待され、若者などにも魅力ある企業の誘致に取り組むことを新たな目標に掲げ、この方針を関係機関とも共有しながら、取り組みを進めているところであります。 さらに、地域特性を生かした企業立地を進めるべく、地域未来投資促進法に基づく県基本計画を市町村と共同で策定するとともに、本県独自の優遇税制や補助金などの支援制度を強化いたしました。 県といたしましては、今後も関係機関と連携を一層深め、本県のすぐれた立地環境を積極的にPRするとともに、各種支援制度を活用し、魅力ある企業の誘致を進めたいと考えております。 次に、人口減少の悪影響についてでありますが、議員御指摘のとおり、さまざまな分野で多種多様な悪影響を及ぼすものと考えています。 概括的に申し上げますと、人口減少が進めば、労働力人口の減少による経済成長率の低下や、消費の減少による地域経済の縮小、日常の買い物や医療・福祉等の生活に不可欠なサービスの低下などにつながり、子育てや学び、仕事、療養や介護など県民生活全般に大きな影響を及ぼすものと考えられ、県民の皆様の本県に住む上での希望を損なうことにつながると懸念されます。 そのため、長期的な視点を持ちながら、より効果的な対策を積み重ねていくとともに、県民一人一人と危機感を共有し、市町村はもちろん、各界の皆様と連携・協力しながら、人口の減少幅を縮小し歯どめをかけるよう、全力で取り組んでまいります。 次に、インフラ整備の投資についてでありますが、インフラ整備は、未来への投資であり、質の高い社会資本ストックを将来世代に確実に引き継いでいく必要があると考えております。 このため、地域経済の活性化や、本県のさらなる拠点性の向上に向け、交通ネットワークの整備などを着実に推進するとともに、インフラ施設の計画的かつ効率的な維持管理や補修、更新を図り、県民が安全に安心して暮らせる新潟県の実現を目指してまいりたいと思います。 次に、河川整備の今後の方針についてでありますが、議員御指摘のとおり、近年、全国各地で数十年に1度と言われるような豪雨が頻発し、多くのとうとい人命と財産が奪われるなど、甚大な被害が生じております。 県民の安全・安心を確保するため、防災・減災対策を一層加速・強化する必要があり、被害を未然に防止する事前対応型の河川整備を、ソフト対策と一体的に推進しなければならないと考えております。 次に、県政課題の克服に向けた職場づくりについてでありますが、議員御指摘のとおり、本県が直面する課題に取り組むためには、県庁組織と職員が、その能力を最大限発揮することが重要と考えております。 そのため、職員一人一人が、目的意識を持って課題を認識し、発想は大胆に、実行は緻密に、そして失敗を恐れずにチャレンジすることができるよう、忌憚なく物が言え、知恵を出し合える風通しのよい県庁組織をつくっていきたいと考えております。 上司には部下が話しやすい雰囲気づくりを、部下には組織の目的を認識し、主体的に考え行動できるよう、両面から職員研修や業務改善に努めるとともに、若手職員の意見やアイデアを積極的に施策に反映させる仕組みづくりに取り組んでまいりたいと考えております。 次に、地域未来投資促進法の受けとめと今後の取り組み方針についてでありますが、同法は、地域の特性を生かして、高い付加価値を創出し、地域に経済的波及効果を及ぼす地域経済牽引事業の促進を図るものであり、地域経済における稼ぐ力の好循環を実現し、本県の目指す高い付加価値と良質な雇用の創出に資するものと捉えております。 県といたしましては、市町村や関係機関と連携し、企業に対して制度の一層の周知・普及に努めるとともに、国の支援制度に加え県独自の税制や補助制度なども活用しながら、各分野において、地域経済の牽引役として期待される中核企業などの取り組みを後押ししてまいりたいと考えております。 次に、生産年齢人口の減少が本県の産業に与える影響についてですが、県内においては、人口減少を背景に、有効求人倍率が高い水準で推移する中、幅広い分野で人手不足感が高まっており、人手不足が事業活動を制約する要因となって、経済成長を妨げることが懸念されるところであります。 県といたしましては、こうした状況に対応するため、生産性向上につながる設備投資に対する積極的な支援のほか、AI・IoTの活用促進のためのシステム・機器の導入支援などにも取り組んでまいります。 加えて、県内定着のさらなる促進と、高度外国人材など外国人労働者の受け入れも含め、誰もが活躍できる環境の整備に取り組むとともに、技術革新の状況に応じた成長分野への労働力のシフトや人材育成にも適切に対応してまいります。 次に、外国人労働者の受け入れについてでありますが、受け入れに当たっての事務負担のほか、在留資格の制限などの課題があるものの、幅広い業種で人手不足感が高まる中で、産業界からも受け入れ拡大を求める声があり、外国人労働者の受け入れは人手不足対策に資するだけでなく、人材の多様化による企業活動の活性化などのメリットがあるものと考えております。 なお、本県における受け入れ実績につきましては、産業労働観光部長から答弁いたします。 次に、外国人技能実習生についてでありますが、その受け入れに当たっては、労働関係法令の遵守とともに、技能移転を目的とした技能実習制度の趣旨に沿った適正な運用の確保が重要であると認識しております。 県といたしましては、外国人材受入サポートセンターを設置し、技能実習生を含めた県内企業などでの外国人材の適正な受け入れを支援してまいりたいと考えております。 なお、本県における受け入れ実績につきましては、産業労働観光部長から答弁いたします。 次に、里親制度の取り組みの強化についてでありますが、議員御指摘のとおり、子供は、何らかの事情で親元で暮らせない場合であっても、できるだけ家庭と同様の環境で養育されることが望ましく、その実現のために里親制度の充実は必要なものと考えております。 そのためには、里親をさらに増加させることと同時に、里親家庭で質の高い養育が行われる必要があり、県といたしましては、里親への研修や児童相談所による支援などを一層充実してまいりたいと考えております。 なお、年齢や行動上の問題などから施設での専門的な養育を必要とする子供たちもいることから、施設の役割もまた重要であり、子供たちが個々の状況に応じた適切な支援が受けられるよう、多様な選択肢のある、社会による養育支援体制の整備に努めてまいりたいと思います。 次に、児童相談所の体制強化についてでありますが、親元で暮らせない子供を家庭的な環境で養育する里親制度等の推進に当たっては、児童相談所がこれらの相談や支援に十分対応できる体制が必要と考えており、今年度は3つの児童相談所に里親等相談支援員を配置するなど、体制整備に努めているところであります。 一方、児童虐待相談など、児童相談所において対応すべき業務は多岐にわたり、質量ともにさらなる強化が求められております。 また、国においても、児童福祉司の大幅増員などを含めた児童相談所の体制強化に係る計画を策定中であり、県といたしましては、国の計画の内容も見きわめながら、引き続き、児童相談所の体制強化に努めてまいります。 次に、本県のナイトタイムエコノミーの現状と今後の取り組みについてでありますが、日中だけでなく夜の観光も楽しみたい訪日外国人ニーズに対応したサービスを提供し、夜の消費活動を喚起することで、満足度の向上や経済を活性化させようとするナイトタイムエコノミーの動きが進んでいると認識しております。 現在、ナイトタイムエコノミーは、ブロードウエーに代表されるアメリカなどが先進国であり、我が国では飲食店や交通網の夜間営業が普及している大都市圏に集中しており、本県では十分とは言えないものと考えております。 一方で、県内には、佐渡の薪能や古町の芸妓など地域固有の魅力ある夜の観光資源があり、一部地域では居酒屋ツアーや観光施設のライトアップなどの取り組みも進んでいます。 県といたしましては、今後、本県が有する夜の観光の魅力を積極的に情報を発信するとともに、地域主体の観光コンテンツづくりを支援し、外国人観光客の拡大につなげてまいりたいと思います。 次に、キャッシュレス化の普及促進に向けた取り組みについてであります。 我が国は、諸外国と比較してキャッシュレス決済の普及がおくれており、外国人旅行客の増加に向けて、クレジットカード決済に加えて、中国において急速に普及しているモバイル決済に対応していくことが重要です。 現在、県内では一部の家電量販店や観光・物産施設などで、中国のモバイル決済に対応しているほか、宿泊施設などにおいて決済端末導入に向けた動きがあるところです。 県といたしましては、今春、観光関係事業者に対するキャッシュレス化に関する研修会を開催したところでありますが、今後とも、こうした機会を確保し、普及促進に努めてまいります。 次に、県内私立大学の魅力向上と学生確保についてでありますが、議員御指摘のとおり、県内の私立大学がそれぞれの魅力を高め、県外からも多くの学生が集まる大学となることが必要と考えます。 このため、進学者のニーズに応じた教育の充実などによる大学の魅力づくりや、高校生などからの認知度を高めることが重要であると考えます。 県といたしましては、県内大学が行う特色ある教育プログラムの開発など、さらなる魅力向上を図る意欲的な取り組みを支援するとともに、県内大学の魅力を発信し、認知度向上を図る取り組みを進めてまいりたいと考えております。 次に、交通政策についてお答えします。 まず、新潟空港アクセス改善に係る小形モノレールの調査についてでありますが、議員御提案の小形モノレールによる空港アクセス改善については、昨年開催された新潟空港アクセス改善協議会においても、概算事業費や想定所要時間などが提示された上で意見交換が行われましたが、新幹線延伸案等の他の軌道系アクセスと同様に、空港利用者の利便性向上等の効果は期待されるものの、多額の建設費の財源確保や採算性などの課題も多く、また、モノレールにおいては導入空間の確保などの技術的な制約も指摘されたと聞いております。 いずれにいたしましても、軌道系アクセスの整備は、空港の活性化やまちづくり、ひいては本県の拠点性の向上につながる効果的な手段の一つであることから、現在進めている既存路線の拡充や新規路線誘致、2次交通の整備などの短中期的に実行可能な取り組みにより、着実に航空利用者をふやすことで、できる限り早期に、議員御提案の小形モノレール案も含めて軌道系アクセスの本格的な検討を開始できるよう努めてまいります。 次に、アウトバウンドにもつながる新規路線の開設についてでありますが、大連につきましては、経済交流の促進等の業務を担う県の大連経済事務所があり、多くの県内企業が進出していることに加え、中国東北部の人気の観光地でもあることから、新規路線開設によるさらなる交流の活発化が期待されております。 また、タイ、ベトナムにつきましても、日本人の出国先の上位に入り、新潟空港から成田空港などを経由する旅行商品も数多く見受けられることから、ビジネスだけでなく観光も含めたアウトバウンド需要が見込めるところであります。 県といたしましては、新潟空港の路線ネットワーク戦略2017において、この3カ国を新規国際線誘致のターゲットに位置づけており、まずは連続チャーター便の運航などに向けて、航空会社や旅行会社などへの働きかけを積極的に行ってまいります。 次に、農業問題についてお答えします。 まず、米政策の進め方についてでありますが、県では、30年以降の新潟米生産の方向性を定めた新潟米基本戦略において、中長期的には主食用米は微減とする目標を定めておりますけれども、主食用米・非主食用米をあわせた新潟米全体での需要拡大と、農業者所得の最大化のため、市場ニーズに応じた多様な米づくりを推進してまいりたいと考えております。 次に、今後の園芸拡大についてでありますが、本県農業は、強みである米に特化してきた面がありますが、農業者の所得確保に向けては、米に続く新たな経営の柱として園芸導入を積極的に推進してまいりたいと考えております。 このため、まずは稲作農家の皆様に、園芸に取り組んでみようという意識を持っていただくことが重要であることから、県といたしましては、産地の取り組み紹介とあわせ、品目ごとの経営収支や各種支援制度の情報を提供するなど、関係機関・団体と連携しながら、挑戦する農業者を支援してまいりたいと考えております。 さらに、既存の稲作経営資源の園芸生産への活用や、産地としての条件整備を引き続き支援し、成功事例を創出してまいりたいと考えております。 次に、農林水産物の輸出拡大についてでありますが、園芸品目など米以外の農産物については、輸出向けに確保できる供給量が限られており、そのために安定した商流が確保できないことなどが課題となっております。 一方で、意欲ある生産者や輸出事業者が行う独自の取り組みもあることから、まずは、こうした取り組みを支援してまいりたいと考えております。 なお、輸出拡大に向けた取り組み体制については、議員御指摘の第三セクターを活用する手法のほか、民間事業者との連携などさまざまな手法が考えられることから、本県にとって最も効率的な体制について、引き続き研究してまいりたいと考えております。 次に、果樹の天災被害における支援制度についてでありますが、災害などにより収量が減収した際に、農家の救済を合理的に行うため、農家の方々の相互救済を基本とした農業共済制度がある中で、御指摘の行政が直接支援する制度は共済制度の趣旨や公平性を損なうものにならないかと考えております。 また、県内の果樹生産農家については、その共済加入率が低いと聞いており、課題があると認識しております。 一方、来年からは、価格低下を含めた収入減少を補填する収入保険制度の運用が始まります。 県といたしましては、こうした状況を踏まえ、果樹に限らず、平時から広く農家の方々に安心して農業を営んでいただけるよう、これらの制度への加入を促進してまいりたいと考えております。   〔産業労働観光部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働観光部長(橋本一浩君) 2点についてお答えいたします。 まず、県内の外国人労働者受け入れ実績についてですが、新潟労働局が公表した数字によれば、平成29年10月末現在の外国人労働者数は7,530人となっており、平成25年と比べて約3,000人増加しております。 次に、外国人技能実習生受け入れ実績等についてですが、本県における技能実習生数は、平成29年10月末現在で2,591人となっております。 なお、同年11月に施行された技能実習法により、受け入れを行う監理団体の許可制が導入されており、許可を受けた県内団体は、本年8月末現在で22となっております。 また、県内において労働関係法令違反が認められた事業場の数は58であり、安全衛生基準や労働時間に関する違反が多くなっております。 失踪者数については、都道府県別のデータが公表されていないため県では把握しておりませんが、本県においても一定数の失踪者がいるということは認識しております。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) お答えいたします。 マイナー作物向け農薬の確保についてですが、国は、本年6月の農薬取締法改正に関連して、新たな再評価制度に基づく農薬登録のルールづくりを進めていると聞いております。 取扱量の少ないマイナー作物に対する農薬については、これまでも市町村やJA、農薬メーカー等と連携し、県の試験研究機関で薬剤効果試験を行い、国に農薬の早期登録拡大を求めてきたところであり、このたびの法改正を受け、国において新たなルールづくりが進められる中で、市場規模の小さいマイナー作物用の農薬の登録数が減少することも懸念されることから、今後も県として適切に対応してまいりたいと考えております。   〔土木部長中田一男君登壇〕 ◎土木部長(中田一男君) お答えします。 中ノ口川の背水区間の河川整備についてですが、中ノ口川は、背後に多くの資産を有し、治水上、重要な河川であるため、県内の河川においても、重点的に改修を行ってきているところであります。 近年、水害が激甚化・頻発化していることを踏まえ、中ノ口川のように破堤による被害が甚大となる河川の改修を、もう一段加速させる事前対応型の新たな治水事業の創設について、先月、国等に対して要望してまいりました。 信濃川下流域において、本川と支川の一体的な改修が重要であることから、今後も、中ノ口川の背水区間の早期改修を目指し、国の交付金制度を最大限に活用しながら、重点的に改修を行ってまいります。   〔交通政策局長水口幸司君登壇〕 ◎交通政策局長(水口幸司君) 2点についてお答えいたします。 朱鷺メッセと新潟空港における駐車場の満車日数及び課題についてですが、まず、朱鷺メッセにつきましては、駐車場の満車日数は、直近の3年平均で32日、29年度で40日となっております。課題といたしましては、人出の多い連休時やイベントが重複する際に満車になることがありますが、ピーク時に合わせた駐車容量の拡大は難しいものと考えております。このことから、路線バスの増便やイベント開催時における臨時シャトルバスの運行、駐車場及び周辺道路の混雑見込みの情報発信といった取り組みを行ってきたところです。 また、新潟空港につきましては、平成26年12月に拡張を行い、翌27年度から3年平均の満車日数は21日、29年度で26日となっております。課題といたしましては、空港周辺には民間駐車場がなく、利用者からは満車発生日があることに対する不安解消を求められていることから、駐車容量の拡大が課題であり、国に対して要望しているところです。 県といたしましては、今後とも両駐車場の利用状況等を踏まえた上で、関係者と連携し、利用者の利便性向上に努めてまいりたいと考えております。 次に、リムジンバスの利用状況と課題についてですが、新潟空港と新潟駅南口を直行で結ぶリムジンバスは、空港までのノンストップ運行、原則等間隔の運行ダイヤ、快適性にすぐれた専用車両などの特性により、平成21年4月の運行開始以降、利用者は拡大しており、平成29年度は利用者数約24.3万人、交通機関分担率23.7%で、ともに過去最高を記録したところです。 一方で、議員御指摘のとおり、LCC就航等の影響により、特定の時間帯に航空便の到着が集中し、利用者がすぐにバスに乗れないなどの状況が一部で見られております。 県といたしましては、こうした状況を踏まえ、現在までに、運行ダイヤの改善や、最終航空便の到着に合わせた発車時刻の調整、バス混雑が予想される夏休み期間の臨時増便などの対策を図ってきたところであり、状況は改善してきておりますが、今後とも、より利便性の高いサービスの実現に向け、関係者とともに継続的に改善を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(沢野修君) 笠原義宗君の質問は終わりました。 次に、中村康司君の発言を許します。中村康司君。   〔中村康司君登壇〕(拍手) ◆中村康司君 自由民主党の中村康司です。一般質問をいたします。 近年、日本列島を大きな自然災害が襲う事態が頻発しています。ことしは殊のほか厳しく、西日本豪雨、本県も襲い、関西国際空港に大きな打撃を与えた大型台風21号。さらには大阪北部地震に続き、先日、北海道全域での停電など大変大きな被害を与えた北海道胆振東部地震。また、気温40度を超える異常な猛暑など、そのたびごとに、日本列島は一体どうなってしまったのだと途方に暮れるばかりです。 知事は、8月の記者会見で、これらの災害に触れ、防災・減災が喫緊の課題だと痛感していると述べられ、国にもう一段レベルアップした防災・減災対策を要望したとも聞きました。先ほど申し上げたような災害が続く状況で、全くそのとおりと共感いたします。 それらを踏まえて、知事就任後4カ月が経過しようとしていますが、改めて就任してからの知事のお考えを伺ってまいりたいと思い、質問をいたします。 まず、経済状況及び産業振興について伺います。 先般発表された2018年4月から6月期の国内総生産は、前期比0.7%増、年率換算では3.0%増と1次速報値の1.9%増から大幅な上方修正となりました。全国的には景気は堅調のようですが、知事は全国と比較して本県経済の状況をどのように認識しているか伺います。 労働力不足について、本県の7月の有効求人倍率は1.74倍と高水準であり、正社員の有効求人倍率は1.29倍で、99カ月連続で前年同月比を上回っております。建設業や運輸業、製造業など幅広い分野で労働力不足が顕著となっており、本県の経済成長に悪影響を与えるのではないかと危惧していますが、知事の所見を伺います。 ところで、私は先日、県議会の東アジア等訪問団の一員として、香港、タイを視察してきました。初めて聞く話や認識を改めなければならないことなど、多くのことを学んでまいりました。その中で、タイは先進国入りしていない状況にあって人口減少、少子高齢化が進んでいるという世界でも希有な国だそうで、その結果、既に労働力不足が発生し、今後はミャンマーの労働力に頼らざるを得ないであろうということでありました。本当に驚きであり、今後の労働力確保は全世界的な問題になるのではないかと大きな不安を覚えました。 そうした中、本県の外国人労働者数は2017年10月末現在で7,530人、うち技能実習生は2,591人と、いずれも過去最多となっています。労働力不足を背景に、ふえ続ける外国人労働者について知事はどのように認識しているか伺うとともに、外国人労働者を適正に受け入れるため設置するとした外国人材受入サポートセンターの状況について伺います。 先日の自民党総裁選の争点の中で、地方経済をどう立て直すかが問われていました。現在の日本の抱える大きな問題であると思います。 地方の中小零細企業は依然厳しい状況にあり、景気回復が十分に浸透していないと感じています。こうした中小零細企業が元気になるようにいかに取り組んでいくかが重要であると思いますが、所見を伺います。 続いて、これも現在の地方経済にとって大きな問題であります事業承継についてですが、知事は、知事選で本県の起業率が全国低位であることを指摘されていましたが、廃業率も重要な指標であり、私はより廃業のほうに危機感を感じています。倒産など行き詰まった場合以外にも、資金的に余裕があっても後継者難で廃業するケースも多いと聞きます。本県の休廃業・解散率は2年連続で全国トップとの民間会社の調査もあります。県は事業承継支援に取り組んでいると承知していますが、マッチングやMアンドAなどにより、より一層、取り組みを強化すべきと考えますが、所見を伺います。 先日、人口減少問題対策特別委員会で新潟市のスカイプロジェクト事業による、南区の航空機産業の工業団地を視察してきました。すばらしい取り組みであったと思いますが、受注、人材確保など、今後の展開に向けての厳しさも感じてまいりました。 県は航空機産業への参入促進に取り組んでいますが、企業が新規参入するには、技術サポートだけでなく、受注体制や資金面などの支援が必要と考えます。航空機の新規需要も多く、今後も市場拡大が見込まれる有望な先端産業と理解していますが、このままでは他県におくれをとってしまい、参入の余地がなくなってしまうのではないかと危惧しています。県の課題認識と具体的な取り組み状況を伺います。 次に、建設業におけるICTの導入について伺います。 国においては、建設業従事者の高齢化や担い手不足に対応するため、i-Constructionと銘打って、ICTによる建設現場の生産性向上を推進していると聞いています。 労働力不足に悩む地方の中小の建設業こそICTを導入し、安全性や生産性の向上に取り組むべきと考えますが、県内建設業、特に建設現場でのICTの導入状況について伺うとともに、県の導入支援の取り組みについて伺います。 続いての項目は、社会資本整備についてです。 冒頭にも申し上げたとおり、近年の異常気象は、日本の気候帯が変わってしまったのではないかと思わせられるような状況です。国土強靱化が叫ばれて久しいですが、さらにスピードアップして防災・減災に取り組んでいかなければならないと考えます。 地球温暖化による影響か、近年、日本列島を頻繁に豪雨が襲うようになってきました。西日本豪雨の被害は甚大で、本県も対策が急がれます。知事は先月、防災・減災対策について国に要望を行い、また、記者会見でも防災・減災対策を喫緊の課題として取り組まれる考えを示されました。これまでの対策の課題と、今後の対応について、所見を伺います。 災害を未然に防ぐハード面での対策に加え、災害発生時のソフト面、特に避難における対応も非常に重要です。近年の災害でもその部分がもっとうまくいっていればと感じており、ソフト面の整備の必要性も痛感します。 豪雨災害では、避難指示を的確に発令するため、危険度を正確に予測する必要があります。先般、国土交通省が線状降水帯の発生も捕捉する土砂災害予測システムを開発し、岩手県や広島県などと実証実験を進めているとの報道がありました。本県もこのシステムを住民避難に活用していくべきと考えますが、所見を伺います。 続いては、道路整備についてです。 私の住む糸魚川は、東西を通る道路は国道8号線と北陸自動車道のみです。南北には、各谷筋にほぼ1本ずつの県道、市道のみ、幹線である長野県に抜ける道路も国道148号線のみと、平野部の少なさから、道路事情は極めて厳しいものがあります。 また、国道8号線も海岸部を通るため、越波による交通障害がありますし、最も大きなリスクは県境部の天下の険と言われる親不知地区です。ここは、連続雨量140ミリに達すると通行どめになります。そうなると、唯一通れるのが北陸自動車道ということになりますが、北陸自動車道も同程度の降雨があると通行どめになってしまうのです。昨年7月の豪雨の際は、両道路とも通行どめになり、富山県との往来は完全にストップしてしまいました。 その周辺地区の方々は通勤が不能になる上、医療を富山県に求めている人が多数なので、大変な困難になってしまいます。出産も同様です。もちろん産業にとっても大打撃であり、本県と富山県との物流、北陸方面から関東方面への物流は完全にストップしてしまいます。 このように道路整備はまだまだ大変重要な事柄だと認識しています。 平成30年3月の道路法の改正により、平常時・災害時を問わない安定的な輸送を確保し、物流生産性の向上を図るため、重要物流道路制度が創設されました。重要物流道路の指定の有無で今後の道路整備に大きな影響を与えるものと思われます。さきの定例会でも本制度の活用に向け取り組んでいく旨の答弁がありましたが、本県道路における重要物流道路の選定に当たっては、新広域道路交通計画等の策定が求められていることから、この取り組み状況を伺います。 また、効率的な物流や人流を確保するために、今後も道路整備予算の確保に努め、重要物流道路も含め県内道路網の形成を進める必要があると考えますが、知事の所見を伺います。 続きまして、糸魚川地域の住民の長年の悲願であります松糸道路についてです。 現在の糸魚川から長野県の小谷村、白馬村を経由し大町市、松本市へ抜ける国道148号線、特に20キロメートルの新潟県側は、豪雪地帯を通る上、急カーブが続きます。また、幅員も狭く、大型車のすれ違い時にミラーが接触してしまうというトラブルも多く発生し、安全な道路とは言いがたい状況です。ここに一刻も早く安全に通行できる道路をというのは、糸魚川地域の住民にとって長年の悲願です。 このように、地域高規格道路松本糸魚川連絡道路は、糸魚川及び北陸地方から松本、関東方面への重要な道路であります。昨年11月には一部区間のルート帯が決定されたところであり、今後さらに取り組みを加速し、早期の事業化を図ることが必要と考えますが、知事の所見を伺います。 続いての項目は、市町村との連携についてですが、まず知事の総合計画に対する考えをお聞きします。 知事は就任後、間もなく4カ月になります。県政について既にいろいろな思いが蓄積されていることであろうと思います。私たちは、それに大いに期待をし、どのように政策に反映していくかを注目しております。 知事は、さきの定例会で、にいがた未来創造プランにおける個別の政策の展開・取り組みについて基本的には尊重するが、公約に掲げた各分野の政策について追加・修正を検討したいと答弁されました。現段階で知事はどのような政策を特に盛り込んでいきたいと考えているのか、お伺いをいたします。 そして、その政策を具体化するためには、基礎自治体である市町村との連携が重要であると思います。知事は、市町村長とのブロック別懇談会をこれまで3回開催していますが、改めてその意義とこれまでの成果を伺います。 さらに、知事は、県民とのコミュニケーションについてはどう考えておられるのでしょうか。泉田元知事や米山前知事はタウンミーティングを開催し、県民との意見交換の機会を設けてきましたが、県民最優先の県政実現のためには県民との対話が欠かせないと思います。知事はどのように県民との対話を行っていくつもりか、今後の取り組み方針を伺います。 続いては、知事も県政の最重要課題とおっしゃっております人口減少問題についてです。 私も、この問題について常に取り上げてまいりました。自然減、社会減とも非常に厳しい状況にあると認識しています。近隣他県と比べても、その数字はかなり見劣りがしてしまいます。私の地元、糸魚川地域でいえば、富山県へ移住する方がかなりいて、それは働き場、医療、教育、子育て環境など、よりよい住みやすさ、環境を求めてのものがほとんどです。もちろん就学、就労のための首都圏への移住が最も多いわけですが、周辺部では、今申し上げたような状況もあるのです。したがいまして、今回は人口の社会減についてお伺いいたします。 本県人口は、前年同月比で2万人もの減少が続いており、人口減に歯どめがかかっていない状況にあります。社会減については、にいがた未来創造プランでは、進学者の希望に合う大学や学部がないことや、給与や労働時間といった労働条件の面で課題があると分析されていますが、知事御自身は本県の社会減が近隣他県に比べ多い理由をどのように分析しているか伺います。 先ほど、糸魚川から富山県への移住の例で、よりよい働き場を求めてと申し上げましたが、本県への移住、U・Iターンをふやすには雇用の場の提供、雇用者報酬を初めとした雇用条件も非常に重要であると考えます。また、企業側は労働力不足に苦慮している状況でもあります。県外の転職希望者と県内企業とのマッチングをうまくすることができれば、移住者増に向かうのではないかと考えますが、県の取り組み状況とその課題、今後の対応について伺います。 進学時に多くの若者が県外へ流出している状況において、県内大学への入学、就学も、卒業後の進路選択も含め、社会減対策には極めて重要なポイントであると思います。 平成30年度入学において、県内の12私立大学のうち8大学が定員割れとなっており、12私大の定員充足率は92%で、前年度比6%減との報道がありました。少子化の中、各大学とも学生の確保に苦慮していますが、知事の受けとめと今後の県内大学の学生確保に向けた取り組みについて伺います。 次の質問は、交流人口の増加策についてです。 定住人口の減少が進む中、交流人口をふやそうとする考え方は当然であり、日本中の都道府県、市町村がその増加策を講じているところです。他に劣ることがないよう、知事のおっしゃる、住んでよし、訪れてよしの新潟県を築いていかなければなりません。特に消費額が多く、経済効果が大きいインバウンドの誘客は非常に重要なことであります。 先日視察した香港で聞いたことをお話をいたしますと、平成29年、香港からの訪日旅行客は223万2,000人で、前年比21.3%増の過去最高を記録し、リピート率も高く、香港人旅行者の5人に1人は10回以上日本を訪問しているとのことでした。また、訪日外国人のうち、消費額も高い上、レンタカーの利用率も高く、各地を観光することも期待されるなど、香港は非常に魅力的な誘客の市場です。 そして、その香港の航空会社の中には、日本に向けた定期直行便就航の候補地に新潟空港を検討しているところもあると聞いてまいりました。ぜひ実現に向けて努力してもらいたいと思いますが、知事の所見を伺います。 本県への訪日旅行客をふやすためには、新潟という名をより世界に発信していかなければなりません。 先日、県内のある観光業の方から電話がありました。面識のない方だったのですが、内容は、2019年ラグビーワールドカップのキャンプ地に県内での立候補はないのか、もし意向があるなら自分たちも協力し、ぜひ誘致したいということでした。残念ながらこれはもう間に合わないことだという結論と、立候補に向けてはかなり高いハードルがあったことなどを説明いたしましたが、やはりスポーツ等のイベントで集客する、あるいは新潟県を発信することは非常に重要なことではないでしょうか。 これからは、2019年のラグビーワールドカップ、2020年のアルペンスキーワールドカップ、そして東京オリンピック・パラリンピックと、インバウンド向けにPRできる好機が続きますが、県はこれをどう活用してインバウンド誘致につなげようとしているのか、また、海外向けの情報発信の戦略についてはどのように考えているのか伺います。 先般の香港視察で、香港の観光客がどういったものに期待しているか、新潟県が何を発信すべきか聞いたところ、最近は観光から滞在へ、見物から体験へ、非日常から日常へというように、求めるものが変化してきているとのことでした。そのニーズをつかまなければならないと感じ取りましたし、先ほども申し上げたとおり、レンタカー利用率が高いので、レンタカーカウンターに本県のパンフレットを置くべきという具体的なアドバイスも頂戴をいたしてきました。 本県の外国人観光の状況はどうでしょうか。本県の宿泊者総数は全国15位であるものの、外国人宿泊者数は全国28位であり、伸び率も近隣県に比べ低い状況にあります。本県はスキー以外のグリーンシーズンのコンテンツが弱いと言われて久しいわけですが、今後の取り組み方針について伺います。 以前もこの場で紹介いたしましたが、糸魚川では、白馬を訪れるインバウンドスキーヤーに糸魚川の魚を中心とした食を味わってもらおうと、糸魚川シーフードシャトルバスを運行し、糸魚川地域振興局の支援のもと、好評のうちに3年が経過しました。今後は単独での開催となるようですが、主催者の糸魚川青年会議所は頑張って継続する予定で準備活動をしております。 やはり単独の市町村での誘客には限界があるため、このように広域で魅力的な観光圏をつくり、PRしていく必要があり、糸魚川地域でもこれ以外にも上越・妙高地域や隣県と連携した取り組みが進むことが期待されます。他県を含めた各市町村との連携やプロデュースを支援していくことが県の観光行政に求められると思いますが、知事の所見を伺います。 続いては、インバウンド向けにも魅力的なコンテンツであると思われます、サイクルツーリズムについての質問です。 台湾を中心に海外ではサイクリングブームと聞いており、愛媛県と広島県を結ぶ瀬戸内しまなみ海道では台湾などから多くの外国人がサイクリングに訪れているとのことであります。 また、富山県でも富山湾岸サイクリングロードという富山県を日本海沿いに東西に貫くサイクリングコースが整備されていて、景観もよく、非常に評判がいいそうです。 本県でも、隣県との広域で名勝地などを楽しめるような地域でサイクリングロードを整備し、PRしていると承知していますが、より多くの外国人観光客を呼び込むため、認知度向上など、今後の対応について伺います。 この項の最後に、来年開催されるデスティネーションキャンペーンについて伺います。 日本海美食旅、ガストロノミーをテーマに、食文化のみならず、本県と庄内地方の風土、歴史、文化を発信するとのことで、このデスティネーションキャンペーンへの期待は大変大きいものがあります。来月からプレデスティネーションキャンペーンが始まります。このコンセプトをいかに発信していくかが重要だと考えますが、どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。 最後の項目で、その他の諸課題についてお伺いいたします。 まず、糸魚川、上越地域から新潟へのアクセス問題です。 新潟までの公共交通機関が不便なため、例えば糸魚川市民の新潟空港の利用はほとんどないと言っても過言ではありません。県民として大変申しわけないと思いながら、羽田空港、富山空港、小松空港へ行くほうが便利なので、それらを利用しているのが現状です。また、最近はショッピング、行楽などでも金沢あるいは軽井沢あたりに行く人がふえております。それは、決して新潟が他に比べて劣っているということではなく、交通の利便性によるものです。 このように、県民の利便性の向上や県全体の一体感の醸成のため、県内交通の充実は不可欠でありますが、北陸新幹線長野-金沢間の開業により糸魚川から新潟までの直通の優等列車がなくなり、上越地域と新潟地域のアクセスは不便な状況が続いております。 最近は、糸魚川から新潟に来るのに、何と高崎に出て、高崎から上越新幹線に乗ってくるという人がかなりふえました。同一県内での移動に1度ほかの県に行くと、ちょっと普通では考えづらいですけれども、それが現状であります。 したがいまして、糸魚川から長岡までの上越新幹線に接続するリレー列車や、特急「しらゆき」号の増便など、ぜひ課題解決に向けて尽力していただきたいと思いますが、知事の所見を伺います。 先日、糸魚川管内の建設現場や農地の視察をいたしました。改めて中山間地農業の厳しさを実感してきました。わかり切っていることですが、平地の田は有効面積が約98%と言われていますが、糸魚川の場合78%とのこと、20%も非効率です。あわせて、当然畦畔が急であり、草刈り等の負担がふえます。中山間地農業の厳しさ、平地に比べての条件不利を目の当たりにし、支援の必要性を感じ取った次第です。 その際、地下水位制御システムを導入したモデル圃場を視察してきましたが、農地の地下水位を容易に制御できるすばらしい設備でありました。中山間地域においても、多様な園芸作物の生産拡大に向けて、このような効率的かつ効果的な設備の導入を積極的に支援していくべきと考えますが、所見を伺います。 また、業務用米への対応は県全体の課題でありますが、業務用米のつきあかりの作付面積が拡大しているとのことであります。倒伏しにくく収量も多い上、単価も上昇しているそうであり、今後に期待が持てると思いますが、一方で業務用米のため販売方法が難しいとの声があります。県の販路確保支援の取り組み状況と今後の対応について伺います。 最後の質問です。 香港で米の市場について視察してきましたが、品質面や炊飯工程の複雑さ等により、日本米への評価は我々の認識よりもかなり低いと感じてまいりました。こうした日本米への評価も考慮して県産米の輸出促進に取り組まなければならないと考えますが、所見を伺いまして、私の一般質問を終わりといたします。御清聴賜りましてありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 中村議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、本県の経済状況についてでありますが、生産活動が持ち直している中、設備投資は回復しており、企業収益や景況感も改善の動きが見られています。また、個人消費も緩やかに持ち直すなど、全体として県内経済は持ち直しております。 議員御指摘のとおり、全国的に景気は堅調に推移しており、この動きが本県経済にも波及していると思われます。 その一方で、企業規模別に見ますと、経常利益など中小企業では依然として全国より弱い指標もあり、景気回復の効果が地方の中小企業に広く行き渡るまでには至っていないものと認識しております。 また、幅広い分野で人手不足感が高まっており、労働力不足という課題もあると考えております。 県といたしましては、引き続き県経済の動向に注視してまいりたいと考えております。 次に、労働力不足による本県経済への影響についてでありますが、県内においては、幅広い分野で人手不足感が高まっており、人手不足が事業活動を制約する要因となって、経済成長を妨げることが懸念されるところであります。 県といたしましては、こうした状況に対応するため、生産性向上につながる設備投資に対する積極的な支援のほか、AI・IoTの活用促進のためのシステム・機器の導入支援などにも取り組んでまいります。 加えて、U・Iターン就職と県内定着のさらなる促進や、女性や高齢者など誰もが活躍できる環境の整備に取り組んでまいります。 次に、外国人労働者に係る認識などについてでありますが、県内においては、幅広い業種で人手不足感が高まる中、企業などにおいて外国人材の活用が進んでおり、国においても、新たな在留資格の創設を初め、外国人材の受け入れ拡大に向けた検討が進められているところであります。 高度外国人材を含め外国人労働者を受け入れることは、人材の多様化による企業活動の活性化などメリットがあるものと認識しております。 なお、外国人材受入サポートセンターの状況につきましては、産業労働観光部長から答弁いたします。 次に、中小零細企業が元気になる取り組みについてでありますが、地方の中小零細企業では、地域の需要を事業領域とする事業者や、下請取引を主流とする事業者が多いこともあり、議員御指摘のとおり、景気回復の実感が浸透していない状況にあると認識しております。 地域経済においては、大宗を占める中小零細企業が地域の活力と雇用を支えており、こうした中小零細企業の活性化が重要となります。 そのため、金融を含めた経営支援による経営の安定化に意を用いつつ、新事業展開のほか、成長分野や海外市場といった新たな需要の開拓など、収益拡大に向けた挑戦を後押しすることにより、活力ある中小零細企業がより多くなるよう、取り組んでまいりたいと思います。 次に、事業承継への支援の取り組み強化についてでありますが、休廃業や解散が増加する傾向にある中、事業承継が円滑に進まなければ、地域の活力低下が懸念されることから、親族への承継だけでなく、議員御指摘のMアンドAを含む第三者承継に向けた取り組みを強化することが必要と考えております。 このため、今年度、NICOに設置している事業引継ぎ支援センターの相談体制を強化するとともに、専門的で多岐にわたる課題に対応するため、商工団体や金融機関、弁護士などの士業団体などが連携する事業承継ネットワークを立ち上げ、官民一体となった支援体制を構築したところであります。 今後、県としてコーディネートの役割を果たすことにより、このネットワークと事業引継ぎ支援センターの機能を十分発揮させながら、廃業ではなく、MアンドAなど第三者への譲渡・統合も含め、事業承継を選択してもらえるよう、円滑な事業承継を推進してまいります。 次に、航空機産業の参入促進に向けた取り組みについてでありますが、航空機産業への参入に当たっては、高度な加工技術の確立とともに、厳格な品質管理体制の構築や生産効率の向上などの課題があるものと認識しております。 県ではこれまで、県内企業の技術の高度化や品質管理能力の向上等を支援するとともに、立地に対する補助や優遇制度を活用し、設備投資の促進や誘致活動に取り組んでおり、県内企業の航空機関連メーカーとの取引も着実に拡大しているところであります。 今後も企業ニーズを踏まえつつ、航空機関連企業とのネットワークを強化するとともに、地域未来投資促進法を初めとした各種支援制度を積極的に活用しながら、航空機産業へのさらなる参入拡大に向け、意欲ある企業の取り組みを積極的に支援してまいりたいと考えております。 次に、社会資本整備についてお答えします。 まず、防災・減災対策についてでありますが、近年、数十年に1度、想定外と言われるような豪雨災害が毎年のように発生しており、防災上必要となる対策が追いついていない状況から、もう一段の加速が必要であると考えております。 このため、ハード面では被害を未然に防止する事前対応型の対策を強化するとともに、ソフト面については災害時の情報伝達や住民避難等に関する対策を住民目線で見直すなど、ハード・ソフトが一体となった防災・減災対策を、今後さらに進めてまいります。 次に、県内道路網の形成についてでありますが、道路は、地域産業の立地や経済活動の基盤となるインフラ施設であることから、今後も道路整備予算の確保に努め、安全・安心の確保及び本県のさらなる拠点性の向上に向けて道路整備を着実に進める必要があると考えております。 このようなことから、県内における高速道路のミッシングリンクの解消や暫定2車線区間の4車線化、地域高規格道路の整備など、活力ある新潟県づくりにつながる道路ネットワークの構築が図られるよう、国に働きかけるとともに、引き続き関係機関と連携して取り組んでまいります。 次に、松本糸魚川連絡道路の今後の取り組みについてでありますが、本道路は、糸魚川市と松本市を結ぶだけでなく、北陸地方と関東地方を連絡し、地域の産業振興、交流人口の拡大及び安全・安心の確保などに寄与する重要な地域高規格道路です。 現在は、関係機関と事業化に向けて必要となる協議を進めております。 県といたしましては、松本糸魚川連絡道路ができるだけ早期に事業化できるよう、鋭意取り組んでまいります。 次に、市町村との連携などについてお答えします。 まず、にいがた未来創造プランの見直しにおいて、盛り込む政策についてでありますが、にいがた未来創造プランの見直しに当たっては、住んでよし、訪れてよしの新潟県を目指すとの基本的な考え方のもと、追加・修正する具体的な政策について、今後、新年度予算編成と一体で議論を行う中で、検討を進めてまいりたいと考えておりますが、現時点で見直しの例を挙げるならば、これまでよりも1段加速した防災・減災対策の推進、健康寿命が全国トップクラスの健康立県の実現に向けた取り組みの推進、インバウンドの拡大や県産品の販路拡大はもちろん、広く本県を対外的にアピールしていくための新潟ブランドの構築、起業・創業を初め新潟で挑戦しようとする人が多く集まる環境づくりの推進などの政策を盛り込んでいきたいと考えております。 次に、市町村長とのブロック別懇談会についてでありますが、県と市町村とは、広域自治体と基礎自治体という、それぞれの立場から補完し合う関係にあり、共通の目標に向かって連携して取り組んでいくため、市町村長の皆様と忌憚なく意見交換できる機会を持つことは重要と考えております。 これまで、阿賀北を皮切りに3つのブロックで開催し、各地域が抱えている課題を中心に意見交換を行ったところであり、いずれのブロックにおいても、市町村長の皆様と率直に意見交換ができる顔の見える関係を築く第一歩を踏み出すことができたと受けとめております。 なお、懇談会の場で各市町村長からいただいた御意見については、今後、県の施策を検討する中で生かしてまいりたいと考えております。 次に、県民との対話の今後の取り組みについてでありますが、県民最優先の県政を実現するためには、県民一人一人の声に丁寧に耳を傾け、対話を重ねていくことが重要であると考えています。 そのための取り組みの一つとして、私が県内各地に出向き、各地域が抱えている課題などについて、そのテーマに関連した活動を行っている現場の方々と率直な意見交換の場を車座トークと題して設定していきたいと考えております。 第1回目は、糸魚川市での開催に向け準備を進めているところであり、今後も定期的に開催しながら、積極的な対話に努めてまいりたいと思います。 次に、人口減少問題についてお答えします。 まず、社会減が近隣他県に比べて多い理由についてでありますが、議員御指摘のとおり、現在見直し中のにいがた未来創造プランにおいて、本県は進学や就職を契機とした転出超過が多いことについて分析されています。 そこでは、近隣5県との比較において、進学期に関しては、県内の大学の収容力が低く、小規模校も多いことが、また、就業期に関しては、給与水準や労働時間などの労働条件が下回っていることなどが例に挙げられており、加えて、都市の魅力や拠点性との関係の可能性についても触れられております。 私としても、こうした状況の違いが、近隣他県に比べて社会減が多いことに関連していると考えますけれども、進学や就業の前後も含めたさまざまな要因が複雑に関係しているものと認識しております。 次に、県内私立大学の定員割れに対する受けとめと学生確保に向けた取り組みについてでありますが、少子化の進展による大学進学者の減少など、地方大学を取り巻く環境は、厳しい状況が続いているものと認識しております。 こうした状況の中、学生の確保に向けては、進学者のニーズに応じた教育の充実などによる大学の魅力づくりや、高校生などからの認知度を高めることが重要であると考えております。 学生確保に向けた具体的な取り組みについては、総務管理部長から答弁いたします。 次に、交流人口の増加策についてお答えします。 まず、新潟空港における香港線の誘致についてでありますが、個人旅行者の比率や訪日リピート率が高い香港では、近年、行ったことのない地方・したことのない体験への関心が高まっており、ゴールデンルート以外の地方を目的とした旅の需要が拡大しております。本県におきましても、スキー、スノーボードを目的としたウインターシーズンを中心に、旅行客が著しく増加しております。 また、香港の大手旅行会社が、新潟空港を組み入れた旅行商品の企画について、強い希望を持っているとも伺っております。 さらに、アウトバウンドにおいても、香港自体も非常に人気がある観光地であるとともに、香港を経由して、広州、東南アジアなどを視野に入れることができることから、イン・アウト双方の高い需要を取り込むことが期待できるものと考えております。 県といたしましては、新潟空港の路線ネットワーク戦略2017において、香港を新規国際線誘致のターゲットに位置づけ、昨年秋から複数の航空会社と交渉を行っております。引き続き、路線開設に向けて全力で取り組んでまいります。 次に、ラグビーワールドカップなどに向けたインバウンド向けのPRと海外向け情報発信の戦略についてでありますが、首都圏を中心に開催されるラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックに向けて、首都圏に近い本県の優位性や、東京都などとの連携による広域周遊ルートをPRし、インバウンド誘致につなげてまいりたいと考えております。 また、2020年のアルペンスキーワールドカップについては、開催地湯沢町を中心に広く県内のスキー場をPRすることで、本県スキー観光のブランド化の契機として生かせるよう取り組んでまいりたいと思います。 海外向けのPRに当たっては、スマートフォンを活用してSNSなどから観光情報を入手する外国人旅行者が増加していることから、訪日旅行に影響力のあるブロガーなどを活用し、外国人目線による情報発信を強化してまいります。 加えて、上海等に配置した観光コーディネーターなどを活用して現地の観光動向を把握し、国や地域別の旅行者ニーズに応じて発信する情報を絞り込むなど、より効果的な情報発信に努めてまいります。 次に、グリーンシーズンの観光コンテンツ強化に向けた今後の取り組み方針についてでありますが、本県の外国人宿泊者は、現状ではスキーなどが楽しめるウインターシーズンに集中していることから、グリーンシーズンの観光コンテンツを強化し、年間を通じた宿泊者の底上げを図っていく必要があると考えております。 近年、外国人旅行者の旅行形態は、団体旅行から個人旅行へ、消費型から体験・交流型へと変化していることから、個人旅行者をターゲットとした体験型の観光コンテンツづくりが重要であります。 今後の取り組みに当たっては、外国の方の意見や評価を取り入れるとともに、新たに個人旅行者が利用するインターネットの旅行会社などを通じた商品販売や情報発信を行うことで、外国人旅行者のニーズを踏まえた観光コンテンツを強化してまいりたいと考えております。 次に、広域的な観光行政の推進についてでありますが、議員御指摘のとおり、インバウンドを初めとした観光の広域化が進む中で、本県への誘客を図るためには、隣接する市町村や県と連携し、知恵を出し合い、ストーリー性のある観光資源として磨き上げ、面的な発信力をより強くしていくことが重要であると考えております。 県では、上越・糸魚川・妙高エリアなど市町村が連携して取り組む着地型観光の支援や、隣接県との連携によるインバウンドを主体とした広域周遊ルートの形成促進に取り組むほか、担い手となる意欲ある団体によるDMOの形成を支援しているところであります。 今後も、引き続き市町村との連携のもと、広域で魅力的なエリアの創出に向けて取り組み、交流人口の拡大につなげてまいります。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 まず、上越地域と新潟地域の交通アクセスの改善についてでありますが、議員御指摘のとおり、県民の利便性向上や県全体の一体感の醸成のためには、県内交通の充実は不可欠であると考えております。 北陸新幹線長野-金沢間開業後、上越地域と新潟を結ぶ特急列車は5往復が維持され、糸魚川方面の在来線との接続も配慮されてはおりますが、一方で、糸魚川方面の直通快速の廃止などに伴い乗りかえが発生するなど、利便性の低下が課題であります。 県では、県都である新潟市と上越、糸魚川地域をつなぐ鉄道輸送の確保に向け、関係同盟会などを通じてJRに対し、優等列車の維持拡充や新幹線との接続改善などを要望してきたところであり、今後ともこうした取り組みを継続し、県民の利便性向上に努めてまいりたいと考えております。 次に、業務用米の販路確保についてでありますが、米の消費に占める中食・外食の割合が増加しておりますが、実需者が求める量や価格に対応できないなどの課題があると聞いております。 このため、実需者のニーズに合う米の生産拡大を進めるとともに、首都圏及び関西圏の中食・外食企業と県内産地のマッチングの場として、本県の業務用米を提案する商談会を開催してきております。 今後も、コシヒカリや新之助といったトップブランド米のPRにより、米といえば新潟県という産地イメージの定着を図るとともに、業務用米についても、つきあかりやゆきん子舞などさまざまな品種の特性と食味についての情報発信、産地と実需者とのマッチングなどを進めてまいりたいと思います。 次に、県産米の輸出促進についてでありますが、議員御指摘のとおり、輸出米については、精米からの時間経過による品質劣化や調理習慣の違いなどもあり、本来の食味が保たれていないとの指摘もあります。 このため、現地で精米することにより市場に出回るまでの時間を短縮したり、無洗米にして輸出することで炊飯工程を簡略化するなどの工夫により、輸出事業者が品質を保つ努力をしております。 県といたしましても、日本米に合った炊飯方法のPRに努めるほか、現地に営業拠点を持つ輸出事業者を通じて、鮮度・品質管理を徹底することにより、新潟県産米の評価を高めてまいりたいと考えております。   〔総務管理部長佐久間寛道君登壇〕 ◎総務管理部長(佐久間寛道君) お答えいたします。 県内大学の学生確保に向けた取り組みについてですが、特色ある教育プログラムの開発や学生の就職支援の強化など、県内大学の魅力向上に向けた取り組みを支援しているところです。 加えて、今年度から新たに、県内大学の魅力を発信し、認知度向上を図るため、高校生や保護者を対象とした県内大学合同の進学説明会を開催しております。 5月に開催した説明会では、約780人の参加があり、参加者からは、大学の特色をよく知ることができた。進学したいと思える大学が見つかったといった声も聞かれたところです。   〔県民生活・環境部長本間由美子君登壇〕 ◎県民生活・環境部長(本間由美子君) お答えいたします。 県外の転職希望者と県内企業とのマッチングについてですが、県では、U・Iターン希望者の相談窓口として、東京に、にいがたUターン情報センターを設置するとともに、U・Iターンコンシェルジュを配置し、相互に連携しながら、就職のマッチングや住まい等の個別相談にきめ細かく対応しているところです。 こうした取り組みにより、着実にU・Iターンの促進につながっているものと認識しておりますが、職種や年収の希望等が求職者側と企業側で折り合わず、U・Iターンを断念した者が一定程度存在していることなどから、双方が納得できる状況を整えることが課題と考えております。 このため、今後も、求職者のニーズに応じた求人開拓を進めるとともに、求職者に対しては、収入の変化等に伴う不安の解消のため、住まいや生活費等に関する情報提供の一層の充実に努め、また、求人企業に対しては、求職者の希望に照らした雇用条件調整の働きかけなどを強化しながら、移住者増に向けて就職のマッチング促進に取り組んでまいりたいと考えております。   〔産業労働観光部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働観光部長(橋本一浩君) 3点についてお答えいたします。 まず、外国人材受入サポートセンターについてですが、外国人技能実習制度の適正な運用の確保や、企業側の受け入れノウハウの不足などといった、県内企業における外国人労働者の受け入れに当たっての課題に対応するため、今年度新たに設置することとしたものです。 現在、専門的知識を有する人材の確保などについて最終調整を行っている段階であり、早期の開設を目指して準備を進めてまいりたいと考えております。 次に、サイクリングロードを活用した外国人観光客の誘致に向けた今後の対応についてですが、瀬戸内しまなみ海道は、愛媛県と広島県が本格的なサイクリングだけでなく、一般旅行者向けの商品造成を台湾の旅行会社に働きかけたことなどから、国内外から多くの旅行者が訪れていると承知しております。 県内でも、上越地域と長野県北部の自治体等が連携しながら、名勝地などを広域的に周遊するサイクリングロードを整備し、商品造成等に向けたプロモーション活動を展開しているところです。 サイクリングロードは魅力的な観光コースの一つですので、今後、地域の取り組みと連携を図りながら、海外の旅行社やメディアへ積極的に提案し、商品造成や認知度向上につなげてまいりたいと考えております。 次に、デスティネーションキャンペーンについてですが、議員御指摘のとおり、当キャンペーンは、国内最大級の観光イベントであり、新潟の認知度向上はもとより、新潟ブランドの構築の契機となるものであることから、コンセプトをいかに明確化し発信していくかが重要と考えております。 今回のキャンペーンでは、日本海美食旅、ガストロノミーをテーマとして、本県が誇る食文化を中心にアピールポイントを明確化し、ストーリー性を持って発信していくこととしております。 また10月には、国内外の旅行エージェント等が参加する全国宣伝販売促進会議を開催し、旅行商品の造成や送客拡大を働きかけてまいります。 あわせて、シンポジウムや県内各地でのイベント等の開催を通じ、県民へのコンセプトの浸透や発信力の強化に取り組んでまいります。   〔農地部長緒方和之君登壇〕 ◎農地部長(緒方和之君) お答えいたします。 中山間地域における地下水位制御システムの導入についてですが、議員御指摘のとおり、地下水位制御システムは、栽培の適期に合わせた地下水位の調整を可能とするものであり、多様な園芸作物に適した生育環境づくりに有効と認識しております。 一方で、地形等により地下水位の制御が困難な場合があることや、施工費や維持管理費が通常の暗渠排水よりも割高となるといった課題もあります。 県といたしましては、農家の方々に本システムの効果や導入する際の留意点などを説明し、地域の合意形成を踏まえてシステム導入を積極的に支援してまいりたいと考えております。   〔土木部長中田一男君登壇〕 ◎土木部長(中田一男君) 3点お答えいたします。 中小の建設業へのICTの導入状況と導入支援の取り組みについてですが、議員御指摘のとおり、労働力不足に悩む建設業においては、ICTを活用し、安全性や生産性の向上に取り組むべきと考えております。 ICTを活用した工事の状況についてですが、まずはドローンによる測量によって得られた3次元データを活用した建設機械による工事を平成28年度から試行し、昨年度までに28件で活用されております。 次に、導入支援の取り組みについてですが、平成28年度から現場研修に取り組んでおり、平成30年度からは、建設工事におけるICT活用の裾野を広げるため、発注者、建設業や測量業の未経験者を対象とした講座形式の研修に取り組んでいるところです。 引き続き、建設産業の生産性向上への取り組みを進めてまいります。 次に、土砂災害予測システムの活用についてですが、議員御指摘の国土交通省が開発を進めております土砂災害予測システムにつきましては、当県も、今後、実証実験への参加を予定しております。 なお、現在、県では土砂災害警戒情報システムを用いて、土砂災害発生危険度を情報提供しており、引き続き、あらゆる手段を活用し、迅速な住民避難の支援に努めてまいります。 次に、新広域道路交通計画等の策定に向けた取り組み状況についてですが、重要物流道路制度の創設を契機として、新たな広域道路ネットワーク等について検討するために、国・県・新潟市などで構成する新潟県幹線道路協議会を開催し、主要な物流拠点へのアクセス強化や地域の防災力の向上につながる道路整備等について議論を進めているところです。 今後は、広域道路ネットワーク計画や交通・防災拠点計画等で構成される新広域道路交通計画を物流・観光・防災等、各分野の有識者から専門的な御意見を伺いながら関係機関と連携して策定してまいります。 ○議長(沢野修君) 中村康司君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。  午後0時2分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後1時 開議 ○副議長(岩村良一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、斎京四郎君の発言を許します。斎京四郎君。   〔斎京四郎君登壇〕(拍手) ◆斎京四郎君 県議会初質問に臨む上越市出身、自由民主党、斎京四郎です。よろしくお願いします。ふなれな点はお許しいただきまして、早速、質問に入りたいと思います。 最初に、県政の諸課題について質問します。 まず、先般の報道では、中国を訪問した花角知事は積極的な交渉を展開され、信頼をかち取るとともに、今後に期待の持てる具体的な成果を上げられたとのことです。 さて、本県の対中国輸出額の比率は平成30年1月の県調査では全体の19.1%と高く、花角流とも報道された手腕に、今後、さらに期待が高まるところでありますが、一方、日本海を挟む対岸諸国の中では対ロシア交易が全輸出額の0.2%と極めて低調であります。 本県と極東ロシアとの交流の歴史は古く、領事館もあり、国際課にもロシア室が設置されるなど、他県に比べて優位な環境があると考えられます。極東ロシアは天然ガス資源も豊富で、今後、国際情勢の変化によっては、本県にとって経済的に大きなメリットが発生する可能性があります。 ついせんだって、安倍首相も参加した東方経済フォーラムがウラジオストクで開催されました。マスコミ報道は平和条約締結に関する話題に注視しておりますが、極東の経済発展の議論も行われており、安倍首相も日ロ経済交流に向けた極東のゲートウエー構想を提示したところであります。 確かに、領土問題を含めまして、日ロ間には政治的な問題を抱えておりますが、こうしたときにこそ経済や文化交流が重要であることは、歴史の教訓が示しております。 そこで、花角知事には、対極東ロシア交渉においても花角流の手腕を遺憾なく発揮され、両国間の経済交流、文化交流の拡大が期待されるところでありますが、対岸交流の拡大について、花角流の基礎となる考え方を伺うとともに、現在低調となっておりますロシアとの交流促進について、今後の県の展望、取り組みの方向性について伺います。 また、先般の6月定例会で知事は起業家育成促進への決意を述べられました。本県は開業率が全国と比較しても極めて低く、県としてもベンチャー企業創出助成金やふるさと起業家応援事業などサポートに尽力されていますが、起業家の育成・支援に当たっての今後の方向性について、知事の所見を伺います。 次に、さきの第196回通常国会におきましてもさまざまな法律等が改正されました。国の制度改正は地方にとって大きな影響を与えると考えていますが、私が本県にとって大きな影響を及ぼすのではないかと考える法律の改正などについて、関連して何点か伺いたいと思います。 まず、全国的に見ても、本県の医師不足は喫緊の課題であり、関係の皆さんが懸命に尽力されていることも承知しているところでありますが、本年7月の国の医療法及び医師法の改正では、医師不足解消に向けて、医師確保計画の策定や地域医療対策協議会の機能強化、あるいは大学に対する地域枠等の創設または増加の要請など、県の役割が強化されたようであります。 こうしたことを踏まえて県としては、どのような体制を新たに構築しようとしているのか、また、今後の医師不足を解消していく上で、どういった面を強化していくのか伺います。 続いて、現在、町なか、農村部を問わず、空き家の増加が課題となっている地域が多くなってきていますが、このたび、空き家の利活用を促進する目的で建築基準法の改正が行われました。 具体的にはグループホームや飲食店、あるいはインバウンドに対応した宿泊施設などへの転用が容易になることが予想されていますが、県としては、この法律改正の趣旨に鑑み、どのように空き家の活用を促進していく方針なのか伺います。 さらに、農村地域への産業の導入促進と雇用の創出についてでありますが、平成29年7月に農村地域工業等導入促進法が改正され、支援対象業種について、これまでの工業等5業種の限定が廃止されました。法律改正の趣旨を生かし、新潟県らしい取り組みを推進するために、県としてどのような方針で対応されるのか、知事の所見を伺います。 次に、地方における大学等高等教育機関の充実は、本県のあらゆる面での発展に欠かせない要素であると同時に、若者の定住促進にも大きな影響があると考えられます。 このたび、新たに地方大学・産業創生法が施行され、地域における大学の振興と若者の雇用機会の創出により、若者の修学及び就業を促進するため、地方公共団体は地域の中核的産業の振興や専門人材育成等に関する計画を作成し、交付金を申請することが可能となりました。 今定例会において補正予算案が上程されていますが、どのような方針で交付金を活用していくのか、知事の所見を伺います。 また、地方大学の活性化は若者流出にも一定の抑止効果があるとともに、長期的には新潟県の活性化にも大きな効果があるものと考えます。しかし、先般の報道にあったように、県内私立大学の半分以上は定員割れの状態となっており、魅力ある教育内容、研究の質的向上など大学側の努力はもちろんですが、県としても県内大学への進学を促進するような取り組みも必要かと思います。 そこで、昨年度導入された県独自の給付型奨学金制度を見直し、県内大学で学び、あるいは県内に就職することを前提に進学する学生に対して支援できるような方向性を出すべきだと考えますが、知事の所見を伺います。 この項目の最後に、文化財の保護についてお伺いします。 県内には多くの文化財があり、こうした文化財の保護活動は、地域の歴史、伝統を後世に伝えるだけではなく、若者の郷土愛教育、あるいは生涯教育にも大きな役割を果たしています。さらに、観光行政の推進の視点からも、文化財をまちづくりに生かす視点も重要となります。しかし、地域を歩くと、未指定であってもすぐれた文化財があるのですが、維持管理が困難な状況になっているケースも多々見られます。また、伝統芸能の後継者不足なども大きな問題となっています。 このたび、文化財保護法等が改正され、これまでの教育委員会の所管とされていた文化財保護の事務を地方公共団体の長の所管とすることが制度的に可能となりました。本県の場合は、観光行政のエキスパートでもある知事が率先して文化財の保護や、あるいは活用に取り組むことで、より一層、文化財の活用の幅が広がる可能性もあることから、前向きに検討する必要があると考えますが、知事の所見をお伺いします。 続いて、県のエネルギー施策について伺います。 過疎化や高齢化などの大きな社会問題を抱えながらも、農業の6次産業化や自然、文化などを売りにした地域産業の創出は本県にとっても重要な行政課題と考えられます。 また、原発が停止している状況での自然エネルギーの実用化や普及にも大きな期待が寄せられています。 こうしたことから、中山間地における自然エネルギー事業を地域産業として育成・普及させていくことは仕事の創出、若者の定住化などにも大きな効果が期待できるものと考えられます。 重要なのは地域に賦存するエネルギー資源を全て束ねてエネルギー供給の最適化を図ることであり、太陽光、風力、小水力、地熱、バイオマスなどをうまく組み合わせて、地域のエネルギー自立を目指すことが、これからの目標の一つとなると思われます。 まず、木質バイオマス発電について伺います。 本県では新潟東港、三条市などに木質バイオマス発電所が建設されていますが、このたび、森林環境税の導入によって森林の整備が進捗すれば、燃料となる間伐材が増加することが予想され、木質バイオマス発電への関心が高まっていくと思います。 そこで、本県における木質バイオマス発電の現状と今後の支援方針について伺います。 続いて、小水力発電について伺います。 歴史的に見れば、近代における本県の産業立地の発展は、県内の各河川における水力発電が大きな影響力を持っていました。水力発電は安定性があり、技術も確立しているという利点があります。また、小水力発電は地域密着型で、地域企業の新たなビジネスチャンスの創出、あるいは雇用の確保など、地域経済活性化にも効果があるとされています。 特に中山間地における設置に効果が高いと言われている小水力発電について、県は既に平成22年度から23年度にかけて調査を行っているようでありますが、現在の導入状況と今後の計画及び県の支援方針について伺います。 続いて、地中熱利用についてお伺いします。 地中熱の利用は、ほかの自然エネルギー利用に比して安定しており、技術的な問題も少なく、すぐれた再生可能エネルギーと言えます。既に、東京スカイツリーを初め、全国で約7,000件近い導入実績があります。この中には、保育園、小中学校、高等学校を初め、環境省の調査では地中熱利用設備を導入している公共施設は既に全国で100カ所以上あることが明らかになっています。 公共施設に地中熱が導入されるということは、国、県や基礎自治体が地中熱を安心して使えるエネルギー源であると認知したということになり、民間への大きな波及効果につながるものと考えられます。 本県においても、家庭用地中熱設備導入支援事業補助金等の制度があり、推進に向けて一定の支援をされていらっしゃるところですが、さらなる普及に向けて、家庭用だけではなく、公共施設や事業所のエアコン設置等において、広く地中熱利用を促進する必要があると考えますが、所見を伺います。 さて、自然エネルギーの利用促進については、地域の気候的特性を考慮することも肝要かと思います。 例えば風力発電については、世界的には導入が進んでいるものの、冬の季節風や雷の影響等がある新潟県では、導入がなかなか進まない状況もあるものと認識しています。 この点、豪雪県である我が県の雪の利用については、食材の熟成保存など、これまでもさまざまな実践がなされているところであります。 さて、この夏の猛暑で学校への冷房設置が話題となっておりますが、既に我が党の矢野学議員が旧安塚町の町長時代に安塚中学校に導入した実績が示すように、省エネかつ実用性の高いものとして雪室冷房があります。特に中山間地においては、排雪コストの面からいっても経済効果も大きいと思われます。 また、雪室冷房の設置普及は、単に省エネ効果のみならず、地域に根差した環境教育の一環として効果が高く、郷土を愛する人材の育成の面からも積極的に導入を検討すべきと考えますが、今後の雪室冷房の設置の推進に向けた県の方針についてお伺いします。 続いて、少子化に伴う高等学校の教育問題について伺います。 少子化による学校の統廃合については、全国の自治体にとって大きな課題となっておりますが、学校は地域における重要なコミュニティーを担っており、学校がなくなると地域の衰退スピードが速まるという研究結果もあります。 県立高校においては、既に平成28年3月に県立高校の将来構想が策定され、これに基づき、6月定例会で3カ年計画、9月になると募集学級計画案など、中長期から次年度の計画まで、他県に比べても大変丁寧な計画の策定及び公表がなされており、敬意を表するところでありますが、既に1学級募集となった高校も散見されます。 確かに少子化に伴う生徒数の減少や財政上の理由から、学校の統廃合はやむを得ない面もあるかと思いますが、教育の機会均等や個に応じた学びの環境を保障する公教育の役割として、高校のあり方や学びのスタイルについては柔軟な対応が必要だと考えます。 こうした対応の一つとして、現在、県立高校間で試験的に行われているICTを活用した遠隔授業は、小規模校における教科や科目を充実させる上で有効な取り組みと評価することができます。 他県では、小規模校と大規模校との間で連携型授業を実施する事例や、私立の通信制高校においては、通学型を取り入れた柔軟な授業形態を採用し、不登校の生徒や中退者の受け皿となっている事例もあります。 本県においても、小規模校における教育内容の充実や、通信制高校での柔軟な学びが可能となるよう、こうした教育システムに積極的に取り組んでいく必要があると考えますが、所見を伺います。 続いて、中高一貫教育校のあり方について伺います。 特色ある学校づくりの一環として、本県は全国に先駆けて公立の中等教育学校の設置を推進してきた経緯があり、その成果については全国からも注目を集めてきたところでありますが、少子化に伴う小中学校の統廃合問題や小中一貫教育校などの設置拡大など、地方における中等教育学校をめぐる環境は設置当時とは大きく変わっています。 本県の中等教育学校の取り組みの成果を生かしつつ、新しい環境に対応していくには、併設型の中高一貫教育学校への移行も視野に入れるべきと考えますが、教育長の所見を伺います。 続きまして、新潟県では魅力ある高校づくりに取り組んだ成果として、各校が特色ある教育活動を展開しており、それに伴い、例えば海洋高校の事例に見られるように、県外からも生徒が入学するなど、魅力ある学校づくりは、生徒のみならず保護者の気持ちも引きつけています。 ところで、島根県では現在、しまね留学と呼ばれる県外高校生の受け入れ事業を実施しており、大阪や東京など大都市圏からも入学する生徒が多数いるなど、注目を集めています。私も現地に行って調査をしましたが、島根県は本気であります。一定のニーズがあること、過疎地域の交流人口が増加することなど、地域活性化にも大きな役割を果たしていることなどを見ると、思いのほかこの制度は効果が大きいと考えられます。 新潟県は首都圏からも近く、保護者もある程度安心して送り出せる面もあり、ぜひ市町村と連携してにいがた留学の仕組みを構築すべきと考えますが、教育長の所見を伺います。 最後に、上越地域にかかわる県政の課題について幾つか質問します。 直江津港は、古くは奈良時代にその起源を持ち、上杉謙信公の時代はその経済力を支えた物流の拠点として、越後の経済活動の中心となり、近世においては北前船の寄港地として、上越地方の経済の発展に寄与してきています。 今日においても、直江津港は日本海側拠点港のLNG部門に選定されていることに加えまして、このたび、皆様方の大変な御尽力のもと、ガントリークレーンの更新が決まり、地元の期待も高まっています。さらに、首都圏に最も近い日本海側の重要港湾として、また、大規模災害時に太平洋側港湾の代替機能を担うことが期待されるところでありますが、今後、直江津港の整備及びポートセールスについて、どのような方針で推進する考えなのか、知事の所見を伺います。 本年の日本列島は、相次ぐ天災に見舞われており、犠牲になった方の御冥福をお祈りするとともに、被災地の一刻も早い復興を祈念しております。 さて、こうした状況を鑑みるに、本県も、いつ大規模災害に見舞われるかわからない状況が続いています。 上越地域においては、保倉川の氾濫の危険性が問題視されています。特に下流域は、日本を代表する企業が集積し、地域の産業や雇用を担う工業地帯を形成しているわけですが、過去においても保倉川下流域の氾濫で甚大な被害が発生しています。企業によっては、リスク回避のため撤退も視野に入れるとの話も出るほどで、再び氾濫が起きれば、地域住民の暮らしはもとより、地域経済への打撃も深刻となることが予想されます。 本件は国の直轄事業となりますが、新潟県の治水、土木事業の歴史は放水路の歴史と言っても過言ではありません。また、放水路建設に伴い発生する掘削土は、直江津港のエネルギー港湾施設拡充のための埋め立て土としても利用されるわけであり、まさに地域の安全と経済にとって、表裏一体の関係にあり、一刻も早く計画、着工が求められていると考えます。 今後、国が地域住民説明などを行うとのことであり、一刻も早い計画実現が求められているところでありますが、県としてもリーダーシップを発揮され、保倉川放水路建設に向けて国や市に積極的に働きかけるべきと考えます。現状の認識と今後の方針について伺います。 さて、中心市街地活性化や商店街活性化はどこの地域でも課題となっていますが、国や県としても、さまざまな法律や条例を制定し、支援策を講じているのは承知のとおりです。しかしながら、大きな成果が上がっているとは言いがたい現実があります。私もいわゆる駅前商店街の出身で、現在も居住しておりますが、商店街というビジネススタイルが、時代の流れの中で、大変厳しい状況にあると感じます。 新潟県も、新潟県にぎわいのあるまちづくりの推進に関する条例等により、大規模店舗の一定の規制や地域貢献を促すべく努力していることは承知しておりますが、大規模店の出店規制と商店街の売り上げには相関関係がないというデータもあります。 こうしたことから、中心市街地の活性化については、新たなアイデアが必要な時期に来ているとも考えることができます。 ところで、上越市では高田地区の商店街にクラウドビジネスの最先端企業が東京より進出し、築100年を超える町家にサテライトオフィスを構えました。中心市街地での小売というビジネスモデルが厳しい状況にある中、中心市街地を、小売を軸とする商店街を支援しつつも、新しいビジネスの集積の場へと発想を転換していくことも必要かと思います。 新潟県では、これまでも中心市街地の活性化に取り組んできておられますが、これまでの取り組みの課題について伺うとともに、今後に向けた考え方をお伺いします。 次に、北陸新幹線開通に伴い、上越地域の鉄道は主に、上越市に本社のあるえちごトキめき鉄道により運営されておりますが、周辺市町村の人口減少に伴う利用減の中、大変厳しい経営環境となっています。より一層の経営努力が求められるわけでありますが、持ち株比率が93.1%を占める新潟県としても積極的な支援を行うべきと考えています。 ところで、この夏、上越市立水族博物館うみがたりがオープンし、予想をはるかに上回る40万人以上の入り込み客数があったと聞いております。これに伴い、大型バスも含めた駐車場の不足、道路の渋滞など市民の日常生活に影響が出るほどの状況が発生しました。渋滞緩和などについては対応していかなければならないものの、まずは上越の地に多くの来訪者があったことを素直に喜びたいと思います。 この好機を生かすためにも、地域が有機的に連携する必要があると考えますが、うみがたりと連携した町なかの活性化のためには、鉄道利用の促進やえちごトキめき鉄道が直江津駅前に所有する土地の活用など、えちごトキめき鉄道が果たす役割も大きいと考えます。うみがたりと連携したえちごトキめき鉄道の取り組みについて伺います。 最後に、新潟県の海岸の活用についてお伺いします。 新潟県の海岸線の長さは、九州ならば北九州市から鹿児島までの達する長さであります。 新潟県のスポーツといえば冬期間のスキーがもちろん有名でありますが、長い海岸線を有する本県は、既にビーチバレーボールコートが設置されている直江津の海岸を初め、グリーンシーズンにおけるビーチスポーツに適した地域も数多くあります。ビーチスポーツの活性化は交流人口の創出にも直結し、知事の掲げる訪れてよしの新潟県づくりにも大変フィットした方向性だと考えることができますが、新潟県のビーチスポーツ推進についての施策の現状と課題について伺います。 以上で私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 斎京議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、対岸交流の拡大とロシアとの交流促進についてでありますが、本県は、3つの総領事館を有する強みや、これまでの友好交流により培った人的ネットワークなどを活用しながら、対岸地域との交流実績を積み重ねてまいりました。 私といたしましては、これらの地域との交流を今後さらに発展させるためには、双方が協力して、具体的に目に見える成果を着実に積み上げていくことが重要であると考え、このたび、黒龍江省を訪問した際に、共同で取り組めるプロジェクトの推進について提案させていただいたものであります。 ロシアとの交流についても、先日お会いした新任のセルゲエーフ総領事にも提案させていただきましたが、定期航空路の復活、あるいは経済・文化交流の活性化など、具体的な成果が出せるよう双方で取り組みを進めてまいりたいと考えております。 次に、起業家の育成・支援に当たっての今後の方向性についてですが、これまで県では、起業を志す方に対し、資金提供や相談対応を中心として、事業化などの支援をしてまいりました。その中で、本県の開業率が依然として低い現状を踏まえますと、起業に挑戦する方が、タイムリーに、かつ県内のさまざまな地域で必要な支援が受けられる環境を整えることや、起業に関心を持つ方、これらをふやしていくことが重要な課題であると認識しています。 そのため、起業・創業を支援する官民連携の多様なネットワークの構築や、さまざまな事例を広く発信することにより、起業・創業に挑戦したい方が次々と立ち上がる環境づくりを進めてまいりたいと考えております。 その際、失敗を恐れず挑戦できるよう、初めて起業する方はもちろん、一度事業に失敗した方の再チャレンジも、しっかり後押ししてまいりたいと考えております。 次に、医療法及び医師法の改正を踏まえた医師確保対策の強化などについてでありますが、県では、医師確保対策を強化するため、昨年度、先行して地域医療対策協議会に、医師確保に係る会議を一部統合したところでありますが、今回の法改正を踏まえまして、さらに、ほかの医師確保に係る会議についても地域医療対策協議会に一本化しまして、協議会を中心とした体制を構築したいと考えております。 なお、改正法が段階的に施行されることから詳細が不明な部分もあるのですが、県といたしましては、医師不足の解消に向け、医師総数の確保に加え、今後策定予定の医師確保計画に基づく地域偏在対策などの強化を図ってまいりたいと思います。 次に、建築基準法改正に伴う空き家の活用促進についてでありますが、本年6月の建築基準法の改正により、議員御指摘のとおり、建築物の用途変更に関する規定が一部緩和され、空き家の利活用や売買などの流通の促進が期待されております。 県といたしましては、市町村や関係団体に対して今回の法改正の趣旨を周知し、具体的な空き家の活用に関して技術的な助言を行うとともに、本年度創設の空き家再生まちづくり支援事業の活用により、支援を進めてまいりたいと考えております。 次に、農村地域工業等導入促進法の改正趣旨を生かした対応についてでありますが、今般の法律改正では、農林水産物等の地域資源を活用した産業や、農村地域において立地や就業のニーズが高い業種の導入が可能となるよう、対象業種の限定が廃止されたところであります。 県としましては、こうした法律改正の趣旨を踏まえまして、本県の強みである農林水産業に関連した流通、サービス業などにも着目し、市町村におけるニーズをお聞きしながら、実施計画の策定支援や積極的な誘致活動を展開することにより、高い付加価値と魅力ある雇用を創出する企業の立地を実現してまいりたいと考えております。 次に、地方大学・産業創生法に基づく交付金の活用についてでありますが、本県の地場産業は、下請取引を主流とし、十分な付加価値が得にくい産業構造であることや後継者不足の深刻化という共通の課題を有しています。 こうした課題に対応するため、すぐれた技術とブランド力を持つ企業が多数立地する燕三条地域をモデルとした事業を国に申請したところであります。 本事業では、新潟大学、長岡技術科学大学と連携し、地域産業の生産性の向上を図るとともに、より付加価値の高い製品開発を行うほか、産学協同による、ものづくり人材育成の拠点を現地に設けることとしております。 県といたしましては、この交付金の活用により、魅力ある雇用の場や学びの場を創出し、若者の県内定着と地域産業の持続的発展を図るとともに、その成果を県内他地域に波及させてまいりたいと考えております。 次に、県給付型奨学金制度の見直しについてでありますが、国の奨学金制度を補完して、意欲と能力があるにもかかわらず、経済的事情により大学進学が困難となっている子供たちを後押しするために、県でも給付型奨学金を今年度から開始し、平成31年度分については、1次募集を行ったところであります。 現在、国において、平成32年度実施に向けて国の給付型奨学金の大幅な拡充などが検討されており、県教育委員会で国や関係機関に対して情報収集をしているところであります。今後、国の動向を見きわめながら県の給付型奨学金のあり方について検討してまいりたいと思います。その際には、議員御提案の、県内に就職を希望する学生に対する支援についても研究してみたいと考えております。 なお、県給付型奨学金の平成31年度大学進学者向け募集状況などについては、教育長から答弁いたします。 次に、文化財保護法等の改正についてでありますが、今回の改正により、文化財保護の事務を首長部局が所管できることになり、議員御指摘のとおり、他の分野と一体的に取り組むことによって、文化財の活用の幅が広がる可能性があり、観光振興・地域振興につながることも期待されます。 一方で、文化審議会答申において教育委員会が所管することを基本とすべきとの意見も示されており、県といたしましては、今後、国から示される指針などを踏まえながら、移管の課題や効果について十分に検討してまいりたいと考えております。 次に、県のエネルギー施策についてお答えします。 まず、木質バイオマス発電の現状と今後の支援方針についてでありますが、現在、本県においては新潟市と三条市で2基のバイオマス発電施設が稼働しております。 木質バイオマス発電の稼働には、燃料となる木材の調達が重要であることから、県といたしましては、林業事業者に対し、流通の拠点となる中間土場の整備や木材チップ加工機などの導入を引き続き支援することで、安定的かつ持続的な木材供給体制の構築を進めてまいります。 次に、地中熱利用設備の導入促進についてでありますが、議員御指摘のとおり、地中熱は天候や地域に左右されない安定したエネルギーであり、全国的にその利用が進められております。 県では、これまで、家庭用地中熱利用設備の導入費用を支援するとともに、民間企業等を主体とした地中熱に関する研究会と連携した普及啓発を行うなど、導入促進に努めてきたところでありますけれども、魚沼基幹病院など県施設を含め、県内の公共施設や事業所においても、徐々に導入が進んできております。 今後も、地中熱エネルギーの有効性を発信するなど、普及啓発を行うことにより広く導入促進を図ってまいります。 次に、上越地方の課題についてお答えします。 まず、直江津港の整備及びポートセールスの方針についてでありますが、直江津港の施設整備につきましては、現在、貨物船の大型化に対応するため、水域の拡大及びガントリークレーンの更新による機能強化を進めているところであります。 今後の整備につきましては、エネルギー関連企業などの立地動向やコンテナ貨物取扱量の推移などを見きわめながら、引き続き、必要な施設整備に取り組んでまいりたいと考えております。 また、ポートセールスにつきましては、上越地域はもとより、背後圏である長野県発着貨物の確保が重要であるとともに、議員御指摘のとおり、太平洋側港湾の代替港としても期待されることから、荷主・物流業者向け補助制度などの活用とあわせて、京浜港に比べて陸送距離が短いことや首都圏などからの高速交通網の要衝であるといった優位性をPRすることによって、さらなる集荷促進を図ってまいりたいと思います。 次に、保倉川放水路建設に向けた現状認識と今後の方針についてでありますが、これまでも、保倉川放水路の必要性について、流域住民の方々の理解を得るため、国、県、市が協力して説明を行ってきたところであります。 昨年、関川流域委員会は、改めて放水路案の優位性を確認するとともに、今後進められる現地調査やまちづくりの議論の中で、国に対し、上越市を初めとした関係機関と連携しながら、流域住民が抱く懸念に一つ一つ対応するよう求めています。 県といたしましても、保倉川流域の住民の命と暮らしを守るためには、抜本的な治水対策は必要と考えており、そのためには、地域のコンセンサスを得ながら進めていくべきと認識しております。 今後も、早期事業着手に向け、国及び上越市に積極的に協力・連携してまいりたいと考えております。   〔県民生活・環境部長本間由美子君登壇〕 ◎県民生活・環境部長(本間由美子君) お答えいたします。 ビーチスポーツ推進についての施策の現状と課題についてですが、ビーチスポーツについては、上越市の直江津海岸において、9年前のトキめき新潟国体でビーチバレーボール競技が行われたことを契機に、ビーチバレーボール大会やビーチスポーツのイベントが継続して行われております。 また、長岡市の寺泊地区では、ビーチコートを整備してビーチスポーツの体験会やビーチバレーボール大会を開催するなどの取り組みが進められております。 議員御指摘のとおり、地域資源を生かしたビーチスポーツなどの取り組みは、交流人口の創出にもつながることから、県といたしましては、こうしたスポーツイベントの開催などを引き続き支援してまいります。   〔産業労働観光部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働観光部長(橋本一浩君) 3点についてお答えいたします。 まず、小水力発電の導入状況等と県の支援方針についてですが、小水力発電の導入量は、本県の豊富な水資源を生かし全国順位で6位であり、今後も湯沢町や妙高市などにおいてダム放流水を活用した小水力発電が計画されていると承知しております。 県といたしましては、引き続き民間企業等を主体とした小水力に関する協議会と連携した啓発活動により導入促進を図ってまいります。 次に、雪室冷房設置の推進についてですが、雪冷熱エネルギーを利用した雪室冷房設備は、雪の利活用の効果的な方法の一つであると認識しております。 県ではこれまで、データセンター向けの雪冷熱供給設備を整備し、事業者を誘致して、雪冷熱エネルギーの実証事業を実施してまいりました。その結果を広く発信し、普及に取り組んできたところ、複数の民間企業の参入につながっております。 引き続き、雪国の特性を生かした雪冷熱エネルギーの有効性を発信し、雪室冷房やデータセンターなどでの活用の普及啓発に努めてまいります。 次に、中心市街地の活性化に向けたこれまでの取り組みの課題と今後の考え方についてでありますが、これまで、行政や商店街組織を中心にさまざまな取り組みを進めてきたところですが、居住人口の減少や高齢化、郊外型大型店の増加などの環境変化に十分対応できず、総じて、売り上げや来客者の増加に結びついていない状況にあると認識しております。 そのため、議員御指摘のとおり、商店街を小売業中心の場から転換を図るという視点も有効であると考えており、県では、小売業に限らず多様な業種の人々が連携し、空き店舗等の再生を図るリノベーションの取り組みへの支援を、平成28年度から行っているところであります。 今後、市町村や支援機関と連携しながら、新たな視点や地域の特性を踏まえた優良事例を創出し、その成果を広く県内に波及させてまいりたいと考えております。   〔交通政策局長水口幸司君登壇〕 ◎交通政策局長(水口幸司君) お答えいたします。 新水族館うみがたりと連携したえちごトキめき鉄道の取り組みについてですが、鉄道利用の促進によって、道路の渋滞緩和につながるとともに、直江津駅から新水族館まで地元商店街を周遊することにより、町なかの活性化にも寄与するものと考えております。 えちごトキめき鉄道では、水族館のオープンを契機に、この夏、入館料の割引券つきで、しなの鉄道北しなの線も利用できるうみ・やま夏遊びフリーきっぷを販売し、長野方面からの誘客に努めたところです。また、年間を通して休日に利用できるトキめきホリデーフリーパスにも同様の割引券をつけて販売し、休日の利用促進を図っております。 なお、直江津駅前に所有する土地については、鉄道事業として必要な部分を除き、大部分は既に地元の方へ貸し出されており、活用の効果は限定的であると考えております。 いずれにいたしましても、新水族館との連携は、鉄道利用者を増加させる好機であることから、同社では、地域と一体となって利用促進に取り組んでいくこととしております。   〔教育長池田幸博君登壇〕 ◎教育長(池田幸博君) 4点お答えいたします。 県給付型奨学金の平成31年度大学進学者向け募集状況等についてですが、1次募集を、昨年度の申し込み実績を踏まえて180人程度の募集規模で実施したところ、同規模の申し込みがあり、現在、提出書類の確認作業等を進めているところです。 高校への調査では、応募要件に該当する生徒が一定数あること、また、浪人生からの応募や家計急変に伴う応募なども想定されますことから、本年度後半に120人程度の追加募集を行いたいと考えております。 次に、新しい教育システムの取り組みについてですが、議員御指摘のとおり、小規模校における教科や科目の充実や通信制高校で生徒の柔軟な学びを進める上で、ICTも活用した新しい教育システムの導入は重要であり、県教育委員会といたしましても取り組みを進めているところです。 具体的には、小規模校において自校にない新たな科目などの実施に向けて、今年度よりICTを活用した遠隔授業により試行しているところであり、今後は、さらに近隣の高校の教員が出向いて直接指導を行う体制づくりについても研究を進めてまいりたいと考えております。 また、県立通信制高校において、生徒のさまざまなニーズに対応した柔軟な学びが可能になるよう、本校以外の近隣の高校でレポート作成などの学習支援やスクーリングを受けることができるような、学びやすい環境についても検討を始めたところです。今後とも、教育の質の確保や高校の特色化につながる新たな教育システムについて、研究を進めてまいりたいと考えております。 次に、今後の中等教育学校のあり方についてですが、本県ではこれまで、児童生徒や保護者が、中学校・高等学校に加え6年間の一貫教育校も選ぶことができるようにするとともに、6年間を通して計画的、継続的な教育や異年齢交流により、生徒の個性や能力の伸長を図ることを目的に、中等教育学校を設置してまいりました。 議員御指摘のとおり、中等教育学校を取り巻く環境は、少子化、小中一貫教育を実施する学校の設置拡大などにより、幾つかの学校で志願者の減少、定員割れが生じるなど、設立当時と比べ変わってきております。 今後、これまでの中等教育学校が取り組んできた特色ある教育活動を評価するとともに、中等教育学校についての地元教育委員会や児童・保護者へのアンケートなどにより地域のニーズを把握し、エリア内の中学校の学級数や、高等学校の募集学級数に与える影響などを分析しながら、中等教育学校のあり方について検討する必要があると考えております。 次に、市町村と連携したにいがた留学の仕組みについてですが、県教育委員会では県立高校の将来構想に基づき、県外の生徒も学びたくなるような魅力と活力ある学校・学科づくりを推進しているところであり、県立高校における県外生徒の募集につきましては、寮を持つ海洋高校や国際情報高校のほか、農業、工業などの特色ある学校・学科において、一家転住などの要件を課さずに実施しております。 議員の御指摘のような、市町村と連携したにいがた留学の仕組みは、県外からの生徒を募集する上で有効な取り組みと考えております。本県でも来年度から、阿賀黎明高等学校の魅力化を図るため、阿賀町が県との協議を踏まえて、県外からの入学生を支援する教育留学制度を実施することとし、同校においても県外募集に向けて準備をしているところです。これからも地元自治体や地域と連携して、県外の生徒が魅力を感じる学校・学科づくりや、受け入れ環境づくりについて他県の事例などを参考に、研究してまいりたいと考えております。 ○副議長(岩村良一君) 斎京四郎君の質問は終わりました。 次に、石坂浩君の発言を許します。石坂浩君。   〔石坂浩君登壇〕(拍手) ◆石坂浩君 南魚沼市、湯沢町選出の自由民主党、石坂浩です。よろしくお願いいたします。 私は、ことし6月に県議会議員になって、改めて新潟県にはさまざまな課題があることを認識いたしました。花角知事におかれましては、県職員の皆様が課題に対して、しっかりと目標を掲げて、情熱を持って取り組んでいただけるように、リーダーシップをお願いいたします。目標と情熱を持ち続けることで、県民の皆様はもとより、国や市町村との信頼関係も強くなり、新潟県の将来にとって大きな力になると考えます。 それでは、通告に従い、順次質問をいたします。 初めに、県職員の労働環境についてお伺いいたします。 私が子供のころは、昼間の外気温が30度を超える日は少なかったと記憶をしています。しかし、現在は6月から30度を超える日が続き、朝8時には30度を超える日もあり、毎日のように熱中症対策や救急搬送が報道されるようになりました。 私が県議会議員になって驚いたのが、県庁が5時になるとエアコンがとまることや、暑い日でも、日によっては午前10時過ぎにならないとエアコンが入らないことです。職員の方にお聞きしたところ、残業時は申請をするとエアコンがつくそうですが、仮に1人、2人が残業するために申請をするかお聞きしたところ、首をかしげて笑っておられました。 エアコンの役割は、温度管理だけではなく、湿度も軽減するため、夏場にエアコンが稼働しないと湿度が高くなり、不快感は外気温以上です。県民にとって、職員一人一人の仕事に対する生産性は大変重要です。うちわをあおぐ時間も労働時間です。 現在、県庁舎の冷房運転については、室温が28度になるよう温度管理を行っているということですが、労働安全衛生法の規定に基づく事務所衛生基準規則では、室内の気温が17度以上28度以下及び相対湿度が40%以上70%以下になるように努めなければならないとされております。 このことからも、冷房運転に当たっては、気温だけではなく湿度も考慮することや、大きな部屋では窓際と内側では温度に大きな違いがあることから、一元管理ではなく職員の生産性を意識した運用に見直すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、県職員の人材管理についてお尋ねいたします。 先ほどの県職員のエアコンのお話の発端は、公務員の残業を減らすために始まったというお話があります。今の時代、このような考え方では人材を管理しているとは言えません。上司が部下の仕事に対して生産性を意識していないお話です。 知事は、6月定例会で所信を述べられた際に、県職員に対し、県庁の職員一人一人がしっかりとした目的意識を持って課題を認識するとともに、それぞれが主体的に考え、常に新しいことにチャレンジし、日々改善する姿勢を持ち続けることが大切ですというお話をされました。ぜひ県職員には、その姿勢で仕事に取り組んでいただきたいと思います。 今、時代が大きく変化する中で、各部局ともに年々専門的な知識や変化に対応する能力が求められており、そのため、今後は、さらに生産性を意識した組織に変えていく必要があると考えます。 現在、県職員は二、三年程度で配置がえされる場合が多いとお聞きしました。短期間での配置がえでは、仕事になれるまでの時間がかかり、職員の皆さんが仕事に情熱を持ってやり抜くことが難しいのではないかと考えます。 人事異動のあり方について御所見をお伺いいたします。 次に、県職員のマネジメントについてお尋ねいたします。 県職員がさまざまな課題に積極的に取り組み、県民のための結果を出すには、民間企業が取り入れている生産性を意識したマネジメントの手法を職員から学んでもらい、業務に生かしていくことが望ましいと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、県立高校のエアコンの整備と運用についてお尋ねいたします。 先ほど県職員の労働環境についてお尋ねいたしましたが、県立高校の教職員の労働環境も同様だと考えます。 加えて、私の地元の県立高校では、生徒の暑さ対策としてPTAがエアコンを整備し、その電気代は受益者負担といってPTAが発電機を用意し、燃料代もPTAが負担している状況です。エアコンなどの施設管理費を受益者負担とは、いかがなものでしょうか。県立高校に通う生徒のPTAがエアコンを設置したり、電気代を負担するようでは、県民から県立高校の運営に不満が出て当たり前だと思います。 そこで、県立高校におけるエアコンの整備状況と管理運営の状況について伺います。 また、授業中にエアコンを使用する実態がある中で、エアコンの運転費用は、PTAではなく県の負担に見直すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、県立高校の教職員数の人員配置についてお伺いいたします。 新潟県は、生徒の減少に伴い、県立高校の定員の削減を行っていますが、それに伴う教職員の削減により、教職員1人当たりの負担が大きくなっていることが心配されます。学校の教職員数は生徒の定員が減ったからといって簡単に削減しては、学校運営に支障を来すだけでなく、教育の質や部活動の実施環境にも大きな影響があると思います。 教職員の配置について、学校運営や生徒の教育環境から考えて十分な人員が確保されているか、御所見をお伺いいたします。 次に、県立高校の再編整備についてお伺いいたします。 現在、県立高校では後援会やPTAなど地元の皆様の御支援が教育環境の充実に大変大きな力になっています。今後も県立高校の教育環境の充実を行っていくためには、地元の皆様の御意見をしっかりとお聞きし、対応することが必要だと考えます。 そこで、再編整備計画の策定に当たり、保護者や地域住民の意見聴取を行ったのか、行ったのであれば、どのような意見が出て、どう対応されたか、お伺いいたします。 次に、県内の高校通学費用の助成についてお伺いいたします。 私の地元湯沢町では、10年前に高校が湯沢町からなくなったために、高校生は湯沢駅からほかの市町村まで電車で通学しなければなりません。特に苗場スキー場がある浅貝地区から湯沢駅までのバスが少ないため、学校に間に合わせるためには、親が湯沢駅まで片道25キロメートルの道のりを40分かけて送り迎えをしています。これは、中山間地に住む方々にとって大きな負担です。 また、県は県立高校の方針として特色のある学科を目指しており、特色のある高校が県内でできる中、中山間地に住む世帯に通学に大きな負担がかかるようでは、生徒が希望する高校に進学することも難しいと思います。 そこで、県内の高校に進学し、遠距離通学が必要な生徒に対し、通学費用の助成を御検討いただけないか、御所見をお伺いいたします。 次に、市町村も含めた公共インフラの老朽化対策についてお尋ねいたします。 現在、私の地元南魚沼市では河川の橋だけで大小合わせて500カ所以上あり、その多くが老朽化が心配されています。橋の整備について南魚沼地域振興局にお聞きしたところ、5年に1回定期点検を行っており、老朽化の状況に合わせて修繕やかけかえを検討しているというお話を伺いました。 また、国土交通省の調査によると、全国には橋梁が73万カ所あり、そのうち50年を経過した割合は25%ですが、10年後には約50%に急増するとされております。 この公共インフラの老朽化が問題なのは、高度成長期に多くが整備されたため、老朽化も一気に問題になるということです。特に市町村にとっては、数も多いことから、老朽化問題は深刻です。県民生活にとって、管理が県か市町村かは関係ありません。これらの老朽化問題に対応するには、大きな予算と中長期的な計画が不可欠だと考えます。 全国の都道府県では、老朽化によって通行どめになっている橋が現在でもたくさんあると聞いております。老朽化対策の問題は、新潟県だけではなく、全国的な問題であり、国が積極的に取り組まなければ、市町村はもとより、都道府県だけで対応できる問題ではないと考えます。 国は公共インフラの整備を医療費や社会保障費と同じようにプライマリーバランスの目標値に入れて予算を考えているというお話もあり、このような状況では地方において抜本的な老朽化対策は困難であり、県民の財産である公共インフラは老朽化の一途です。 知事は、住んでよし、訪れてよしの新潟県を目指すと述べられました。安心して暮らせる新潟県にするには、実態を把握し、市町村も含めて長中期的な計画を作成し、話し合う時期に来ていると考えます。今、抜本的な対策を検討しなければ、この問題の対応は後送りになり、いずれ大きな事故が発生したり通行どめになるなどによって、県民生活に大きな支障が出ることが懸念されます。 そこで、県及び市町村が管理する橋梁の老朽化の実態を伺うとともに、今後の市町村への支援も含め、老朽化対策をどのように進めていくか、御所見をお伺いいたします。 次に、土砂災害等のおそれがある区域の周知についてお尋ねいたします。 近年の災害で、災害の可能性が高い危険な地域に新たに住宅が建てられたことも被害が大きくなった原因の一つだというお話があります。 私の地元南魚沼市では、近年、山際に宅地分譲された土地にたくさんの家が建ちました。住宅の建設後、県は多くの予算を使い、雪崩防止のフェンスを山の上部に建設していますが、宅地分譲した業者やそれを買われた方々が雪崩の危険性を承知していたら、分譲したり土地を買うこともなかったと思います。 県では、土砂災害警戒区域等を指定しているほか、市町村単位の雪崩防止マップも作成しているとのことですが、県民への周知が十分なされているのか疑問があります。 新潟県は山間地域が多いため、全ての地域の安全性を担保できるとは思えませんが、それだけに、重大な災害が発生する可能性がある場所には住宅はつくらないなど、都市防災の面からも、県民だけではなく、不動産業者や工務店などへの周知にも力を入れる必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、公共事業における夏場の暑さ対策についてお尋ねいたします。 新潟県の中山間地における公共事業は、雪が多く降るため、春から秋に公共事業が集中します。それに伴って工期が設定されるのですが、どうしても工期の問題で夏場の暑い時期にも工事を進める必要があり、工事現場の暑さ対策が問題になります。これは、工事関係者の健康管理だけではなく、県内の建設業の人材不足にも影響しており、夏場の暑い時期の労働環境の改善を行わなければ、人材不足はさらに深刻になると思われます。 そこで、建設業の働き方改革の一環として、県発注の公共事業の暑さ対策を検討し、例えば工期の設定を長くすることや、夏場の労務賃金を上げる改善など、建設関係者が暑さ対策を行える環境づくりが必要だと考えますが、御所見をお伺いいたします。 また、県だけでは対応が難しいようであれば、他県や市町村と連携し、国に働きかけていく必要があると思われますが、あわせて御所見をお伺いいたします。 次に、魚沼基幹病院とほかの病院間の連携についてお尋ねいたします。 私の地元南魚沼市の魚沼基幹病院は、設立から3年が経過しましたが、看護師不足から9病棟のうち6病棟の稼働にとどまっている状態です。人材不足から厳しい運営の魚沼基幹病院ですが、ほかの病院に積極的に医師を派遣したり、ほかの病院と医療連携について意見交換を行っていると聞いております。人材不足の中で地域医療の確立に向けて努力をされていることは、高く評価するべきだと考えます。 そこで、具体的な取り組み状況についてお伺いいたします。 次に、魚沼基幹病院の稼働に伴う周辺病院の影響についてお尋ねいたします。 魚沼基幹病院を取り巻く環境は、六日町バイパスや浦佐バイパスの未開通、上越と六日町を高規格道路で結ぶ上沼道の未開通など、計画した魚沼基幹病院圏域全体からの道路網がいまだ不便な状況であり、このまま魚沼基幹病院の稼働を進めても患者数が計画どおりに集まるのか、大変心配される状況だと思われます。 また、このまま魚沼基幹病院の病棟の稼働を急いだ場合、ほかの1次医療、2次医療に対応している周辺病院も医師不足や看護師不足が深刻な状況の中で、患者不足による経営の悪化も懸念されます。 魚沼基幹病院は、周辺病院との役割分担・連携のもと、地域完結型の医療を目指すために設置されたことから、周辺病院の運営状況にも配慮して病棟の稼働を進める必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、地域医療の医師不足についてお尋ねいたします。 地域医療の医師不足の原因として、大学における教育方法の違いが大きいとお聞きしました。医療を勉強する上で、医療の研究を目的に学んだ学生と、地域医療を目的に6年間学んだ学生では、大学卒業後の進路に大きな違いがあり、地域医療に従事する医師を確保するためには、学生時代から新潟県の地域医療を経験させるなど、地域医療に従事することへのやりがいや魅力を伝える教育を充実させていくことが重要だと考えます。 そこで、こうした教育を行う大学と連携した取り組みが必要だと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、医学生に対する修学資金貸与制度についてお尋ねいたします。 県では、医師不足の対策として、大学を卒業後に医師不足地域に従事することを条件に、医学生に対する修学資金貸与制度を段階的に拡充してきたとお聞きしております。これまでの貸与人数を伺うとともに、医師の配置の実績と今後の見込みについてお伺いいたします。 次に、看護師の人事交流や研修への取り組みについてお尋ねいたします。 現在、県内病院の看護師充足率は、毎年募集人員の7割程度であり、キャリア形成支援や教育体制が充実した比較的大規模な病院に人材が集中する傾向にあるとお聞きしました。魚沼基幹病院においても新人の雇用は100%だと聞いております。このように大病院に人材が集まり、中小の病院に人材が集まらないことが県内全体の看護師不足の原因になっています。 その対策として、県では、慢性期から急性期までの病院の特性を生かした看護師の人材交流や研修受け入れなどを実施していると聞いておりますが、そこで、これまでの取り組みの成果と今後の取り組み方針をお伺いいたします。 次に、看護師の離職防止・再就業支援についてお尋ねいたします。 看護師不足の大きな原因として離職率が高いことがあり、日本看護協会の病院看護実態調査では、正規雇用看護職員の離職率は10.9%となっております。 看護師の仕事は感情労働とも言われ、人の死に直面する仕事であり、ストレス・人間関係・夜勤・人材不足による負担、仕事に対して賃金が低いなど、これらの改善を行わなければ看護師不足の解消は困難だと思いますが、県における離職防止・再就業支援の取り組みと成果についてお伺いをいたします。 次に、看護師に対する教育支援についてお尋ねいたします。 医師や看護師、またはそれを目指す学生にとって、医学書は高価なため、大きな負担です。県は、県内の医療機関に就職を希望される学生には助成をする制度を設けています。また、県内の医療機関に就職された医師への助成もあるそうです。 しかし、今働いている看護師の支援や教育については、各病院が独自のプログラムで取り組んでいるのが現状だとお聞きしました。医療関係者に、日々進化する医療の勉強をしていただき、地域医療全体のレベルアップになることは望ましいことだと考えますが、勉強する人ほどお金がかかるようでは、それも続けることは大変です。 そこで、教育環境の整った大型病院でなくても、等しく支援を受けられ、キャリアアップができる体制を整備することが、地域医療全体のレベルアップにもつながり、中小の病院における新人看護師の雇用にもつながると考えます。 そこで、看護師に対する県の教育支援の具体的な取り組みについてお伺いいたします。 次に、農業振興地域の規制についてお尋ねをいたします。 優良な農地を確保するために農業振興地域の整備に関する法律、いわゆる農振法に基づいて都道府県が指定した農業振興地域は、農業以外の用途への転用は厳しく制限をされております。 私の地元、魚沼基幹病院周辺は、住民が望む場所に商業施設の建設や住宅建設が進んでいません。魚沼基幹病院は、医師・看護師からパート職員も含めて700名以上の職員が働いており、職員だけでなく、まちづくりの面からも地元から商業施設の建設や住宅建設の声が寄せられております。 また、魚沼基幹病院の関係者に聞いたところ、病院周辺に買い物ができる場所が少ないため、看護師などの新規雇用に大きな弊害になっていると聞いております。 魚沼基幹病院周辺は、病院ができたことで地元県民もまちづくりの意識が高くなりました。地元県民にとってバランスのよい魅力あるまちづくりができなければ、幾ら国や県がお金をかけて優良な農地を整備しても、人口減少が進み、農業従事者もいなくなってしまいます。 農振法では農地を変更するための要件を満たせば変更できるとありますが、その要件の中に土地改良事業完了後8年間はできないという要件があるため、それでは県民の皆様の情熱も、いずれ諦めに変わってしまいます。 地域が魅力あるまちづくりを進めるためには、地元県民の情熱が大切です。せっかく地域で高まったまちづくりの情熱を農振法が阻害する原因になっております。バランスのとれたまちづくりに必要な場合は農用地区域からの除外を認めるなど、柔軟な対応も必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、森林整備の多目的化についてお尋ねをいたします。 新潟県は森林面積が多く、私の地元、南魚沼森林組合は3,000人の組合員から森林の管理を任されていますが、急な斜面の森林が多く、山から切り出す費用が高いことや、安い外国産の木材の影響で木材単価が安いため、現在、民間の森林は手つかずの状態です。これは、南魚沼市だけではなく、県内全体の森林が同じような状況だと思われます。 実際に新潟県の林業では、410億円の売り上げのうち丸太の売り上げが10.5億円で、399億円はキノコ栽培の売り上げになっております。林業の衰退は深刻です。県では、今まで新潟県産の杉の活用を推進してきましたが、今の状態では森林整備にとって焼け石に水の状態です。 また、杉林は背が高くて根が浅いため、整備を適切に行わなければ、倒木被害や山地災害の危険性が高まります。西日本の水害において河川の鉄砲水が発生する様子が放映され、その際に大きな丸太が流れていましたが、そのほとんどが杉などの針葉樹だと思われます。戦後の国策で植えられた森林であり、災害の原因になっている森林を民間の森林だからという理由で看過しては、国土強靱化とは逆行したお話です。 そこで、あらゆる分野から県民に関心を持っていただくための政策が必要だと考えます。例えば森林の目的を保安林だけではなく、比較的伐採がしやすく林業に向いている場所は経済林、松之山の美人林のように観光客誘致を目的にした観光林、児童生徒の情操教育を目的とした学校林など目的別に整備することで、林業関係者だけではなく、観光関係者やPTAなど地元の方にも森林に関心を持っていただき、活用していただけることで整備の促進になると考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、森林の所有者や区画の問題についてお尋ねいたします。 現在、森林整備を進める上で大きな課題があります。それは、森林の区画が明治時代の更正図しかないところが多く、所有者や境界が不明確になっていることが多いことです。森林整備を進めるためには、県として今後どのように対策を講じられていくのか、御所見をお伺いいたします。 次に、森林整備における広葉樹植林の推進についてお尋ねいたします。 先ほども述べたとおり、森林の整備は治山・治水の面から大きな問題です。 そこで、杉を伐採して広葉樹を植林することを県で推進してはいかがでしょうか。 その理由は、広葉樹林は杉などの針葉樹と違い、根が深く広く張ることや、特に植林から15年くらいまでは根の勢いがあり、倒木の可能性が少ないと考えます。また、広葉樹は土壌を保持する能力や、保水する能力にすぐれ、治山・治水の効果が期待されます。 さらに、杉と違い、ブナやナラはキノコ栽培の原料として利用価値が高く、現在の広葉樹のおが粉の価格からすると、原木ベースでは杉の3倍の価格であり、新潟県のキノコ栽培の規模から考えて、杉以上の収益が期待されます。 県として、広葉樹の植林を推進するべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、インバウンドの誘客とユーチューブの活用についてお尋ねいたします。 近年、インバウンドの誘客にとってSNSの活用が重要だと言われておりますが、世界中に動画が配信できるユーチューブの活用もまた注目を集めています。少し前に、大分県が温泉でシンクロをする動画を放映して、話題になりました。 ユーチューブは、グーグルという会社のシステムで、AIにより視聴者一人一人の嗜好を判断し、その人に興味のありそうな動画を自動的に配信する仕組みです。これは、配信側からすると、自分が制作した動画を興味のある人にダイレクトに届けることができる仕組みであり、テレビよりも反響が大きいと言われております。 今後、インバウンドのさらなる増加に向けて、ユーチューブをより積極的に活用すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、新潟県警の人員配置及びインバウンド対応についてお尋ねいたします。 私の地元湯沢町ではインバウンドの増加により、外国人のトラブルが増加していると聞いております。外国人のトラブル対応は、第一線で対応される警察官の皆さんにとって、言語や習慣の違いから、大きな負担だと考えます。 昨年、日本全体ではインバウンドが2,000万人を超えたそうですが、国は2020年までに4,000万人のインバウンドを目標にしています。今後も増加が予想される外国人旅行者に対し、トラブルも増加が予想されます。 それらに対応するには、警察官に語学を学んでいただくことや、翻訳機能を備えた機器の整備も必要であると思います。 また一方、外国人旅行者の犯罪がたびたび報道されることから、県民生活の安心面からも十分な警察官の配置など治安対策を今まで以上に行う必要があると考えます。 インバウンドの増加に、今後、県警察としてどのように対応されていくお考えか、御所見をお伺いいたします。 以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 石坂議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、県庁舎の冷房運転の見直しについてでありますが、議員御指摘のとおり、県職員が十分に能力を発揮することができる、働きやすい職場環境づくりは重要なことと考えております。 県庁舎の空調機には湿度を調節する機能がないため、従来から室温28度を基準として、部屋ごとに状況を見ながらきめ細かく温度管理を行ってきているところであります。具体的には、冷房運転に当たっては、部屋の方位や時間帯等に応じて調整を行い、良好な執務環境の維持に努めております。 また、今年度は、従来7月からとしていた冷房運転を、室温の高まりに応じて6月にも実施するなど、必要に応じて運用の見直しも行っているところであります。 引き続き、職員の良好な執務環境を維持するため、柔軟に対応してまいりたいと考えております。 次に、人事異動のあり方についてでありますが、より多様化、高度化していく県の行政ニーズに的確に対応していくためには、県職員として、幅広い知識や経験に基づき、より広い視点から、多面的なアプローチによる政策立案ができる能力を身につけることに加え、特定の分野における専門的な知識や能力を持つことも必要であると考えております。 そのため、一定期間での配置がえや他団体への派遣などにより、多様な業務を経験させる一方で、高い専門性が必要な分野においては、経験を有する職員の再配置や異動サイクルの長期化に配慮した人事異動に努めているところであります。 今後とも、適材適所の人事配置により、県政のさまざまな課題に対し、組織としての対応力を高めてまいりたいと考えております。 次に、生産性を意識したマネジメントについてでありますが、職員がやりがいを持ちながら、限られた時間の中で、効率的で質の高い働き方により、県民サービスの向上を図っていくことは、重要であると考えております。 そのためには、生産性を意識した業務マネジメントも有効であることから、今年度から新潟県庁働き方改革の取り組みの一環として、民間企業の手法を取り入れた、業務マネジメント研修を実施しております。 引き続き、県民最優先の県政が実現されるよう、職員のマネジメント能力の向上に努め、効率的な組織運営を行ってまいります。 次に、公共事業と県民の安全・安心の確保についてお答えします。 まず、橋梁の老朽化対策ですが、県及び市町村が管理する橋梁につきましては、高度経済成長期に集中的に整備されたものが多く、老朽化対策は大きな問題であると認識しております。 県民の安全・安心を確保するためにも、今後も橋梁の維持管理・更新に必要な予算を確保し、計画的に老朽化対策を進めていく必要があると考えております。 また、市町村への支援につきましては、市町村職員が老朽化対策に関する必要な技術を習得できるよう、講習会の実施、技術的な助言などの支援に取り組んでいるところであります。 なお、橋梁の老朽化の実態につきましては、土木部長から答弁いたします。 次に、災害の危険性に関する周知についてでありますが、災害に強いまちづくりを推進するには、計画的な土地利用の規制・誘導を行っていくことが重要と考えております。 県といたしましては、開発行為などの土地利用を総合的に担う市町村が、災害の発生するおそれのある土地での開発を抑制するなど、防災面に配慮した計画的な土地利用が行えるよう、防災に関する情報を市町村に提供してきたところであります。 今後とも、新たな土砂災害警戒区域などの指定などが生じた場合には、市町村に速やかに情報提供するとともに、危険箇所に関する情報が有効に活用されるよう、改めて市町村や県民などへの周知に努めてまいりたいと思います。 次に、地域医療の確保についてお答えします。 まず、魚沼基幹病院の病棟稼働についてでありますが、魚沼医療圏では、病床数が減少してきており、圏域内の患者需要に応えるためにも、魚沼基幹病院の病棟稼働を進める必要があると考えております。 議員御指摘のとおり、魚沼基幹病院は、周辺病院との機能分担・連携のもと地域完結型の医療を目指していることから、運営財団では、周辺病院との意見交換を重ねながら、病棟フル稼働に向け取り組んでおり、県としましても、引き続き、財団の取り組みを支援してまいります。 次に、地域における医師不足への対策についてでありますが、議員御指摘のとおり、地域医療の教育を行う大学と連携した取り組みは極めて重要であると考えております。 このため、県では新潟大学に講座を設置し、カリキュラムの一環として全学生を対象に、新潟の地域医療を担う気概を醸成する地域医療実習を行っております。 さらに、新潟大学と連携し、他大学の学生も対象とした新潟の地域医療のやりがいや魅力を伝える夏季実習も開催するなど、特色ある地域医療の教育を行っているところであり、こうした取り組みにより、引き続き、地域における医師確保に努めてまいります。 次に、農林業をめぐる問題についてお答えします。 まず、農業振興地域制度についてでありますが、優良農地を維持・確保していくためには、法令による一定の規制は必要と考えております。 一方で、まちづくりを円滑に進めていくためには、法令を遵守しつつ、非農用地への転換も含め、必要な土地の確保を図っていくことも重要と考えております。 県といたしましては、土地利用に関する諸制度との調整など、引き続き、利用調整に係る手続が円滑に進むよう、市町村をサポートしてまいりたいと考えております。 次に、森林整備の促進についてでありますが、議員御指摘のとおり、利用目的に応じた森林の整備を進めることは重要な視点であると認識しております。 本県においては、市町村が森林法に基づいて、地域の民有林を利用目的や、その森林に期待する機能などにより区域設定した森林整備計画を定め、それぞれに応じた整備を推進しているところであります。 県といたしましては、県民のニーズに沿った森林整備が促進されるよう、市町村に対し、計画策定の指導・助言や、情報の提供、技術的支援などに努めてまいります。 次に、森林整備を進める上での課題についてでありますが、議員御指摘のとおり、所有者や境界が不明確な森林が増加する中、これらが障害となり、地域の森林整備が進まないケースも多いと認識しております。 このため、県では、市町村や森林組合などが行う所有者の特定や境界確認などの取り組みに対し、必要となる森林情報の提供や経費負担により引き続き支援してまいります。 また、来年度からは、手入れが行き届かない森林を、所有者にかわって市町村が管理する新たな森林経営管理制度が始まることから、所有者や境界の確認がさらに重要な課題となります。 県といたしましては、市町村などで実務に当たる方に対する研修会の開催や、雇用を前提とした林業経験者とのマッチングなどにより、市町村が円滑に森林整備を推進できる体制づくりをサポートしてまいりたいと考えております。 次に、広葉樹の植林についてでありますが、議員御指摘のとおり、近年では広葉樹の需要が高まっており、この資源を有効活用することで県内林業の活性化につながる可能性があることから、地理的条件などが適し、収益性が見込まれる地域において、広葉樹の植林を促進していくことは重要であると考えております。 一方、里山では、広葉樹が薪炭等に循環利用されてきましたが、需要の減少に伴って放置され、治水・治山の機能低下が懸念されている箇所も多く、こうした居住地に近い広葉樹林については、間伐等の森林整備によって機能を回復・向上させる必要があると考えております。 次に、インバウンド対応についてお答えします。 まず、インバウンド誘客におけるユーチューブの活用についてでありますが、近年は、スマートフォンを活用してSNSなどから観光情報を入手する外国人旅行者が増加していることから、訪日旅行に影響のあるユーチューバーなどを活用した外国人目線による情報発信に取り組んでいるところでありますが、今後ともさらに活用を進めてまいります。 また、上海等に配置した観光コーディネーターなどを活用して現地の観光動向を把握し、国や地域別の旅行者ニーズに応じて発信する情報を絞り込むなど、より効果的な情報発信にも努めてまいります。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) 5点についてお答えいたします。 まず、魚沼基幹病院における医師派遣等の取り組みについてですが、地域に医師が不足している中、地域の医療を支えるため、基幹病院から周辺病院に月延べ42人の医師を派遣しているところです。 また、医療連携の円滑化に向け、周辺病院等と定期的に会議を開催し、医療情報の共有を図るとともに、医療機関や地元医師会と個別に意見交換を行いながら、相互補完の中で地域の医療ニーズに地域内で応えられる体制づくりに努めているところです。 引き続き基幹病院が地域医療を支援する役割を果たせるよう、運営財団の取り組みを支援してまいります。 次に、医学生に対する修学資金の貸与実績等についてですが、これまで段階的に修学資金制度の拡充を図ってきたところであり、平成29年度末時点の貸与者数は158人となっております。 また、平成30年度までの地域へ配置した修学資金貸与医師の実績は、延べ31人であり、当面は年平均20人程度ふえていく見込みであります。 次に、魚沼地域における看護職員の人事交流の取り組み等についてですが、県では、看護職員としての知見や視野を広げるとともに、看護技術の向上を目的に、平成28年度から他病院との人事交流を実施しております。 これまでに、7病院が参加し、16名の看護職員が最大5日間の人事交流を行いました。 この取り組みにより、みずからの病院では経験できない看護業務を体験でき、職員のスキルアップはもとより、参加者がみずからの病院の業務改善を提案するなどの意欲向上や、他病院への理解が深まるなどの成果が見られています。 今後は、3年間の取り組みを検証し、引き続き、魚沼地域の病院等がみずから取り組めるよう支援するとともに、他地域でも実施できるよう情報発信してまいります。 次に、看護職員の離職防止等の取り組みと成果についてですが、離職する理由として、結婚や出産、子育てのほか、長時間勤務や夜勤の負担等が多くなっております。 そのため、県といたしましては、院内保育や短時間勤務等を実施する病院への支援のほか、医療勤務環境改善支援センターによる相談窓口の設置等を行っており、本県の離職率は7.5%と、全国より低くなっております。 また、再就業支援では、ナースセンターによる無料職業紹介や再就職支援セミナーを実施しており、昨年度は197名が再就職いたしました。 今後も引き続き、離職防止や再就業支援に取り組み、看護職員の確保に努めてまいります。 次に、看護職員の教育に対する支援の具体的な取り組みについてですが、議員御指摘のとおり、看護職員を確保する上で、キャリアアップできる体制を整備することは重要であると考えております。 そのため、県といたしましては、中小病院を対象に最新のシミュレーターを使った技術研修等を実施しているほか、新人研修を行う病院に対して支援などを行っております。 また、県内に認定看護師教育課程を設置し、専門性の高い知識と技術を備えた看護職員の育成に取り組んでおります。 今後も引き続き、看護職員の教育に対する支援に努めてまいります。   〔土木部長中田一男君登壇〕 ◎土木部長(中田一男君) 2点お答えいたします。 県及び市町村が管理する橋梁の老朽化の実態についてですが、県が管理する橋梁は平成30年3月末時点で3,766橋あり、建設後50年を経過した橋梁の割合は約33%で、10年後には約57%になります。 また、市町村が管理する橋梁は平成30年3月末時点で約1万6,000橋あり、そのうち架設年次が判明している約7,000橋では、建設後50年を経過した橋梁の割合は約18%で、10年後には約41%になります。 次に、夏場の労働環境の改善についてですが、議員御指摘のとおり、暑さ対策などの労働環境の改善については、しっかりと対応していかなければならないと考えております。 県といたしましては、受注企業が現場の労働環境の改善について必要な対策が講じられるよう、柔軟な工期設定に努めるとともに、暑さ対策の現場経費についても対応しているところです。 なお、労務賃金につきましては、国が実態を調査し定めております。各工事現場ごとに環境が異なるなど、一律な賃金設定には課題があることから、今後、国と意見交換をしてまいります。   〔教育長池田幸博君登壇〕 ◎教育長(池田幸博君) 4点お答えいたします。 県立高校におけるエアコンの整備と管理運営の状況等についてですが、静穏な環境の確保や室温管理が必要な保健室、図書室、情報処理室などの特別教室のほか、教務室や事務室などについては県費で設置・管理しているところです。準備室や体育教官室などで未整備となっているものについては、学校の要望を踏まえ、教務室の拡充などで対応してまいりたいと考えております。 また、普通教室の約8割にエアコンが整備されておりますが、その多くは、夏期補習等における学習環境の充実を目的として、PTA等の団体が設置したものです。 御指摘のように、授業中におけるエアコンの使用実態も見られる一方で、PTA等による設置がない学校も13校あることから、運転費用も含め公費負担とすることについて、調査・研究を進めているところです。 現時点では、PTAなどが設置したエアコンを引き継ぐ場合、運転費用に加え、リース代や更新費用が必要となるほか、リース契約の引き継ぎや、県所有とする場合の譲渡方法など、さまざまな課題があることから、引き続き、国や他県の動向を見ながら検討してまいります。 次に、県立高校の教職員の配置についてですが、県立高校においては、公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律に基づき、学校規模に応じて算定されます基本的な教職員定数に加えて、少人数指導や国の研究指定、通級指導を行うなど、教科指導、生徒指導等の改善を図るため、教職員の加配を国に要望し、配置をしております。 さらに、円滑な学校運営のための小規模校への教頭の配置や、八海高校体育科への教諭など、学校の特色化のための教諭の配置のほか、小規模校の教育の質の確保のため、非常勤講師の特別配置など、県立高校が個々に抱える問題の解決のため、県単独の加配も行ってきたところです。 現在、県立高校には、学力向上やいじめ防止対策の推進、教職員の多忙化解消など、さまざまな課題への対応が求められており、今後とも、国に対して教員定数の拡大を求めながら、円滑な学校運営や教育環境の確保が図られるよう、適切な教職員配置に取り組んでまいります。 次に、県立高校の再編整備計画に係る意見聴取についてですが、県教育委員会では、中長期的な視点で県立高校のあり方を検討するため、地域別説明会やパブリックコメントを実施し、目指す高校の姿や適正な学校規模に関するもの、各地域の状況に応じた再編整備についてなど、多くの御意見や御要望をいただき、平成28年3月に県立高校の将来構想を策定いたしました。 この将来構想に基づいて、中学1年生が高校入学時の学校・学科のおおよその姿がわかるように、向こう3カ年の募集学級数や学科についての再編整備計画を毎年策定し、県議会にお諮りしながら公表しております。その際、高校の特色化や新たなコースの設置に当たっては、地域の要望や協働の提案を踏まえ、地元教育委員会などの意見も伺いながら計画しており、例えば、塩沢商工高校では、地元産業界から、産業人材の確保や学校への協力の提案を受けて、建設土木系のコースを設置することとしました。 高校再編は、地域にさまざまな影響を及ぼすことも想定され、議員御指摘のように、学校運営にはPTAや地域の御協力が不可欠であることから、今後とも計画の検討に当たっては、中学生の志願動向を踏まえるとともに、市町村や地元関係者からの意見にも配慮しながら丁寧に進めてまいります。 次に、遠距離通学に対する通学費用の助成についてですが、本県においては、現在、生徒の居住する自治体や同窓会などが通学費の一部を補助したり、スクールバスの運行支援を行っている例があるほか、生活保護世帯の高校生に対して県や市が通学交通費の支援をしているところです。 これまで高校の再編整備については、就学機会の確保の観点から、交通事情や中学生の進路希望状況など、それぞれのエリアの状況をしんしゃくし、通学距離がこれまでと比べて著しく拡大することがないよう配慮しながら進めてまいりましたが、今後、遠距離通学や通学費用の実態についても調査・研究していく必要があると考えております。   〔警察本部長花岡和道君登壇〕 ◎警察本部長(花岡和道君) お答えいたします。 インバウンド増加への県警察としての対応についてですが、県警察では、警察大学校国際警察センターに警察官を計画的に入所させて、部内通訳官を育成しているほか、部内向けの教養資料やネットワークを活用した英語講座等により、警察官の語学能力の向上に努めております。 また、翻訳機能を備えた機器等の整備につきましては、訪日外国人の動向等を踏まえて、検討してまいります。 県警察といたしましては、今後も訪日外国人の増加などに適切に対応するため、国への警察官増員要望を含め、県民生活に安心感を与えるための治安基盤の強化を一層推進してまいりたいと考えております。 ○副議長(岩村良一君) 石坂浩君の質問は終わりました。 15分間休憩いたします。  午後2時45分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後3時1分 開議 ○議長(沢野修君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、志田邦男君の発言を許します。志田邦男君。   〔志田邦男君登壇〕(拍手) ◆志田邦男君 公明党の志田邦男です。 まず、ことしの夏は、例年にない異常気象での水害、台風、さらには地震等により多くの方が犠牲になり、そして各地で甚大な被害が発生しました。犠牲になられた方々の御冥福を祈り、一日も早い復旧・復興を願うものであります。 それでは、質問に移ります。 最初に、知事の政治姿勢について質問します。 6月10日、激戦を制し、県民の期待を担って新潟県知事に就任され、以来3カ月余。政治的に、また経済的に地盤沈下にあえいでいた新潟県。さらにスキャンダルまみれと、新潟県政は最悪の状況に陥っていたと言わざるを得ない状況でありました。 花角知事のやるべきこととして行き詰まり感のあった新潟県政を打破してほしい。多くの県民が望んでいたと思います。就任以来、知事は、県民との対話、国、そして近隣各県・機関との関係構築、さらには中国訪問と、席の暖まる間もなく職務を果たしてきたものと評価をしています。 知事は、この間、どのような点に留意して公務を務めてきたのか伺うとともに、現在の新潟県の置かれている状況、今後の新潟県の目指す方向をどのように認識しているのか、所見を伺います。 次に、これから平成31年度当初予算編成に向かいますが、今年度、財源対策的基金を約106億円取り崩す見通しとなっております。全国的には基金の残高は現状維持の傾向にあると言われておりますが、本県においては減少傾向にあります。原因として、歳入の軸となる県税収入の伸びが全国平均を下回り、普通交付税も減少しています。一方、社会保障費やインフラの更新、県立病院の運営等の支出は一層増大するものと思われます。そのような状況を踏まえると、今後ますます財政状況は厳しくなるのではないかと懸念をします。 知事は本県の財政の見通しをどのように認識しているのか、知事の御所見を伺います。 一時的な財源対策では、早晩、財政的危機は免れないと認識をしております。本県は、事業数は多いものの、開業率は全国46位と低迷しております。税収増のためには、起業・創業・ベンチャー企業をふやすなど本県産業の活性化を図るなど、長期的に税源涵養のために本腰を入れて取り組まなければならないと思いますが、知事の見解を伺います。 近年、県政において日本海横断航路の船舶調達問題、法定計画の未策定問題、道路陥没やダム放水等々の事故発生時における情報公開の不手際、そして越後杉問題など、県庁内において情報共有が不十分であったことなどにより、県民不在、組織の硬直化と思われる事態が続発しています。まさに、県庁は一体どこを見て仕事をしているのかと言わざるを得ません。 知事は、就任以来、県民最優先として組織の風通しをよくしようと取り組んでいると思いますが、これらの県庁の不祥事に対してどのように認識し、また、その組織改革にどのように取り組もうとしているのか伺います。 次に、知事は8月22日から韓国・中国を訪問してきました。県議会訪中団も入れかわりで中国を訪問してきました。その際、黒龍江省の関係者は、知事の友好的な姿勢、前向きな提言等を高く評価していました。ともすれば両県・省の交流がマンネリ化していると思わざるを得ない面もありましたが、知事の積極的なアプローチは、今後の方向性に期待を感ずるものがあったと思います。 本県と黒龍江省の友好関係は35年に及びますが、これまでの交流を踏まえながらも、一段と深化した関係を築くことが重要と認識をします。今回の両国の訪問を通して、その成果と今後の関係のあり方を知事はどのように考えているのか伺います。 次に、2018年の訪日外国人が8月時点で過去最速で2,000万人を突破しました。近年、訪日観光客の動向は地方に向けた動きが出ていると言われています。しかし、本県においてはスキー客などにおいては伸びが見られるものの、近隣県と比較すると、全体としては低調と言わざるを得ないというのが実感です。何でもあるけど何もないなどとやゆされることもあります。 誘客の対策としては多方面にわたりますが、これまで知事は運輸・観光面において豊富なキャリアを持っており、就任以来、路線の新増設、旅行会社へのアプローチなど積極的にトップセールスを行ってきたものと評価をします。 とにかく来てもらわなければ始まりません。そのためには航空路線の新増設が重要でありますが、今後の方針と見通しについて伺います。 本県発展のために、拠点性の強化が欠かせない要素の一つと認識をします。特に新潟市は、発展の大きな要因となる政令市になってから11年。今月18日に発表された新潟県地価調査結果では、新潟市の基準地価がバブル期以来の上昇に転じました。新潟市の拠点性の向上、発展に明るい兆しが出てきたのかと思いました。 この新潟市の地価の状況を知事はどのように感じているのか伺います。 しかし、一昨日、まさに驚きの新潟三越、2020年3月22日閉店との発表がありました。昨日も小島隆議員からも中心街空洞化について質問がありましたが、戦前から新潟古町の顔として小林百貨店、大和として新潟のにぎわいを支えてきた2つのデパートがなくなります。私も子供のころから時に遊び場としても親しんできたデパート、また商店街ですので、大変寂しい限りです。 百貨店は、単に商品販売だけではなく、文化・美術界においても重要な役割を果たしていました。今回、新潟日報でも号外を出すなど、単に商業施設がなくなるということだけではとどまらない影響が出てくるのではないかと思います。 新潟三越の閉店で、今後、新潟市の中心市街地である古町地区の空洞化が一層進むことが懸念されますが、知事の所見を伺います。 新潟市長選挙まであと1カ月となりました。現在4人が立候補の意思を固めていると報道されています。 県の3分の1以上の人口を占める政令市新潟市の今後の方向性を決める重要な選挙であります。全国的にも県と政令市の関係は地域発展のために不可欠でありますが、同時に難しい状況となっているケースもあります。本県においても県と新潟市の関係が良好とは言えない状態がしばらく続いたと私は考えています。そのことが新潟駅工事などに暗い影を落としていたのではないかともされています。その意味でも、県と新潟市が緊密に協調し、本県を発展させていく上でも、今回の市長選は重要な選挙であると考えます。 現状では、今回の市長選は篠田市長退陣を受けて4名の新人が争います。本来なら、県都新潟市の大きな発展を期し、将来ビジョンを掲げて戦うべき選挙ですが、市民に聞いても、4人が何を訴えているのかよくわからない、誰に投票していいのかわからないとの声がほとんどという感がします。大きな争点が中央区のバス路線の話というのも大変寂しい限りです。 県全体を考えるべく論争を期待したいのですが、知事は新潟市長選において各候補がどのような視点で論争を行うことが必要であると考えているのか、また、県と新潟市の関係についてどうあるべきと考えているのか、所見を伺います。 次に、知事は、知事選以来一貫して、原発のあり方については県民の不安を率直に受けとめるとして各方面に伝えてきました。そして、再稼働に対しては、職を賭して県民の意思を確認すると発言してきていました。その方法として、任期途中でも県民の意思確認のために知事を辞任して信を問うかのような発言もしておりました。 しかし、知事選は県政の多岐にわたる課題を問うものであり、原発だけを問う知事選になれば、他の主要課題が隠れてしまうおそれがあります。前回知事選は、原発ワンイシューの選挙になりました。その結果はどうだったのか。前知事の相次ぐ本会議発言取り消しなど無責任な議会答弁、相手構わず論争を仕掛ける、さらには自身の管理もできないなど、県政を前代未聞の混乱に陥れる結果になりました。 外国の例でも、イギリスのEU離脱、ヨーロッパの移民政策等々、ワンイシューの選挙で国の方向性を誤ったのではないかという例が近年多く見受けられます。 私は、本来、知事は任期いっぱい県政に邁進し、その間に原発の検証、人口減対策等のさまざまな重要課題の解決に向けた政策を進め、知事選において総合的に県政の行方を問うことが大事であると考えます。原発の再稼働に関してのみ県民の意思を確認する手法として知事選を行うというのは、適当ではないのではないかと考えます。昨日の上杉議員もこの点を指摘しておりましたが、多くの人が、もう原発に振り回されず、新潟県のあるべき姿を正々堂々と議論してほしいと望んでいるのであります。知事の見解を伺います。 次に、台風21号、北海道胆振東部地震では大規模な停電が発生しました。本県でも2005年12月大停電が起き、大きな混乱が起きました。改めて、電気が社会のライフラインとして大きな役割を果たしていることを認識させられました。東日本大震災の後、たかが電気と言っていた有名ミュージシャンもおりました。しかし、今回の長引く停電で、人工透析患者などの命にかかわる事態、農業、畜産等々、こんなところにもという実態に驚くとともに、現在の電気の供給構成が実に脆弱な状況にあると改めて知りました。 北海道胆振東部地震では、電源の一極集中が大きな原因とも指摘されています。電源立地県でもある本県として、原発も含めた電源の多様化など、災害時における電気の供給、ライフラインの確保が問われている今回の事態をどのように捉えているのか、知事の見解を伺います。 知事は、就任以来、柏崎刈羽原発については県民の抱いている不安感を率直に代弁し、国を初めとして意見を述べてきたと認識をしています。8月2日、東京電力ホールディングス株式会社の小早川社長が知事を訪問、9月6日には柏崎刈羽原発を視察しました。これらを通して東京電力本社並びに発電所の安全に関する姿勢、取り組みについてどのように受けとめたのか伺います。 柏崎刈羽原発については、柏崎市、刈羽村とも十分な意思の疎通を図ることも重要であります。桜井柏崎市長からは、原発事故に関する3つの検証のスピードアップを求められたと聞きますが、他に立地地域からどのような意見があったのか伺うとともに、それらの意見に対してどう対応していくのか、知事の見解を伺います。 次に、原子力規制委員会は、昨年度柏崎刈羽原発で行われた原発事故を想定した訓練で、東京電力本社と原子力規制委員会との情報共有について、最低評価のCだったと発表しました。これまで安全対策には最も意を注いで対応してきたと思っていましたが、この評価については私も危惧の念を持っております。 事故発生時においては関係機関との情報共有が極めて重要なことでありますが、県はこの評価をどのように受けとめているのか伺います。 次に、近年の異常気象、災害はこれまでと全く違う様相を呈していました。特にことしに入ってからは、大雪、低温、大雨、台風、地震、想定外、100年に1度などの言葉がありふれた言葉となるような異常な事態が続いております。さらに、社会の高度化、高齢化、都市化の進展、生活・経済の広域化などが逆に思わぬ被害を招くなど、従来の防災計画では対応できない、まさに想定外の社会になっているという事実を突きつけています。 知事も、防災・減災対策について、新たなステージに入ったと述べていますが、新たなステージとして、具体的にどのようなことを考えているのか伺います。 また、県民にその具体的な内容を示し、今後、地域防災計画の抜本的な見直しなどを図る必要があると考えますが、知事の見解を伺います。 次に、県政の諸課題について質問します。 高齢化社会の進展は、今後、医療、介護、年金、地域社会の維持など、国の根幹にかかわる最も大きな問題と考えます。そのような中で、地味ではあるが、県民の健康寿命をどのようにして延ばしていくのかが重要な課題であり、県としても生活習慣の改善などに向けたさまざまな取り組みをしていることは承知をしていますが、多くの人にその重要性が十分に認識されているとは言えない状況にあると思います。 全国知事会の健康立国宣言を受け、本県においても健康立県の実現を目指すとしています。平均寿命と健康寿命の差という点では、本県は男女ともに健康寿命が延びていることは評価をしたいと思います。しかし、人生最後が老いに苦しむでは寂しい限りです。 平均寿命と健康寿命の格差を少なくするために、より効果的な取り組みが必要と考えますが、知事の所見を伺います。 次に、災害時の緊急の対応として空港の果たす役割は大きいものと考えます。台風21号において関西国際空港が、そして直後の北海道では地震により新千歳空港が甚大な被害を受け、各方面に大きな影響を与えました。 新潟空港も埋立地、低地に立地し、自然災害には脆弱な状況と認識をしています。新潟地震の際にも、新潟空港は液状化で大きな被害が出ました。さらに、積雪による冬期の閉鎖もあり、これらが相まって空港利用が伸びない一因ともなっていると認識をしています。 一方、中越地震のときには、陸路が長期にわたってほとんどストップする中、新潟空港が首都圏との唯一の交通手段として機能を果たしました。今後、新潟空港を災害に強い空港としていかなければならないと考えますが、知事の所見を伺うとともに、県としてどのように取り組んでいくのか伺います。 次に質問する鳥屋野潟南部問題について、私はこれまで何回も質問してきましたが、それは、鳥屋野潟南部の新潟県スポーツ公園はデンカビッグスワンスタジアム、ハードオフエコスタジアムを中核として、これまでFIFAワールドカップ、国体、プロ野球公式試合など多くのスポーツイベントを行って、全国でも有数のスポーツ拠点として活用されています。それは、交通等国内有数の恵まれた条件のもとに立地しているからと認識をしています。そして、そのことが交流人口、人材育成、地域の活性化に大きく役立っているものと確信しています。 しかし、近年、地元サッカーチームの不振から集客が大幅に落ち込み、また、プロ野球公式戦も開催試合数が伸び悩んでおり、寂しい思いをしています。 プロ・アマ通して、より多くの県民、そして全国のスポーツ愛好者から注目されるようなビッグイベントを開催し、誘客の拡大を果たすよう期待をしますが、知事の所見を伺うとともに、今後の取り組みについて伺います。 スポーツ公園においてはコンサート、各種イベントが多く開かれ、県内外から多くの人が訪れています。しかし、同公園には全天候型施設がなく、季節や天候にかかわらず、安心して通年で各種イベントが開催できるアリーナ等の整備を望む声が強く、またハードオフエコスタジアムもサブグラウンドを併設してほしいとの声があります。 鳥屋野潟南部地区総合スポーツゾーンにおいてスポーツ施設整備を求める声が強いと認識をしていますが、こうしたニーズを踏まえ、鳥屋野潟南部エリアの開発について、新潟市、民間とも協調して、どう進めていくべきか具体的に検討すべきと考えますが、知事の見解を伺います。 次に、県民の安心・安全について質問します。 本年に入ってから、全国を驚愕させた新潟市西区、十日町市における凶悪事件や、五頭連山における遭難事案の発生、また、交通死亡事故の増加など、県民の治安に対する危機感は高まっています。 さらに、富山市、仙台市における交番襲撃等々、平和な地方の住宅地においても、住民を恐怖に陥れる凶悪事件が発生しています。 交通死亡事故も、道路整備が進むことによって、逆にスピード違反が多くなり、そのことが死亡事故の増加につながっているのではないか。悲惨な事故が目につくようになっております。 県警本部長も新潟に赴任以来、これら深刻な事態に直面し、指揮をとっていると思いますが、現状に対する警察本部長の認識を伺います。 また、治安を維持していくためには、これまで以上に民間団体等と連携した取り組みも重要であると考えますが、今後どのように取り組んでいくのか伺います。 次に、本年に入ってから新潟県内の特殊詐欺発生状況は、前年と比べ減少していると聞いております。しかし、平成29年は前年と比べ増加しており、決して減少傾向とは言えないものと思っております。 私の周囲にも、俺は大丈夫と自信を持っている人のところに不審な電話がかかってくるなど、依然として危ない状況は変わっていないのではないかと認識をしています。 特殊詐欺の被害件数と被害額の状況について伺うとともに、特殊詐欺については、注意喚起を図っても、新しい手口による詐欺が発生するような状況にあると思いますが、最近の新しい手口としてはどのようなものがあるのか伺います。 特殊詐欺防止のため、どのような対策を実施しているのか。地域の老人会、自治会等ではわかりやすく注意喚起をしていますが、そこに参加する人は少数であります。被害防止のため、特に外部組織や民間団体等と連携することが大事ですが、どのような対策を実施しているのか伺います。 次に、来年のG20サミットや天皇陛下の代がわり行事、再来年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、テロ対策が重要になってくると思います。日本を取り巻く状況、世界の状況を見ても、過激なテロ行為はますます巧妙かつ悪質化しているのではないかと懸念します。また、一見普通の市民と思われる人からの凶悪事件も多発しております。 県警も総合警備対策室を設置したとのことですが、テロを起こさせないために、どのような警備対策を行っていくのか、警察本部長に伺います。 近年、訪日外国人が増加しており、G20サミットやオリンピックの影響でさらに増加することが想定されます。交番は世界に誇る存在で、多くの外国人にも頼りにされている存在であります。そのような状況で交番を訪れたり、110番通報してくる日本語を話せない外国人に対応することが望まれますが、県警としてどのような取り組みを行っているのか伺います。 次に、教育問題について質問します。 県立高校1年生の自殺案件について調査報告書が出されました。本県において生徒の自殺、いじめが後を絶たないことは、極めて遺憾であります。報告書で指摘されたことは、これまでも指摘されたことであります。また、提言で述べられていることは、いずれも重要なことと認識をします。 しかし、学校現場では日常業務が煩多であり、ともすれば見過ごしてしまいかねない。また、いじめの兆候があったとしても、報告書にも記載されていることを学校、教師に任せることは現実に難しいことが予想されます。また、報告書にはSNSへの対応が記載されていますが、ますます進化する情報化社会の対応は、教師、保護者双方に直接的な対応を望むことは、これも難しいことであり、学校現場、生徒、保護者から常時相談できるシステム、アンテナを整備することが大事であると考えます。 二度とこのような悲しい事態を再発させないため、今後の対応については、県教育委員会がいじめ根絶に重大な決意を持って臨むことが重要でありますが、教育長の見解、今後の取り組みについて伺います。 次に、新潟県部活動の在り方に係る方針が5月に策定されました。学校における部活動については、いわゆる強豪校、トップアスリートを目指す選手から趣味の範囲として行う生徒までと、その目的が幅広く、一律に線を引けない難しさもあると認識をしています。しかし、スポーツは生涯豊かな人生を歩むため行うのが基本であり、成長期の子供にとって行き過ぎは避けなければなりません。 県内中学、高校における部活のあり方について、どのように見直しを進めているのか伺います。 一方において、東京オリンピック・パラリンピックを前に競技力向上、選手育成の強化が国を挙げて行われており、特に10代の選手育成が進められています。しかし、ここに来て選手に対する度の過ぎた指導、いわゆるパワハラが各競技団体の中で問題になっています。スポーツ界における暴力行為は依然後を絶たない状況です。 また、美談でくるまれた根性主義がマスコミ等でもてはやされる傾向も変わりありません。甲子園を目指す球児の話題が夏になると大きな注目を集めますが、今回、元大阪市長の橋下徹氏が高校野球のあり方について一石を投じていました。酷暑の中、投げ続けさせることが果たして健全なことなのか。私も、同じ高校生のスポーツとしては異常なことと感じています。 また、甲子園出場のためには巨額の資金が必要なこと、同じ高校でもマイナーな種目で頑張っているもののほとんど注目をされないなど、反面、ゆがんだ姿も見られます。しかし、商業的背景もあるのか、スポーツ界において、マスコミも含めた周囲のかかわりも、旧態依然の体質が横行しているのではないかと懸念をしております。 全米オープンで優勝した大坂なおみ選手とコーチの関係を見ると、日本の体質と大きな隔たりを感じます。 スポーツ界においての行き過ぎた指導は、これまでもたびたび指摘されてきました。どこまでが行き過ぎなのか難しいところではありますが、本県スポーツ界においても、このようなことがあってはならないと考えますが、見解を伺います。 以上で私の質問を終わります。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 志田議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、就任後留意してきたことと本県の状況、目指す方向についてでありますが、知事就任以来、県民の皆様を初め、さまざまな関係者との対話をしっかり行い、県政の課題の一つ一つに着実に取り組んでいくことを心がけ、県民最優先の県政を実現するとの決意で、職務に当たってまいりました。 本県の現状については、この間、市町村長との懇談会を初め、県内各地を訪問し、多くの方々のお話を伺う中で、人口減少への危機感や、それを大きな背景とした地域医療の確保、公共交通の維持、交流人口の拡大の必要性などの課題を抱えていると強く感じるところであります。 今後は、こうした課題の一つ一つに真摯に対応しながら、多くの県民の皆様が、新潟に住んでいることを誇りに思い、これからも住み続けたいと思える新潟県、そして、多くの国内外の方々が新潟に魅力を感じ、訪ねてきていただける新潟県、そうした住んでよし、訪れてよしの新潟県を目指してまいりたいと考えております。 次に、今後の財政状況の見通しについてでありますが、本年2月に改訂した財政運営計画において、今後、毎年度100億円程度の財源対策的基金の取り崩しを見込んだところであります。 その時点と比べて、政府経済成長率見通しの低下により県税収入見込みが減少する見通しであり、また、平成30年度普通交付税等の決定額が当初予算を約43億円下回ったことにより、今後の算定ベースが約40億円程度減少する見通しであります。 一方、歳出面では、高齢化の進展に伴う社会保障関係経費の増加のほか、広い県土に起因するインフラ施設等の更新や、他県に比べ大きな役割を担っている県立病院の負担などの本県特有の事情などによって、より大きな財政負担が求められる状況に変わりはありません。 こうした見通しを考慮しますと、今後、財源対策的基金の残高の減少が一層進み、より厳しい財政状況になるものと認識しております。 次に、長期的な税源涵養の取り組みについてでありますが、議員御指摘のとおり、健全な財政運営を行っていくために、長期的な税源涵養は重要な取り組みであると認識しております。 そのため、元気で活力のある新潟県の実現に向けて、起業・創業や新事業展開など意欲ある企業の挑戦を後押しし、稼げる企業を一社でも多く輩出することなどにより、本県産業全体の付加価値の引き上げと県民所得の向上につなげ、本県経済の活性化を図ってまいりたいと考えております。 厳しい財政状況ではありますが、選択と集中をさらに徹底しつつ、税源涵養につながる施策についても、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 県の不祥事に対する認識と今後の組織改革についてでありますが、御指摘の事案については、不明確な役割分担や責任の所在、不十分な情報共有などが一因であったと受けとめており、いずれにしても、職員一人一人が県民最優先の視点を持って、仕事に取り組むことが重要であると考えております。 県政の信頼回復に向けては、県庁組織と職員が、その能力を最大限発揮するとともに、忌憚なく物が言え、知恵を出し合える風通しのよい県庁組織をつくっていきたいと考えております。 一連の事案を教訓として、責任の明確化や、速やかな報告体制の確立などに努めているところでありますが、職員研修等を通じた意識の徹底や、私自身も直接部局を訪問して意見交換を行うなど、職員との円滑な意思疎通にも努めてまいりたいと思います。 次に、このたびの中国・韓国訪問の成果と今後の関係のあり方についてでありますが、主な成果としては、黒龍江省の張慶偉書記及び王文涛省長にお会いし、友好提携35周年を契機に次の40周年を目標に、分野を決めて共同プロジェクトを推進することを提案し、同意していただきました。 また、大連での観光交流懇談会において、本県観光のプロモーションを行い、本県への来訪を呼びかけました。 さらに、航空会社との意見交換では、ソウル線、ハルビン線とも増便に向けて連携して取り組みを進めていくことで合意をし、ソウル線については、来年2月から3月の間、現在の週3便から週5便への増便が決定したところであります。 今後は、共同プロジェクトの実施や、航空路増便に向けた双方向からの観光客増への取り組みなどにより、より具体的な成果に結びつけていきたいと考えております。 次に、インバウンドの拡大につながる航空路線の新増設に係る今後の取り組み方針についてでありますが、新潟空港の路線ネットワーク戦略2017においては、訪日外国人観光客の増加が見込まれる地域への路線の拡充を目標の一つに掲げ、香港、高雄、東南アジア方面からの新規路線開設に向けて誘致に取り組むこととしております。 また、同戦略においては、国際ハブ空港との接続を強化するため、国内外の主要都市との同日到着を実現するための路線の拡充も目標に掲げ、ソウル線や成田線等の増便や機材の大型化を目指すこととしております。 いずれにいたしましても、インバウンドの動向も注視しながら、トップセールスも含めた積極的なプロモーション活動を行うなど、路線の拡充に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。 次に、新潟市の地価の状況についてでありますが、本年度の地価調査では、新潟市の平均変動率が、平成3年以来27年ぶりに下落から上昇に転じたところでありますが、人口が集中し、交通利便性や集客力が高い新潟市では、近年、住宅や店舗の需要が堅調に推移しており、その結果が地価に反映されたものと認識しております。 地価は、地域の力や経済の状況を反映した数値でありますので、地域の元気が向上するよう、引き続き、市町村と連携しながら、取り組んでまいりたいと考えております。 次に、新潟三越の営業終了についてでありますが、このたびの発表は、新潟市や地元関係者により、古町地区の中心市街地活性化に向けた取り組みが行われている中で行われたものであり、新潟三越というにぎわいの核となる商業施設がなくなることは、大変残念であると受けとめております。 営業終了後は、店舗を売却する方向であると伺っており、今後、古町地区の中心市街地活性化に資する利用となるよう期待しております。 次に、新潟市長選挙の論点及び県と新潟市との関係についてでありますが、篠田市長も今後の課題として挙げられている、市の拠点性の向上や中心市街地の活性化に向けた政策については、市民の関心事の一つになるのではないかと考えておりますが、知事の立場から、市長選における論点を表明することは適切ではないと思いますので、控えさせていただきます。 また、県と新潟市との関係につきましては、新潟市に限らず、市町村と県は車の両輪として、住民福祉の向上を図るため、ともに力を合わせて取り組むべきであることに加え、新潟市は、県内人口の約3分の1以上を占める県内唯一の政令指定都市であることから、本県全体の発展に向けて、しっかりと連携・協力できる関係を築いていくことが重要であると考えております。 次に、原発再稼働に関する民意の確認方法についてでありますが、議会での議論や住民の直接投票など、さまざまな手法が考えられます。 その手法について、再稼働に関する議論も始まっていない現段階で決めているわけではありませんが、私は信を問う方法が責任のとり方として最も明確であり、重い方法であると考えています。 次に、災害時における電源の確保についてでありますが、停電による国民生活への甚大な影響を生じさせないために、広域での大規模停電を起こさない対策は重要であると認識しておりますが、その対策は複数の電力会社にまたがり調整が必要となる国全体にかかわる問題であると認識しております。 県といたしましては、国に対し、電力系統強化を促進する措置を講ずること、及び災害時の安定供給確保の観点から、日本海側の送電設備も充実させることを引き続き要望してまいります。 なお、本県を含む東北電力エリアにおいて大規模な発電所が緊急停止した場合、東北電力では、管内の他の発電所でバックアップする運用を行うとともに、他の電力会社からの電力融通により需給バランスを保つ運用を行うこととしております。 次に、東京電力の安全に関する姿勢と取り組みについてでありますが、東京電力の小早川社長の訪問を受けた際、社長みずからが先頭に立ち体制を強化して改善に努め、柏崎刈羽原子力発電所については安全最優先で取り組むとの発言がありました。私としては、そのことを言葉だけではなく、行動と実績の中で示してほしいと考えております。 柏崎刈羽原子力発電所の視察では、東京電力から、福島第一原発事故の教訓を踏まえ、さまざまな安全対策を講じているという説明がありましたが、この点については県の技術委員会で、評価を行っていただきたいと考えております。 次に、原発立地地域からの意見についてでありますが、3つの検証については、柏崎市長から検証の意義の確認や、委員会の開催頻度をふやしてもらいたいとの要望がありました。このほか、意見ではありませんが、柏崎市長、刈羽村長から、地元の経済の状況などについてのお話も伺ったところであります。 いただいた御意見を踏まえ、各検証委員会において、検証の状況に応じて、精力的な議論をお願いしたいと考えております。 次に、柏崎刈羽原発の事故対応訓練における評価についてでありますが、原子力規制委員会から最低の評価を受けたことは、東京電力に対する県民の信頼が失われるという意味で非常に残念に思います。 なお、東京電力には、安全最優先で進めていくことを行動と実績の中で示してもらいたいと思っており、東京電力の小早川社長が8月に挨拶に来られた際に、その旨お伝えいたしました。 次に、防災・減災対策についてでありますが、ハード面では、近年の激甚化・頻発化する豪雨等を踏まえ、事前対応型の新たな治水事業の創設や、予算の拡充などについて国等に要望していくとともに、効果的な治水対策や土砂災害対策の推進に取り組みたいと考えております。 あわせて、ソフト面では、情報伝達のあり方について、市町村と連携しながら、住民目線に立った見直しを行い、県内全体の防災力の底上げを図ってまいりたいと考えております。 なお、地域防災計画については、平成30年7月豪雨や北海道胆振東部地震に対する国や被災自治体の検証などを踏まえ、見直しを行ってまいります。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 まず、健康寿命延伸に向けた取り組みについてでありますが、本県の健康寿命の全国順位は、男性10位、女性11位と上位にあるものの、平均寿命と健康寿命には、依然として約10年の差があります。 今後もさらに健康寿命を延伸していくためには、生活習慣病のリスクが高まる一方、運動などの健康づくりの時間がとれない働く世代に対して、健康づくりへの意識を高めてもらうことが課題であると認識しております。 このため、県といたしましては、企業や保険者などと連携しながら、働く世代に焦点を当てた取り組みを展開することにより、健康寿命をさらに延伸させていきたいと考えております。 次に、新潟空港の防災力強化についてでありますが、新潟空港は、本州日本海側で随一の路線数を誇り、県内外のビジネスや観光の拠点としての役割を果たすとともに、大規模災害発生時には、緊急物資の輸送拠点としての機能を有することから、議員御指摘のとおり、より災害に強い空港にしていくことは、非常に重要であると考えております。 現在、空港を管理する国において、滑走路の耐震対策事業が行われているほか、積雪対策等による冬期の就航率改善に向けた検討が進められており、間もなく具体的な改善策が取りまとめられる予定であります。 県といたしましても、こうした国の取り組みを関係機関や県民に積極的に周知するとともに、国の防災対策が着実に行われるよう必要な予算措置に関する要望を行うなど、災害に強い空港づくりを目指し、協力してまいりたいと考えております。 次に、スポーツイベントによる誘客拡大についてでありますが、議員御指摘のとおり、大規模スポーツイベントの開催は、交流人口の拡大につながるものと考えております。 このため、これまで競技団体などに対し、スポーツイベント誘致の働きかけを行ってきたところであり、この10月12日にデンカビッグスワンスタジアムで開催されるサッカー日本代表戦も、このような活動の成果と考えております。 県といたしましては、私みずから競技団体等に対し、大規模スポーツイベント誘致の働きかけを行うとともに、観光振興や地域振興にもつながるよう取り組むことで、さらなる交流人口の拡大に努めてまいりたいと考えております。 次に、鳥屋野潟南部地区の開発の進め方についてでありますが、これまでも、県、新潟市及び亀田郷土地改良区の3者で計画的な開発の誘導に努めてきたところであり、それぞれの役割分担のもと、県では、新潟県スポーツ公園を整備し、憩いとにぎわいのある空間づくりを進めてまいりました。 県といたしましては、新潟市のスポーツ施設の移転に関する方針も含め、まちづくりの主体である新潟市の意向を踏まえた上で、開発に伴う効果や課題を整理しながら、3者でしっかりと議論してまいります。 次に、教育問題についてお答えします。 スポーツ界のパワハラ問題についてでありますが、競技団体におけるパワハラ問題が、連日のように報道されていることは、大変残念に思っております。 スポーツは、心身の健全な発達、健康及び体力の保持・増進を目的とし、競技力の競争を通じて、見る人に夢と感動を与え、さらには、健康寿命の延伸など幅広く社会に貢献する価値の高い活動であると認識しております。 議員御指摘のとおり、勝利至上主義、行き過ぎた上意下達、科学的合理性の軽視などが要因であるパワハラは、スポーツの価値を否定するものであり、決して許されるものではないと考えております。   〔教育長池田幸博君登壇〕 ◎教育長(池田幸博君) 2点お答えいたします。 いじめ問題に係る見解と今後の取り組みについてですが、議員御指摘のとおり、今月、県教育委員会に提出された調査報告書での校長等のマネジメントに基づいた組織的な対応や、保護者との情報共有と連携、被害者保護に重点化した支援などにつきましては、これまでも指摘されてきたことであり、非常に重く受けとめております。 また、ことしに入って、いじめの重大事案や自殺事案が発生しており、こうした状況については緊急事態として危機意識を持って対応しなければならないと考えております。 県教育委員会といたしましては、臨時校長会を開催し、いじめ防止対策推進法の趣旨や県などのいじめ防止基本方針に基づいて、学校のいじめ対応や対策組織が適切かつ十分に機能しているかについて総点検するとともに、県教育委員会でも全校訪問による指導点検を予定しているところです。 点検結果などを踏まえ、全県立学校のいじめ対策を早急に見直し、改善を図り、あわせてこれまでの県のいじめ対策について、再構築を図ってまいりたいと考えております。 次に、部活動のあり方の見直しについてですが、運動部活動は、スポーツに興味と関心を持つ生徒が集まり、ともに勝利を目指し、より高い水準の技能や記録に挑戦したり、スポーツの楽しさや喜びを知り、そして豊かな人間関係を構築し、自己肯定感を高めることができるよう、教育活動の一環として行われているものであります。 また、議員御指摘のとおり、適正・適切な休養を伴わない行き過ぎた活動により、生徒にさまざまな無理や弊害を生むことがないよう指導が求められています。 県教育委員会といたしましては、部活動の在り方に係る方針を策定し、休養日や活動時間の基準を示すとともに、効果的な指導を進めるための部活動指導員の配置などを行ったところです。 今後、部活動の在り方に係る方針に沿った効果的な部活動の推進が図られるよう、競技団体等に対して大会数の見直しの働きかけや、年間部活動計画のモデルパターンの作成などを通じて、各学校における見直しを進めてまいります。   〔警察本部長花岡和道君登壇〕 ◎警察本部長(花岡和道君) お答えいたします。 まず、県民の治安に対する危機感の現状認識と今後の取り組み方針についてですが、本県における治安情勢は、刑法犯認知件数が減少傾向にある中、議員御指摘のとおり、新潟市西区や十日町市で相次いで凶悪事件が発生するなど、県民の治安に対する不安感が高まっている現状にあると考えております。 県民が安心して暮らせる安全な地域社会を実現するには、関係機関・団体等と連携した取り組みが極めて重要であり、各自治体や地域の防犯ボランティアのほか、企業CSR活動などとも一層緊密に連携し、今後とも地域の犯罪抑止力の向上に努めてまいりたいと考えております。 次に、特殊詐欺の被害件数と被害額についてですが、平成30年8月末現在で、認知件数は88件で前年比マイナス49件、被害額は約2億4,000万円で前年比マイナス2億1,100万円となっております。 次に、最近の新たな手口についてですが、訴訟最終告知等として、はがきやメール等を使用した架空請求詐欺が前兆事案を含め県内全域で確認されておりますが、最近では、封書を使用して真実味を出しているものが確認されております。 また、警察官や市役所職員等をかたり、キャッシュカードを新しくつくりかえる等の口実で、キャッシュカードを封筒に入れさせ、すきを見て別のカードが入った封筒とすりかえる特殊詐欺類似窃盗が、ことし1月から発生しております。 次に、特殊詐欺抑止のため、どのような対策を実施しているのかについてですが、平成27年に金融機関を初め、県や報道機関、福祉・防犯団体等から成る新潟県特殊詐欺撲滅対策推進協議会を設立し、県民総ぐるみの特殊詐欺抑止対策を実施しているところであります。 また、ことしに入ってからは、新潟市仏教会、生命保険協会新潟県協会、新潟浴場組合等への要請や協定締結を行って被害防止広報を実施しているほか、パナソニック新潟支社等と連携して、防犯機能つき電話機の普及促進を図るなどの対策を実施しているところであります。 県警察といたしましては、引き続き、これらの外部組織や民間団体等と連携した対策に取り組んでまいります。 次に、今後の大規模行事を見据えたテロ対策についてでありますが、県警察では、国際会議や皇室関連行事等に向けて総合警備対策室を設置したほか、新たな枠組みとして、民間事業者等から成るテロ対策パートナーシップ新潟を立ち上げたところであります。 これにより、民間事業者等と緊密な連携を図りながら、重要インフラ事業者と協働したサイバーテロ対策及び爆発物の原料となり得る化学物質等への対策など、官民一体のテロ対策を加速させるほか、テロリスト等の侵入を防ぐ水際対策及び重要施設の警戒警備等をさらに徹底してまいります。 県警察では、引き続き、各種行事の安全で円滑な開催と、県民の安心・安全の確保に向けて、テロ対策に万全を期してまいる所存であります。 次に、交番を訪れたり、110番通報をしてきた外国人に対応するための取り組みについてですが、警察官の語学能力の向上に努めているほか、県内の交番、駐在所には、事件・事故等で想定される会話を外国語で表記したイラスト入りの対応ボード等を備えつけ、指さしにより来訪用件を把握して、必要により、電話通訳ができるよう体制を整えております。 また、日本語を話せない外国人からの110番通報があった場合には、通信指令システムの3者通話機能を活用し、外国人、通信指令課職員、部内通訳官等が3者で通話する方法により対応しております。 ○議長(沢野修君) 志田邦男君の質問は終わりました。 次に、渋谷明治君の発言を許します。渋谷明治君。   〔渋谷明治君登壇〕(拍手) ◆渋谷明治君 最後の質問者になりました。日本共産党の渋谷明治でございます。日本共産党の立場から、知事並びに関係部局長に対する一般質問を行います。 まず、知事の政治姿勢についてであります。 安倍首相は自民党総裁選で、秋の臨時国会に自民党の改憲案を提出する、当選後の3年間で改憲にチャレンジするなどと、改憲を表明いたしました。石破氏でさえ期限を切った改憲に難色を示し、産経新聞の世論調査でも、改憲案を臨時国会に提出することに賛成は38.8%、反対は51.1%となっています。 安倍政権は最近も、エジプトとイスラエルの国境地帯で平和維持活動を行うシナイ半島多国籍軍・監視団に陸自の派兵を検討し、中国が近隣諸国との領有権を争う南シナ海では海上自衛隊の潜水艦が訓練を行っています。 今、朝鮮半島で緊張緩和の流れが生まれているもとで、これに逆行する動きは問題です。 その上、自衛隊を明記する改憲が強行されれば、戦力不保持、交戦権の否認を定めた憲法第9条第2項は空文化し、海外での無制限な武力行使に道が開かれるでしょう。 憲法第99条は、国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負うと明確に定めています。 安倍首相の改憲発言は、この憲法第99条を踏みにじるものであり、到底容認できないと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、消費税問題について伺います。 安倍首相は、来年10月の消費税10%への増税について、予定どおり引き上げたい、必ずやり遂げなければならないなどと発言しています。 振り返れば、4年前の消費税8%への引き上げは家計を直撃し、内需を冷え込ませ、日本経済に大きな打撃を与えました。その後も実質賃金は目減りし続け、個人消費は回復しないまま、いまだに県経済への悪影響が尾を引いています。 仮に来年10月、安倍内閣が消費税10%への増税を強行すれば、日本経済への打撃は一層深刻になることは火を見るよりも明らかです。 消費税率10%への引き上げは断念すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、生活保護基準の引き下げについて伺います。 安倍政権は、この10月から生活保護基準の引き下げを強行する計画を発表しました。食費や光熱費などに充てる生活扶助が対象で、削減総額は210億円、利用世帯の7割近くで減額されます。子供のいる夫婦や高齢単身者などに加え、ひとり親世帯への母子加算の削減なども行われるため、子供の貧困対策にも逆行する内容です。 安倍政権はこれまでも、2013年8月から過去最大の総額890億円にも上る生活扶助引き下げを強行し、住宅扶助、冬季加算などの引き下げを繰り返してきました。 大企業と巨額投資家だけが潤ったアベノミクスで格差と貧困を一層広げておいて、一般低所得者との均衡を図るとして生活保護基準を削減するなどは、許すわけにはいきません。 今こそ憲法第25条、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有するとの立場に立って、年金や最低賃金、就学援助などの諸制度にも影響しかねない生活保護基準の引き下げは中止すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、中央省庁などの障害者雇用水増し問題について伺います。 障害者雇用水増し問題は、中央省庁だけでなく、全国の自治体にも広がりました。 2013年、障害者差別解消法が制定され、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることのない社会の実現をうたいました。 今回の雇用水増し問題を受け、日本障害者協議会は、徹底した実態解明と障害者の労働政策の抜本的改革を求める声明を発表し、次のように指摘しています。 できることなら障害者を新規に雇い入れたくないとする本音が政府全体にかいま見られ、これを障害者差別と言わずして何と言うのだろう。 政府がみずから障害者の働く機会を奪うものであり、強い怒りを禁じ得ません。 本県の知事部局において水増しはなかったとのことですが、この問題についての知事の所見を伺います。 また、教育委員会では水増しはなかったものの、今年度から引き上げられた法定雇用率を満たしていない現状を踏まえ、今後どのような対策を講じるおつもりか、教育長に伺いたいと思います。 次に、公契約条例について質問します。 公共事業の現場で元請から下請、孫請と各段階で経費が引かれ、現場の労働者は低賃金で働かされている事例、公立保育園が指定管理者に委託される中、保育士の処遇が後退する事例などが全国的に広がり、公共サービスの質の確保と生活できる賃金を求めて、公契約条例を求める動きが生まれています。 全国建設労働組合総連合の調査によれば、最低報酬額を明記した公契約条例を制定しているのは千葉県の野田市、川崎市、多摩市など15自治体、賃金条項のない理念型が長野県や奈良県、岩手県など10自治体、その他要綱で実施している自治体も少なくないとされます。 我が党は従来から、県や市町村が行う公共事業や指定管理制度による委託契約など、公契約の現場で働く労働者が適正な賃金を保障される必要があると主張してまいりました。 本県においても官製ワーキングプアや労働ダンピングをなくし、適正な最低労務単価を保障することなどを目的に、ぜひとも公契約条例の制定を本格的に検討すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。知事の所見を伺います。 次に、柏崎刈羽原発についてお伺いいたします。 まず、今月10日に開催された避難委員会において、原子力規制委員会からCランクと評価された柏崎刈羽原子力発電所の防災訓練における情報伝達体制についてであります。 厳しい評価を受けたとされていますが、原子力規制庁から何が問題だと指摘され、東京電力からはどのように改善すると説明があったのか、県民にわかりやすく説明していただきたい。 また、避難委員会の場で、東京電力の説明に対してどのような指摘があったのでしょうか、お伺いいたします。 次に、原発事故発生時の放射線モニタリング体制についてお伺いいたします。 現在、県内に固定した53局のモニタリングポストが設置され、環境放射線が24時間監視されています。データは、テレメーターシステムによってネット上で見ることができます。 しかし、30キロメートル圏、UPZの範囲には密度を持ってモニタリングポストが配置されているものの、UPZ外には市町村ごとに1カ所程度しか存在しません。 福島第一原発事故の際には100キロメートルから150キロメートルにもわたって放射性プルームが拡散し、原発の北西方向には帯状の高濃度汚染地域が広がって、今でも帰還困難区域とされています。 こうした状況を踏まえれば、UPZ外であってもモニタリングポストを思い切って増設し、事故の際にも放射線監視ができるよう、県内くまなく設置すべきではないかと考えますが、現在どのような対策がとられているのでしょうか、伺います。 知事は、避難委員会の挨拶で、避難計画を早急に取りまとめ、避難訓練を行うと述べたことが報道されています。 UPZ内の市町では既に避難計画を策定しているようですが、県がみずから避難計画を策定し、それなりの規模で避難訓練を行うのは簡単ではありません。 知事は、避難計画をいつごろまで取りまとめ、それに基づく避難訓練はどのような規模で、いつごろ実施するおつもりなのか伺います。 次に、技術委員会の課題別ディスカッションに関連して質問いたします。 9月12日に開催された技術委員会の課題別ディスカッションにおいて、ある委員から、福島第一原発の1号機は地震の揺れで非常用電源が喪失したとする仮説が示されたことが報道されました。これが事実なら重大です。 この仮説に対する知事の所見をお伺いいたします。 次に、東京電力の体質について質問いたします。 拉致被害者の蓮池薫さんのお兄さんで、元東京電力社員であった蓮池透さんが、最近、みずからの体験も踏まえた著書「告発」を出版されました。 この著書では、蓮池さんが技術者として真摯に告発しています。今もって東京電力の隠蔽と癒着の体質は改善されていないとする蓮池氏の指摘を若干紹介します。 なぜ隠蔽が繰り返されるのか。その理由は、まず公表して世間の悪評を買うことを嫌うことがある。そして、公表しようとすると膨大な手間と時間がかかる。社内的な上層部への説明と承認、その後の国を初めとして自治体、マスコミへの説明や原因の調査、再発防止策などの報告が待ち受ける。これにより、原発の長期間停止を余儀なくされ、稼働率の低下による業務悪化につながる。 組織ぐるみで行われるだけに始末が悪い。これは東京電力に限ったことではなく、他の電力会社にも共通することである。特に原子力部門が際立っている。かく言う私も、隠蔽や改ざんに関与したことは一切ないと言えばうそになる。 蓮池さんのこのような指摘について、知事の所感を伺いたいと思います。 次に、大型電源依存からの脱却についてであります。 9月6日午前3時過ぎに発生した北海道胆振東部地震により、死者41名、全壊家屋156棟など、多大な被害が広がりました。亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げます。 この地震により、北海道電力苫東厚真火力発電所が緊急停止し、北海道全域の電力供給バランスが崩れたことから、一時は北海道全域で停電するいわゆるブラックアウトが発生しました。 このブラックアウトは、北海道電力が、石炭火力による165万キロワットもの出力を持つ苫東厚真火力発電所に大きく依存してきた政策の破綻を示すものと言わざるを得ません。 1つの地域に大型電源を集中させることは、ブラックアウトの危険と隣り合わせだという認識を持たなければなりません。 まさに、世界一の集中立地である柏崎刈羽原発こそ、大型電源依存の典型です。 ブラックアウトに加えて地震・津波で過酷事故に直結する危険性のある原発の再稼働はきっぱりとやめて、地域分散型で、再生可能なエネルギーへの転換こそ、推進すべきではありませんか。知事の所見を伺います。 次に、教育問題について伺います。 第三者委員会の調査報告書が発表されました。将来ある若い命を失ったことはまことに残念であり、心から御冥福をお祈り申し上げます。 この報告書によると、当該生徒が担任などに3回も相談したのに、学校側の組織的対応はとられず、孤立感を救ってほしいという担任教諭及び本学校への期待が結果として裏切られる形となり、絶望感が強まったことが自殺の決意、決行に最も影響を与えたと考えられると報告されています。 しかも、お父さんなど保護者への連絡も行われませんでした。 その上、本委員会の調査では、本学校が指導した対象者以外にも、いじめ行為に積極的に関与した可能性の高い生徒の存在が明らかになったと記述されており、学校の対応には二重三重の問題があったことが指摘されています。 こうした学校の対応は二度と繰り返してはならないと考えますが、知事及び教育長の所感を伺いたいと思います。 次に、通学路の危険なブロック塀対策について伺います。 6月18日の大阪北部地震によるブロック塀倒壊で登校途中の小学生が下敷きになった痛ましい事故を契機に、危険なブロック塀の全国調査が実施されたようですが、本県における小中学校、高校、幼稚園などの危険なブロック塀はどのような現状になっているのでしょうか。 また、大阪北部地震から3カ月を経過して、その後の安全対策はどのようにとられているのか、あわせて伺います。 倒壊のおそれのある危険なブロック塀は、学校の敷地だけでなく、通学路に面した民間事業所や個人宅にも存在しています。これらを撤去、改修することは、子供たちの命を守るだけでなく、防災・減災のためにも緊急かつ重要な課題だと思います。 この際、民間事業所や個人宅のブロック塀の撤去、改修を進めるための支援策を講じる必要があるのではありませんか。知事の所見を伺います。 次に、教室へのクーラー設置について伺います。 今夏の猛暑は、気象庁でさえ、災害と認識していると発表しました。 異常な高温は、地球温暖化のもとで決して一過性ではなく、児童生徒の命を守るためにも、また、健全な教育環境を確保するためにも、公立学校の全ての教室と体育館などにクーラーを設置することは不可欠です。 本県の教室へのクーラー設置率は全国よりもおくれているだけに、こうした現状を打開し、早急な整備が図られるよう強く要望するものですが、今後どのように取り組まれるのか、教育長の所見を伺いたいと思います。 次に、学校給食費の負担軽減についてお伺いいたします。 憲法第26条は、義務教育は、これを無償とするとし、学校給食法では食育の推進をうたっています。学校給食は、児童生徒の健康増進と健全な食生活の養成という教育の役割に加え、食のセーフティーネットの役割を果たしています。 本県の小中学校の給食費は、月4,000円から6,000円ほどとなっており、年間では5万円から7万円にも上ります。 格差と貧困が広がるもとで、給食費が払えず肩身の狭い思いをしたり、生活費を切り詰めて給食費を捻出するなど、少なくない保護者負担となっています。 文部科学省の調査によれば、既に全国で82自治体が学校給食を無償化しています。我が党の調査では、全額補助と一部補助の自治体を合わせると、全国1,741自治体のうち、少なくとも417、約4分の1の市町村で給食費補助を行っていることがわかりました。 県としても市町村と連携して給食費の負担軽減を図っていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。教育長の所見を伺います。 次に、給付型奨学金の拡充について伺います。 新潟日報紙が8月末、「県政再建処方箋を聞く」という連載記事を掲載しましたが、その9回目に県立大学の小沢薫准教授が以下のように述べています。 大学進学は大きな家計負担。貸与型奨学金もあるが、返済に対する学生や保護者の不安は大きい。困窮が世代を超えて連鎖しないためにも給付型は必要だ。県給付型奨学金は、そもそも成績要件などが厳しいため、対象に当てはまる生徒が少ない。要件緩和に加え、短大や専門学校などに対象を広げたり、金額をふやしたりすることも検討が必要だ。 この指摘は重要です。 多くの調査でも、家計の経済状況による教育格差は明らかであり、若者が等しく教育を受けられるようにするためにも、給付型奨学金の成績基準や収入基準などの要件緩和、短大や専門学校などへの対象拡大、給付金額増などの見直しを図るべきではないかと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、医療問題について質問いたします。 財務省は、9月7日、国の来年度予算の概算要求の一般会計総額が過去最高の102兆7,658億円になったことを発表しました。これとは別枠で、消費税増税に備えた景気対策を打ち出すこととされ、実際の予算額はさらに膨らむ見込みだとされます。 中身を見ると、安倍政権のもとで続く防衛費の大幅な増額と社会保障費の自然増分の圧縮、バターよりも大砲という特徴がいよいよ明白になっています。 陸上配備型の迎撃ミサイルシステム、イージス・アショアを2基、2,000億円以上もかけて導入するなど、朝鮮半島の平和の流れに逆行する防衛費の突出を、抜本的に改めてこそ、社会保障の充実が図られるものと考えますが、この概算要求についての知事の認識を伺いたいと思います。 次に、中条第二病院についてお尋ねいたします。 精神科入院病棟180床を持つ中条第二病院は、医師不足と経営難を理由に、入院患者の皆さんや十日町市議会、津南町議会などに突然、来年3月末に病棟閉鎖する方針と、転院を進めるよう伝えてきました。私どものところにも、存続を求める住民の会の皆さんから切実な要望が寄せられ、同趣旨の署名には短期間に5万筆を超える賛同が寄せられているとのことです。 中条第二病院は、十日町・津南地域で唯一の精神科病院であり、160人もの入院患者さんを抱える病棟の閉鎖は、とても容認できるものではありません。 精神科医療の確保に責任を負う県として、中条第二病院の入院病棟の存続を目指して対策を図るべきではないかと考えますが、知事の所見を伺います。 同様に、県全体の問題である医師・看護職員不足を原因として、今後も公的病院が経営難に陥る危険性が存在しています。 医師確保は、第一義的には民間病院の責任ではありますが、中条第二病院のように地域に不可欠な医療をしっかり維持・存続させるためには、民間病院任せでなく、県がそれなりの役割を発揮すべきではないかと考えます。 地域に不可欠な医療を担う公的病院に対する医師・看護職員の確保に向けた支援について、どのように取り組まれるのか、知事の所見を伺います。 次に、県政の諸課題について伺います。 まず、佐渡汽船について伺います。 今年度は、県と長岡市の支援により、寺泊-赤泊航路の維持・存続が図られているものの、佐渡汽船の経営改善や担い手確保などの対策が進まなければ、根本的な打開は図られない課題でもあります。 佐渡金銀山の世界文化遺産登録を視野に入れた観光振興と、佐渡島民の生活を守るためにも、海上運送法に基づき国土交通省が指定している寺泊-赤泊航路を含めた3航路の維持と安定運航をしっかり確保する立場からの支援をしていただきたいと考えます。 以上の点で、来年度以降も寺泊-赤泊航路の維持と安定運航のための支援を行うとともに、佐渡航路確保維持改善協議会などで、学識経験者なども含めた県民の知恵を集めて、抜本的な打開策を明確にしていただきたいと考えますが、知事の所見を伺います。 質問の最後に、新潟水俣病について伺います。 新潟水俣病について、知事は6月定例会で、機会があれば、現地視察等も含め、被害者の方々にお会いして率直な意見交換を行うなど状況把握に努めたいと答弁されました。その後、具体的に進んでいるのでしょうか。 ぜひとも新潟水俣病問題の早期解決を目指し、年内にも現地に入っていただき、患者・被害者の声を聞き、率直な意見交換を行っていただきたいと考えますが、知事の所見を伺いまして、質問を終わります。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 渋谷議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、安倍首相の発言と憲法尊重擁護義務についてでありますが、政党の党首が同時に内閣総理大臣を務めることが想定されている議院内閣制のもとで、与党党首が改憲について発言することは、一般的に憲法第99条が定める憲法尊重擁護義務に違反しないとの見解も示されております。 いずれにいたしましても、憲法改正については、現憲法の施行から70年以上が経過し、日本の社会・経済状況、外交的環境の変化の現実を踏まえ、国民的議論を十分経ながら、コンセンサスをつくっていくことが不可欠であると考えています。 次に、消費税率の引き上げについてでありますが、消費税は少子高齢化対策や社会保障に対する安定財源を確保するため必要なものであり、本県においても貴重な財源であると認識しております。 法律に規定されている消費税率10%への引き上げについては、6月に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針2018に改めて盛り込まれたところでありますが、引き上げに際しましては、その骨太の方針にあるとおり、経済への影響を十分に考慮した上で、国の責任において適切な施策を講じていただきたいと考えております。 次に、生活保護基準についてでありますが、国においては、健康で文化的な最低限度の生活を保障する観点から適正な水準となるよう、専門的かつ科学的な見地から定期的に検証を行っております。 今回の検証では、年齢、世帯人員、地域を組み合わせた世帯特性ごとに一般低所得世帯の消費の実態と基準額との乖離を是正するため、基準額が上がる世帯、下がる世帯が生じるものであり、モデル世帯においては、一般低所得世帯の消費水準と生活扶助基準とがおおむね均衡しており、生活扶助基準を全体として引き下げるものではないと聞いております。 県といたしましては、生活保護制度の全国一律のセーフティーネットとしての機能が十分に発揮されるよう、基準の見直しによる受給者の生活に対する影響を検証するなど、不断の見直しを行うことを全国知事会などを通じて、国に求めているところであります。 次に、障害者雇用水増し問題についてでありますが、中央省庁や地方公共団体は、率先して雇用促進を進めていく立場にあり、意図的に水増しが行われたということであれば、障害者雇用を促進する制度の信頼を大きく揺るがすものであり、あってはならないことであると考えています。 次に、公契約条例についてでありますが、公契約の契約先企業における賃金などの労働条件を条例で定めることについては、労働条件を労使間で自主的に決定することを原則とする労働関係法制との整合性の面で、課題も指摘されていることから、慎重に検討を進める必要があるものと考えております。 本県では、実質的な対応として、公共工事の最低制限価格について、全国トップ水準である予定価格の91%以上としているほか、県の庁舎の清掃業務などにも最低制限価格を導入しているところであり、こうした制度の適切な運用を通じて、今後とも、労働者の適正な賃金水準などの確保を図ってまいりたいと思っています。 次に、柏崎刈羽原発問題についてお答えします。 まず、避難計画と訓練についてでありますが、現在の県の広域避難の行動指針について、避難対応に係る各種マニュアルなどを充実させるなど実効性を向上させまして、年明け早いうちに広域避難計画としてまとめるよう作業を進めております。 訓練については、この広域避難計画を踏まえて年度内に机上訓練を実施したいと考えております。また、広域避難を想定した実働訓練については、来年度以降に実施したいと考えております。 訓練を実施し、その中で明らかになった課題の解決に取り組み、その結果を適宜計画へ反映することを繰り返すことによって実効性を高めてまいりたいと考えております。 次に、福島第一原発の事故原因に関する仮説についてでありますが、先日開催された技術委員会の課題別ディスカッションにおいて、委員から非常用電源の喪失原因に関する仮説が示されたと聞いております。 本件につきましては、専門的な立場で議論されているものと受けとめており、引き続き技術委員会で科学的、合理的に検証を進めていただきたいと思います。 次に、東京電力の企業体質についてでありますが、これまでもさまざまな指摘がなされており、県民の皆様から厳しい視線が多く向けられていることは、私も選挙期間中から肌で感じているところであります。 そのため、東京電力には安全最優先の取り組みを行動と実績の中で示してもらいたいと思っており、東京電力の小早川社長が8月に挨拶に来られた際に、その旨お伝えいたしました。 次に、原発再稼働問題と再生可能エネルギーの推進についてでありますが、これまでお答えしたとおり、原発事故に関する3つの検証の結果が示されない限り、原発再稼働の議論を始めることはできないと考えております。 私としては、将来的に原発に依存しない社会の実現を目指すべきと考えており、本県においても、多様な地域資源を活用した再生可能エネルギーの導入を促進してまいりたいと思います。 次に、教育問題についてお答えします。 まず、県立高校1年生の自殺事案における学校の対応についてでありますが、これまで、教育委員会では、いじめ防止対策推進法に基づく対策組織の整備や相談体制の充実などによる自殺予防を進めてきたと聞いています。 しかし、本事案は、生徒からの相談への対応が不十分で、対策組織も整備してきたけれども、つくるだけで実際に機能していなかったケースであったと思います。 また、保護者への連絡、いじめた生徒への指導などにも不十分な点があったことは、残念に思っています。 私としましては、本事案以降も、重大な事案が発生している現状を緊急事態と捉え、教育委員会には、全県立学校の現状の点検、検証やいじめ対策全般の見直しを進め、いじめから生徒を徹底して守ることを求めてまいりたいと思います。 次に、危険なブロック塀などへの対応についてでありますが、8月の全国調査結果において、外観点検で安全性に問題があるブロック塀等を有する141校について、現在、全ての学校で立入禁止看板設置等の応急対策が完了し、撤去や修繕などの対策を進めているところと聞いています。 また、外観点検で問題がなかったブロック塀などについては、検査機器による内部点検を順次実施し、建築基準法の基準に適合しないものは、撤去や修繕などの対策を講じているところと聞いております。 なお、民間のブロック塀等の撤去や改修の支援策につきましては、国は平成31年度予算の概算要求で、撤去などを進める自治体に対し、社会資本整備総合交付金を通じた支援を強化するとしています。 県といたしましては、今後も国の動向を注視するとともに、通学路などの民間所有のブロック塀撤去等に対する市町村の取り組み状況を踏まえ、財政支援の必要性について検討してまいりたいと考えております。 次に、県給付型奨学金の見直しについてでありますが、県給付型奨学金は、国の奨学金制度を補完して、支援を必要とする子供たちがより適切に対象となるよう、議会や有識者検討会等の御意見をいただきながら、本県独自の奨学金制度として制度設計し、運用しているところであります。 現在、国において、平成32年度実施に向けて国の給付型奨学金の大幅な拡充などが検討されており、県教育委員会で国や関係機関に対して情報収集をしているところであります。今後、国の動向を見きわめながら、県の給付型奨学金のあり方について検討してまいりたいと思います。 次に、医療問題についてお答えします。 まず、国の来年度予算の概算要求についてでありますが、防衛費の概算要求の妥当性について詳細に把握できる立場にはありませんので、防衛費が突出しているかどうかや、防衛費が社会保障関係経費を圧迫しているかどうかについては、コメントは困難であると考えております。 次に、中条第二病院についてでありますが、県としては、厚生連に対し、これまでも事業損失額に対して一定の財政支援を行ってきたところであり、引き続き病院の存続に最大限の努力を続けるよう要請したところであります。 今後も、十日町・津南地域における精神科医療の安定的な提供に向けて、医師の配置も含めた厚生連の今後の経営展望等をお聞きしながら、引き続き可能な支援を検討してまいります。 次に、公的病院に対する医師・看護職員の確保に向けた支援についてでありますが、県といたしましては、公的・民間など設置主体にかかわらず、病院の地域医療で担う役割や地域の実情などを踏まえて、医師・看護職員の確保に努めることが重要であると考えております。 現在、公的病院を初め医師不足地域等の病院へ修学資金を貸与した医師を配置するとともに、県内における看護職員の養成数をふやすなど、地域に必要な医師・看護職員の確保を図っているところであります。 引き続き、これらの取り組みにより、安定的な地域医療の確保に努めてまいります。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 まず、佐渡汽船の寺泊-赤泊航路についてでありますが、今年度は、行政支援による週末中心の運航に加えて、観光航路の可能性を探るため、寺泊と小木を結ぶ航路で試験運航が実施されており、輸送人員の増加に向けて、関係者が一丸となって利用促進に取り組んでいるところです。 先日開催した佐渡航路確保維持改善協議会では、佐渡汽船からは、今年度の輸送実績が前年の同じ曜日と比較した場合でも下回り、年度当初に目標とした水準に達しないことや、船員不足により今後は現行の運航体制の維持も難しいことなどが報告されました。委員からは、定期航路の存続を望む意見や観光航路としての新たな可能性を模索すべきといった意見をいただきました。 来年度の同航路のあり方については、再度協議会を開催し、これまでの報告や意見を踏まえつつ、地元自治体や住民を含めた関係者と丁寧に議論を行い、10月中を目途に一定の方向性を示したいと考えております。 次に、新潟水俣病の被害者との面会についてでありますが、私としても水俣病問題に取り組んでいくためには、被害者の方々から直接お話をお聞きすることは重要と思っておりますので、機会を見つけて、お会いする場を持ちたいと考えております。   〔防災局長熊倉健君登壇〕 ◎防災局長(熊倉健君) 2点についてお答えいたします。 避難委員会での東京電力の説明と委員会での指摘についてでありますが、東京電力からは、訓練での原子力規制庁への情報伝達について、基本的に情報伝達が遅かったこと、連絡内容の根拠などの説明が不十分であったこと、今後の復旧戦略が説明できなかったことなどが問題点として挙げられました。 また、これらに対する改善策として、訓練により技能を向上することや、責任と役割を明確化することなどの説明がありました。 これらの説明に対して、委員からは、避難に結びつく初期の事故情報をできるだけ早く出すことについて、まだ課題があるとの指摘がありました。 次に、原発事故発生時の放射線モニタリング体制についてですが、県では、国の原子力災害対策指針で示されたUPZ内における監視に加えまして、UPZ外について、県独自に地域防災計画において放射線量監視地域を定め、平時から全市町村に設置したモニタリングポストにより監視を実施しております。 議員御指摘の原発事故発生時には、これらに加えまして、UPZ外のモニタリングを国が責任を持って行う体制となっております。   〔教育長池田幸博君登壇〕 ◎教育長(池田幸博君) 4点お答えいたします。 障害者雇用に係る今後の教育委員会の対策についてでありますが、議員御指摘のとおり、平成30年6月1日現在の障害者雇用率は2.31%であり、年々向上しているものの、引き上げ後の法定雇用率2.4%を下回っております。 県教育委員会といたしましては、これまで、障害者の採用枠の設定や障害に配慮した検査の実施などにより、正規職員の採用拡大に努めるほか、県立学校に配置する非常勤職員に障害者を採用するなど、障害者の雇用拡大を進めてきたところです。 今後も、これらの対策を実施するとともに、さらなる職域の拡大に向けて調査を進め、法定雇用率を早期に達成できるよう努めてまいります。 次に、県立高校1年生の自殺事案における学校の対応についてですが、報告書では、被害生徒の相談に対し、組織的対応がとられておらず、さらには、保護者との情報共有もなかった中で、教員のいじめや生徒に対する認識が不足していたことが指摘されております。 また、第三者委員会からは、教育委員会に対して、学校のいじめ対策の取り組みに対する管理や指導に甘さがあったのではないかとも指摘されています。 私としましては、このことを重く受けとめ、学校が生徒の命を守れなかったことの、責任を痛感しております。 そのため、学校の組織的ないじめ対策を徹底するとともに、保護者と連携したいじめ対策の取り組みなどを強化するため、早急に、全県立学校のいじめ対策総点検を実施し、再発防止に努めたいと思います。 あわせて、現在のいじめ防止基本方針などの見直しや、いじめ問題に係る教育プログラムの作成などにより、教員のいじめに対する意識や生徒理解を改め、学校が、保護者、教育委員会と一体となって、いじめ対策を強化できるよう、取り組んでまいります。 次に、公立学校のクーラー設置についてですが、ことしのような猛暑時における児童生徒の健康に配慮する観点からも、重要であると認識しております。 県立学校については、高等学校において、これまで静穏な環境の確保や室温管理、周辺住民への配慮が必要な保健室、情報処理室、音楽教室等に設置してきたところです。一方で現在、普通教室にクーラーが設置されていない学校が13校あることからも、通常授業にも活用できる多目的教室など特別教室等についても、各学校の実態に応じて整備してまいります。また、特別支援学校においても、障害の程度に応じて単独学級での授業が展開できるよう、必要な教室への整備を進めてまいりたいと考えております。 市町村立学校につきましては、設置者である市町村が計画的な整備が行えるよう、県といたしましても、国に対して、補正予算の編成も含め、必要な財源確保を要請したところであり、引き続き、国の情報をきめ細かく提供するなど、支援してまいりたいと考えております。 次に、学校給食費の負担軽減についてですが、本県においては、学校給食費に関する文部科学省の調査によると、2市1村が学校給食費の一部を支援し、2町が食材購入費の一部を補助しております。これらの取り組みは、子育て支援、定住・移住の促進、地産地消の推進など、それぞれの自治体の施策として実施しているものと承知しております。 一方、経済的に困窮している保護者に対しては、就学援助制度により学校給食費の支援が行われており、昨年度県内では約2万9,000人が対象となっているところです。 このような中、市町村と連携した学校給食費の負担軽減につきましては、県内市町村の取り組み状況を引き続き把握するとともに、今後の国の動向を注視してまいりたいと考えております。   〔渋谷明治君登壇〕 ◆渋谷明治君 再質問させていただきますが、最後で、もうお疲れでありますから、いっぱいしたいのですが、1つだけにさせてもらいます。 今、知事が答弁なさった消費税の関連。消費税の関連で答弁なさいましたが、それによると、福祉だとか高齢者とかの予算に消費税が必要になったというふうに述べられました。 私は、消費税が増税になって、景気が回復していないのではないかということについては、どうも聞こえなかったような気がするのですが、そのことについて、認識があったら聞かせてもらいたいのです。 実は、財務省及び総務省の公表データで試算したものによれば、消費税が始まってから30年間で国民が納めた消費税の額は349兆円。それから、法人税3税の減税の分が280兆円。これは、法人税の減税分だけです。法人税というのは、利益が上がらなければ納税がありませんから、これは減税したのです。ということになってくると、349兆円から280兆円が、そっちに回ったことになります。 だから、介護だの高齢者には、回らないことになるのではないかと。こういうことについて、知事は認識があるのかどうか。私は、こういうことからすれば、増税はすべきでないと考えるのですが、改めて質問しておきたいと思います。   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) お答えします。 私は、これからも拡大が予想される少子高齢化対策費や社会保障に関する費用といいますか、国の財政を考えますと、消費税というのは、それらの政策に対する安定財源として必要なものであると考えております。そして、県にとっても貴重な財源であると認識しております。 ○議長(沢野修君) 渋谷明治君の質問は終わりました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(沢野修君) これにて一般質問は終了いたしました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(沢野修君) お諮りいたします。 議案審査等のため、10月1日から10月5日まで、10月9日及び10月10日の7日間、本会議を休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(沢野修君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、明9月29日、9月30日及び10月6日から10月8日までは休日のため、本会議を休会といたします。   ――――――――☆―――――――― ○議長(沢野修君) お諮りいたします。 次会は、10月11日午前10時から開くことにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(沢野修君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(沢野修君) 本日の議事日程は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 △午後4時48分散会...